壮絶開幕! 最終決戦ラグナノク!!
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ラグナロクスタジアムにはSARUの言った通り生活スペースの中に個室もあったので、倒れたフェイを急いで運ぶ。しかし試合に向けて練習もしないといけないので、フェイのことはエルドラドチーム01の雷門メンバーに任せ、他のメンバーは練習をしている。
ベッドで横になるフェイの目覚めを待つ間、特に心配している黄名子はそばにある椅子に座って必死に看病していた。その甲斐もあったのか、フェイの目がゆっくりと開くのを見て黄名子は声を上げる。
「っ……」
「「「「「!」」」」」
「フェイ!」
「そうか……僕は気を失って……」
「大丈夫? 頭抑えてたけど……痛みとかは?」
「うん。もう平気だよ」
「よかった~……みんな心配したやんね」
上半身を起こしてそう言ったフェイに、部屋にいる全員はホッと息を吐く。しかしあの様子は尋常じゃなかったので、一乃七助と青山俊介は再び心配そうに問う。
「本当に大丈夫なのか、フェイ?」
「セカンドステージ・チルドレンに、超能力で何かされたんじゃ……!?」
「それはない。SARUも言ってたじゃないか、僕たちの戦いは『超能力を使わず勝負する』って」
「――どうだかな」
「!」
フェイの言葉に疑問を放ったのは、いつの間にか入ってきたガウラだ。そのうしろには同じエルドラドチーム01のメンバーであるウォードとダーナもいる。
「あいつらがそんな約束を守るとは思えん」
「SARUは嘘はつかない」
「ハッ! お前セカンドステージ・チルドレンの言うことなんか信じるのか?」
「ああ……。SARUは嘘はつかない……そんな気がするんだ」
「ケッ! 敵を信じるとはな」
ガウラは吐き捨てるようにそう言うと、他の二人と一緒に部屋から去って行った。残ったのは少しばかり重い空気であり、それを変えようと黄名子はできるだけ明るい声を出す。
「そ、それにしてもよかったやんね! そうだ、何か食べ物持って来るやんね!」
「だったら俺たちが行こう。黄名子は付いていてやれ」
「ありがとうございます!」
フェイを一番心配していたのが黄名子だとわかっているので、車田剛一たちは二人を残して部屋から出て行った。もちろんそれだけ人数はいらないだろうが、今は二人にした方がいいと思ってのことだろう。
二人だけ残ったので、黄名子はフェイに改めて倒れる前のことをフェイに問いかける。
「フェイ、あのとき何があったやんね?」
「何も……。でも、SARUを見たら……」
「見たら?」
「っ……わからない。頭の中で何か見えたような気がしたけど、それがなんなのか思い出せない……」
「フェイ……」
フェイだって何故SARUのことを『嘘はつかない』と確信できる言葉を放ったのかはわからない。いろんな疑問がフェイの中には生まれているので、黄名子は心配そうに見つめた。
『彼らはただ「特別な力を持って産まれた人間」に過ぎないのさ。それに子供の彼らがこんなことをするのは、彼らが世界を否定したからじゃない……先に世界が彼らを否定したんだ!』
(あのとき、どうして僕は『嬉しい』なんて思ったんだろう……?)
瑞貴がトウドウたちに向かってそう言ったとき、フェイは自分はセカンドステージ・チルドレンと関係ないはずなのにそう思った。その理由は何故だかフェイ自身でもわからない。
――フェイの心配をしているのは天馬もそうだった。今はエルドラドチーム03用の宿舎にあるミーティングルームにチームのみんなといる。雷門中のサッカー棟がモデルなのか、テーブルや椅子やモニターの配置も馴染みやすい。
「フェイ、大丈夫なのかな? 今は他のチームと宿舎が別だから話ができないし……」
「大丈夫だよ、きっと。黄名子やみんなも付いてるから」
「うん、そうだね」
みんながいるから大丈夫と信助がそう言うと、天馬もみんなを信じることにした。
「では、ミーティングを始める」
選手のポジションが映し出されたモニターの前に、豪炎寺修也が立って両腕を組む。
「エルドラドから提供されたセカンドステージ・チルドレンの情報には、彼らのサッカーのデータはなかった」
「えっ!? 戦ったことがあるんじゃないのか、レイ=ルク!?」
「サッカーではない。パーフェクト・カスケイドは彼らの侵略行為に対して防戦を行(オコナ)っただけだ」
恐竜時代で途中撤退したのが、宣戦布告しに来たセカンドステージ・チルドレンを相手にするためと知ったので、霧野は驚いてうしろのテーブルにいるレイ=ルクに問うと淡々と言う。その答えに影山輝や速水鶴正は目を見開いた。
「それって、彼らがどんなサッカーをするのか未知数ってことですか!?」
「試合であの超能力を使われたら、俺たち敵いっこないですよー!」
「ちゅーか……確かに……」
浜野もいつもの軽口が言えるほどじゃなく眉を下げる。しかし雨宮太陽は、セカンドステージ・チルドレンが超能力を使わずサッカーを勝負として仕掛けてきたからには余程の自信があるとわかった。