恐怖のハイパーダイブモード

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「それでこそ我が力を受け継ぐ者。お前には絶対的な勇気がある、揺るぎない実行力がある、そしてそんな人間の元に人は集まる」

「俺に……?」

「私はお前の中に私が求め続ける王の姿を見た。苦しむ仲間を力づける希望の風……――それが松風天馬、お前だ! お前はなるのだ。みんなが安心して身を任せられる、本当の王にな!」

「本当の王……!」

「ウム」


この先困難はあれどきっと天馬なら大丈夫だと確信したアーサー王は力強く頷くと、周りにいる円卓の騎士団の雷門メンバーを見渡す。


「忘れるな! お前たちが円卓の騎士であることを! この先どのような困難にも、騎士の誇りと勇気を胸に、果敢に立ち向かうのだ!」

「「「「「はい!!」」」」」

「円卓の騎士に栄光あれ!」

「「「「「オ――ッ!!」」」」」


エクスカリバーを掲げて自分たちの旅立ちを祝うアーサー王。それに瑞貴とマネージャー組を含む全員がアーサー王への誓いを胸に拳を高らかに上げた。



――元の世界に戻るにはまずどこかにあるTMキャラバンを探しださなければならない。それにはどれくらいかわからない旅になるので、水分補給も兼ねて道中で休憩を取っていると水を飲んだ錦が嬉しそうに言う。


「天馬と黄名子もミキシマックスか。こうなるとわしらのチームはすでに時空最強じゃないんか?」

〈バッカモンッ!! 何度も言っておろうが! サッカーにおける強さとは、個人の能力ではない! チームの力は選手同士が生み出すハーモニーによって決まる! 十一のピースがそろわねば、時空最強の力は発揮されんのだ!〉

「わかったぜよ……」


小さなクロノストーンでも大きな存在を感じる大介の喝が錦に入る。しかしそれはこの場にいる全員の心にも刻まなければならないことだ。



――離れた場所にある川で革水筒に水を入れる天馬と葵。恐らく一番最初に気づいてずっと心配してくれた葵に天馬は謝罪する。


「心配、かけちゃったね……」

「ん、まったく天馬は!」

「ごめん。前にもこんなことあったよね」

「……気のせいかな?」

「えっ?」

「キャプテンらしい顔になってる」

「キャプテンらしい顔?」

「うん!」


天馬は自分のことなのでわからないが、葵は雰囲気が変わったと確かに感じて笑った。


「――スゴいよ、天馬くん」

「「!」」


突然二人のうしろに現れたのは先ほどまで試合を見学していた白髪の少年。しかし天馬と葵は今まで気づかなかったので、誰だかはわからないが、服装からしてこの世界の人間ではないとわかる。


「君は?」

「フフフッ」


少年はゴーグルを外すと隠れていた瞳が見えた。その瞳とどことなく感じる雰囲気に葵は天馬と少年を交互に見る。


「似てる……天馬に」

「えっ?」

「フッ、それはそうかもね」

「どういうことだ?」

「僕の名はサリュー=エヴァン。みんな僕を『SARU』と呼ぶ」

「SARU?」


何故天馬と似ているのかは少年――サリュー=エヴァンにはわかっていた。それを踏まえて話すためにここに来た。


「まずは僕の代わりに母さんを守ってくれてありがとう。ずっとそれを言いたかった」

「母さん? いったい誰のことだ?」


天馬はSARUの言う『母さん』が誰のことかわからなかった。確かに自分は雷門を守ってきたつもりはあるが、近しい人物はおろか共に旅をしている唯一の大人である瑞貴だって、SARUのような子供はいない。


「それと一緒に伝えたいことがあって来たんだ。とても大事なことさ……君たちと僕たちについてね。いいかい? 僕たちは――」


パアアァァアアア――!


「「「!」」」


突如現れた紫色の光が、SARUを残して天馬と葵を連れ去った。二人だけでなく別の場所にいた雷門メンバーも全て。

連れ去ったのは空中に浮かぶエルドラドのルートクラフトだ。全員を乗せたのを確認すると、ルートクラフトはその場から消えた。


「エルドラドに先を越されちゃったな……――まあいいや」


エルドラドは先ほど撤退したので来るとは思っていなかったが、SARUは特に残念とは思っておらず口角を上げている。

ルートクラフトの中では、いつの間にか元の服装に戻っていた雷門メンバーが、混乱したように周りを見渡していた。










☆コーチの 今日の格言☆



素質っていうのは自分だけでは気づけないこともある。だからこそ、誰かがちゃんと見ているんだよ



以上!!
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