アーサー王とマスタードラゴン
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「わあああっ!」
「アーサー王!」
アーサー王はマスタードラゴンの攻撃をかわしていくものの、衝撃の余波が来たので後退すると神童は声を上げた。
「思い出せ、マスタードラゴン! お前が人より気高く、賢く魂を持つ者であることを!」
〈グルルルル……!〉
「言葉は通じぬか……!」
できれば戦いたくなかったのだろう。共に世界のために戦った戦友とも言えるべき存在を手にかけたくなかったアーサー王だが、ついにエクスカリバーに手をかけた。
「アーサー王をくらいつくすのだ」
〈アオオォォオオン!!〉
黒騎士の命令にマスタードラゴンが咆哮を上げると、ついにアーサー王はエクスカリバーを抜き取る。それを見た黄名子はアーサー王を止めようとする。
「やめて! マスタードラゴンは、本当はいいドラゴンやんね!」
「黄名子……」
絵本の内容も知っているということもあるが、黄名子は出会ったときからマスタードラゴンが優しい心を持っているとわかっていた。それはアーサー王も同じである。
「わかっている。だが、マスタードラゴンが民の災いとなるならば、私はためらうことなくエクスカリバーを振るう!」
「そんな……! 大人しくするやんね! マスタードラゴン!」
〈…………!〉
その答えを聞いた黄名子がマスタードラゴンに向けて声を上げると、マスタードラゴンは黄名子を見て一瞬だけその瞳が揺れたが、次に光ると同時に元の暗い瞳になってアーサー王に敵意を向ける。
〈グルルルル……!〉
「聞こえるぞ、そなたの嘆き……」
パアアァァアアア――!
アーサー王の民を愛する心と、マスタードラゴンを救いたいという想いに応えるようにエクスカリバーが輝く。
マスタードラゴンがアーサー王に再び襲いかかり、アーサー王もまたマスタードラゴンに迎え撃つ。何度か攻防が続く中、受け身を取ったアーサー王が顔を上げると、空中に浮かぶマスタードラゴンに向けて狙いを定める。
「うおおぉぉおおお!!」
〈アオオォォオオン!!〉
ザンッ――……!
「っ……!」
フッ……。
〈グウッ……〉
交差したその後、アーサー王は戦友に手をかけた悲しみで眉をしかめて歯を食いしばり、マスタードラゴンは瞳に淡い光が輝くと優しい眼差しになった。そして地に落ちたマスタードラゴンは勢いよく滑り脇にある湖の中に沈むのだった。
「マスタードラゴン……!」
マスタードラゴンの魔法でできた鳥籠だったのか、敗北したことで力失って消えて黄名子を解放する。すると黄名子は着地したのち一目散に湖へ駆け出す。
「マスタードラゴン!」
「黄名子ちゃん!」
「マスタードラゴンが……!」
このままだとマスタードラゴンを追って湖に飛びかねないと思った瑞貴は黄名子の腕をつかみ、自身の腕を回して黄名子を引き留める。
そして二人は共に湖のそばに寄ると、マスタードラゴンが浮かぶことなかったので、黄名子はショックのあまり両膝と両手を地に付けた。
「これが、アーサー王……!」
「絶対的な勇気、揺るぎない実行力……!」
「本物の英雄ぜよ……!」
アーサー王がマスタードラゴンを手に掛けたのは民を守るだけでなく、操られて苦しんでいるマスタードラゴンを救うためでもある。それがわかった天馬と神童と錦たちは、英雄と呼ばれる姿を目の当たりにした。
そして同時にマスタードラゴンは湖の底へ沈んでいくのを見届けることになった。
「可哀想……マスタードラゴン、可哀想過ぎるやんね……」
「黄名子ちゃん……」
まるでアーサー王の分まで悲しんでいる黄名子を、瑞貴は慰めるように背中に手を置いた。
それを見た天馬は歯を食いしばり、柱にいる黒騎士を睨みつけて走り出す。フェイもそれに続いて黒騎士を見上げる。
「マスタードラゴンにこんなことをするなんて!」
「お前、何を企んでいる!?」
「知りたいか」
柱から飛び降りた黒騎士は、天馬たちと対峙すると目の前で兜を外す。そこから現れた素顔は……。
「お前は……!」
「レイ=ルク!」
「ダークドラゴンナイトは仮の姿ということだ」
パーフェクト・カスケイドのキャプテン、レイ=ルクだった。それと同時に彼の足元から見知ったユニフォーム姿に変わっていく。
そしてレイの背後に十人のパーフェクト・カスケイドのメンバーが現れ、この世界に来たのがレイだけではないと知った雨宮と天馬が声を上げる。
「パーフェクト・カスケイド!」
「お前たちも、物語に組み込まれていたということか!」
「我々は、対戦を要求する」
「いいだろう。お前たちの挑戦、我が円卓の騎士が受けて立つ。いいな」
レイの挑戦を受けたアーサー王の問いに、天馬たちは全員頷いた。物語の完結のため、サッカーを救うため、どちらにしてもパーフェクト・カスケイドと戦わなければならない。
