結束! 雷門とエルドラド!!
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時は少しさかのぼる。エルドラドチーム02は、特に雷門とエルドラドのメンバーの衝突が激しかった。現にドリブルするベータに倉間がくいかかる。
「そっちがその気ならこっちだって!」
勢いよくスライディングする倉間だが、ベータは軽々とボールごとジャンプしてかわした。
「ウフッ、残念でしたわね」
「クッ!」
「フッ!」
「ベータ! こっちだド!」
「フンッ」
今度はガンマが来るので天城はパスを促したが、ベータは一瞥しただけでパスは出さずルジクがいるゴールに向けてシュートを打つ。しかしそのシュートはルジクに取られるどころかゴールの隅に当たって弾かれた。
「プゥ~」
「まだまだだね」
「ベータ!」
「っ」
天城は声を低くして指示を無視したからこうなったというように呼ぶが、ベータはなんとも思わず背を向けた。それに倉間は天城に向けてベータを指差して肩をすくめるのだった。
――練習が終わってそれぞれのロッカールームに移動すると、天城は拳を横にして思いきりロッカーを殴った。
「こんなチーム、やってられないド! あいつらがいるなら、俺は降りるド!」
「天城さん……」
「俺も天城さんに賛成だ」
「倉間まで……」
まだ初日だというのに早くも見切りを付けた天城。それは倉間も同意だと神童に告げた。
「こうなったら監督に直談判だド! メンバーを変えてもらうド!」
「待ってください! チーム編成はサカマキ監督だけじゃない。豪炎寺さんも鬼道さんも一緒になって考えたんです。きっと意味があるはずですよ!」
「どんな意味があるって言うんだよ」
「っ、それは……」
自分でそう言ったものの、神童にだって監督たちの意図はわからないままだ。答えなくても態度でわかった倉間は呆れる。
「これじゃやる前から勝負は見えているな」
「行くド、倉間」
ジャージに着替えず天城と倉間は部屋から出て行った。
「……最悪。天馬くんたちはうまくいってんのかな?」
今まで傍観していた狩屋は、他のチームはちゃんとできているのかと思った。
――廊下でレイザとメダムが歩いていると、うしろから声がかかる。
「レイザ、メダム」
「「!」」
「これから夜の練習をやろうと思うんだけど、一緒に行かない? 連携とか確認しときたいし」
「「…………」」
天馬からの自主練の誘いに、レイザとメダムは顔を見合わせる。
「今日の練習は終わりだ」
予定時間外の練習をするつもりはないのか、雷門と練習したくないのかわからないが、メダムはそう告げてレイザと共に去って行った。
誘いを断られた天馬は眉を下げるが、試合までには今日より進歩するはずだと自分に言い聞かせる。
「なんとかなるさ!」
☆☆☆☆☆
翌日。エルドラドの会議室で、トウドウはサカマキから報告を受けていた。
「そうか、わかった」
「トウドウ、万が一セカンドステージ・チルドレンがマリアを奪いに来たらどうする? 奴らの中には好戦的な者もいるため、強行突破の可能性もある」
「案ずるな。マリアは今こちらの手の中だ。いくら奴らの守りの能力を持ってしても迂闊に手を出せない。もしそのようなことがあれば、そのときは――」
シュンッ!
トウドウが言葉を告げる前にワープパネルから瑞貴が現れたので口を閉じた。それぞれのチームの分析結果を渡しに来たのだろう。
「これが、みんなのデータよ。まだ連携には問題あるけど、バランス的には最適だって判断されたから」
「わかった」
相変わらず言葉にトゲがあるとはいえ、瑞貴はちゃんと仕事をやってくれている。それは受け取ったデータからトウドウにもすぐにわかった。しかし――。
〈大変です、議長! セカンドステージ・チルドレンたちが!〉
「「「!?」」」
議員の一人から通信で報告を受けたトウドウは、コンピューターを操作してエルドラドの周りの監視カメラを映し出すと、あちこちにセカンドステージ・チルドレンが集まっていた。一部の者は武器まで持っているのでトウドウは目を見開く。
「これは……!」
(この子たちが、セカンドステージ・チルドレン……!)
トウドウとは違い瑞貴は初めて見るセカンドステージ・チルドレンに驚いていた。中でもSARUが天馬とよく似ていることにびっくりしたが、それは天馬の血を引いているかのせいがあると思ったから、すぐにこの疑問は解消されたが……。
(なんだろう……この感じ……)
瑞貴は首から下げている指輪をギュッと握りしめる。彼らを見ると何故だか胸にざわつきを感じ、さらに結婚指輪が心なしか熱くなっていたからだ。
まだラグナロクまで日があるのに、ここへやってきたセカンドステージ・チルドレンの真意とは!?
☆コーチの 今日の格言☆
思想が違う者同士が組んだことで意外な化学反応を起こすこともある
以上!!