「アーサー王!」
アーサー王はマスタードラゴンの攻撃をかわしていくものの、衝撃の余波が来たので後退すると神童は声を上げた。
「思い出せ、マスタードラゴン! お前が人より気高く、賢く魂を持つ者であることを!」
〈グルルルル……!〉
「言葉は通じぬか……!」
できれば戦いたくなかったのだろう。共に世界のために戦った戦友とも言えるべき存在を手にかけたくなかったアーサー王だが、ついにエクスカリバーに手をかけた。
「アーサー王をくらいつくすのだ」
〈アオオォォオオン!!〉
黒騎士の命令にマスタードラゴンが咆哮を上げると、ついにアーサー王はエクスカリバーを抜き取る。それを見た黄名子はアーサー王を止めようとする。
「やめて! マスタードラゴンは、本当はいいドラゴンやんね!」
「黄名子……」
絵本の内容も知っているということもあるが、黄名子は出会ったときからマスタードラゴンが優しい心を持っているとわかっていた。それはアーサー王も同じである。
「わかっている。だが、マスタードラゴンが民の災いとなるならば、私はためらうことなくエクスカリバーを振るう!」
「そんな……! 大人しくするやんね! マスタードラゴン!」
〈…………!〉
その答えを聞いた黄名子がマスタードラゴンに向けて声を上げると、マスタードラゴンは黄名子を見て一瞬だけその瞳が揺れたが、次に光ると同時に元の暗い瞳になってアーサー王に敵意を向ける。
〈グルルルル……!〉
「聞こえるぞ、そなたの嘆き……」
パアアァァアアア――!
アーサー王の民を愛する心と、マスタードラゴンを救いたいという想いに応えるようにエクスカリバーが輝く。
マスタードラゴンがアーサー王に再び襲いかかり、アーサー王もまたマスタードラゴンに迎え撃つ。何度か攻防が続く中、受け身を取ったアーサー王が顔を上げると、空中に浮かぶマスタードラゴンに向けて狙いを定める。
「うおおぉぉおおお!!」
〈アオオォォオオン!!〉
ザンッ――……!
「っ……!」
フッ……。
〈グウッ……〉
交差したその後、アーサー王は戦友に手をかけた悲しみで眉をしかめて歯を食いしばり、マスタードラゴンは瞳に淡い光が輝くと優しい眼差しになった。そして地に落ちたマスタードラゴンは勢いよく滑り脇にある湖の中に沈むのだった。
「マスタードラゴン……!」
マスタードラゴンの魔法でできた鳥籠だったのか、敗北したことで力失って消えて黄名子を解放する。すると黄名子は着地したのち一目散に湖へ駆け出す。
「マスタードラゴン!」
「黄名子ちゃん!」
「マスタードラゴンが……!」
このままだとマスタードラゴンを追って湖に飛びかねないと思った瑞貴は黄名子の腕をつかみ、自身の腕を回して黄名子を引き留める。
そして二人は共に湖のそばに寄ると、マスタードラゴンが浮かぶことなかったので、黄名子はショックのあまり両膝と両手を地に付けた。
「これが、アーサー王……!」
「絶対的な勇気、揺るぎない実行力……!」
「本物の英雄ぜよ……!」
アーサー王がマスタードラゴンを手に掛けたのは民を守るだけでなく、操られて苦しんでいるマスタードラゴンを救うためでもある。それがわかった天馬と神童と錦たちは、英雄と呼ばれる姿を目の当たりにした。
そして同時にマスタードラゴンは湖の底へ沈んでいくのを見届けることになった。
「可哀想……マスタードラゴン、可哀想過ぎるやんね……」
「黄名子ちゃん……」
まるでアーサー王の分まで悲しんでいる黄名子を、瑞貴は慰めるように背中に手を置いた。
それを見た天馬は歯を食いしばり、柱にいる黒騎士を睨みつけて走り出す。フェイもそれに続いて黒騎士を見上げる。
「マスタードラゴンにこんなことをするなんて!」
「お前、何を企んでいる!?」
「知りたいか」
柱から飛び降りた黒騎士は、天馬たちと対峙すると目の前で兜を外す。そこから現れた素顔は……。
「お前は……!」
「レイ=ルク!」
「ダークドラゴンナイトは仮の姿ということだ」
パーフェクト・カスケイドのキャプテン、レイ=ルクだった。それと同時に彼の足元から見知ったユニフォーム姿に変わっていく。
そしてレイの背後に十人のパーフェクト・カスケイドのメンバーが現れ、この世界に来たのがレイだけではないと知った雨宮と天馬が声を上げる。
「パーフェクト・カスケイド!」
「お前たちも、物語に組み込まれていたということか!」
「我々は、対戦を要求する」
「いいだろう。お前たちの挑戦、我が円卓の騎士が受けて立つ。いいな」
レイの挑戦を受けたアーサー王の問いに、天馬たちは全員頷いた。物語の完結のため、サッカーを救うため、どちらにしてもパーフェクト・カスケイドと戦わなければならない。