アーサー王とマスタードラゴン
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全員アーサー王に追いついて行くと、だんだんと道も狭くなって石の階段を上っているかのようになる。それでも全員がついていけるのは先ほどの二人の言葉によるものだろうと天馬は思った。
(やっぱり俺には、神童先輩や太陽みたいにみんなを引っ張っていくことができないのかな……?)
そう思った天馬がふとうしろを見ると、ドレスの裾を持ち上げて一生懸命進む葵の姿が見えた。ドレスなので思うように進めないのだろう。段差も軽いジャンプで上がっている。
「んっ、よっ、あっ! ああぁ!」
「っ!」
うしろに倒れそうになる葵を、天馬はとっさに手をつかんで腰を落として力を入れると、なんとか引き上げることができた。
「大丈夫?」
「うん」
「ムリするなよ」
「でも、早く助けにいかなくちゃ。黄名子ちゃん、私の身代わりになって捕まったんだもの……」
「葵のせいじゃないよ。黄名子は騎士――いや、仲間として当然のことをしたんだ。葵だって同じ立場だったら、同じことをしただろ? だから、今度は俺たちが黄名子を助けるんだ」
「うん!」
天馬に励まされた葵は、差し出された手を取って共に歩く。そんな二人の姿をしばし足を止めてアーサー王は優しい瞳で見守っていた。
「フゥ~……わあっ!」
「おっと」
疲労が溜まったせいか足がもつれた輝が思わず体勢を崩しそうになると、瑞貴が横から支えた。
「ありがとうございます、瑞貴さん」
「怪我はない?」
「はい……。なんだか嘆きの洞窟に着く前に力尽きそうです……」
「だけど輝くんは歩いている。一歩一歩進むってことは、着実に目的地へ辿り着こうとしている証拠だよ」
「はい!」
気を取り直した輝はやる気に満ちながら進んで行く。そのうしろ姿を瑞貴は微笑ましそうに見ていた。
――道は所々石があるものの平地になっていき、だんだんと薄暗くなってきた。確実に嘆きの洞窟へ近づいていると信助と錦は気づく。
「あとひと息……」
「やっぱキツいぜよ……」
「もしかして……!」
「どうした、茜――じゃなかった、妖精ビビアン」
「これは試練」
「試練?」
何かに気づいた茜が声を上げたので水鳥が問いかけると、茜は絵本を開いて呟いたので剣城京介が聞き取る。
「『嘆きの洞窟を目指す騎士たちの苦しい旅、行く手を毒蛇が遮る』……」
「わああぁぁあああ!!」
「どうした!?」
茜が絵本の内容を読み上げると、狩屋の悲鳴が上がったので神童たちは何事かと顔を向ける。
「へ…へ…へ…へ…へ、蛇! へ、蛇ー!」
「「「「「あっ!」」」」」
アーサー王と天馬たちの間に蛇がいた。しかも大量な上にこちらに少しずつ向かってくる。特に苦手な狩屋は霧野蘭丸のうしろに隠れてしまう。
「おおお俺、蛇ダメなんスよー! 誰か追っ払ってくださいー!」
「天馬なんとかしてー!」
「ムーリムリムリムリ! なんともできない!」
狩屋に続いて葵も天馬を盾にしているが、いくら蛇が平気な人でもこんなに大量にいてはさすがに抵抗がある。そこへアーサー王が喝を入れた。
「恐れるな! 蛇ごときなんでもない!」
「ンなこと言われても……! 瑞貴姉さん! 魔法でなんとかしてー!」
「私だって蛇は怖いよ! それにこんな狭い場所でやったら、どれほど被害が出るか……!」
かくいう瑞貴だって蛇は苦手だ。しかし魔法を使ってしまったら最悪奥にいるアーサー王どころか周りにいる狩屋たちを巻き込んでしまう。
「蛇? ワンダバ、ボールを倉間に!」
「ボール?」
「っ、わかった!」
霧野の思惑がわかった倉間は、クラーク=ワンダバットからボールを受け取ると、それを空中へ投げて自信もジャンプする。
「サイドワインダー!」
倉間の必殺技であるサイドワインダーは大きな蛇が現れるので、毒蛇たちはその蛇を強者と認めたのか動きを止めた。それを見たワンダバは納得して声を上げる。
「なるほど!」
「蛇(ジャ)の道は蛇ぜよ!」
「それはちょっと違うと思うぞ……」
錦が声を上げた通り確かに現状は文字通り蛇の道だが、ことわざとしては意味が違うと水鳥は呆れていた。
(やっぱり俺には、神童先輩や太陽みたいにみんなを引っ張っていくことができないのかな……?)
そう思った天馬がふとうしろを見ると、ドレスの裾を持ち上げて一生懸命進む葵の姿が見えた。ドレスなので思うように進めないのだろう。段差も軽いジャンプで上がっている。
「んっ、よっ、あっ! ああぁ!」
「っ!」
うしろに倒れそうになる葵を、天馬はとっさに手をつかんで腰を落として力を入れると、なんとか引き上げることができた。
「大丈夫?」
「うん」
「ムリするなよ」
「でも、早く助けにいかなくちゃ。黄名子ちゃん、私の身代わりになって捕まったんだもの……」
「葵のせいじゃないよ。黄名子は騎士――いや、仲間として当然のことをしたんだ。葵だって同じ立場だったら、同じことをしただろ? だから、今度は俺たちが黄名子を助けるんだ」
「うん!」
天馬に励まされた葵は、差し出された手を取って共に歩く。そんな二人の姿をしばし足を止めてアーサー王は優しい瞳で見守っていた。
「フゥ~……わあっ!」
「おっと」
疲労が溜まったせいか足がもつれた輝が思わず体勢を崩しそうになると、瑞貴が横から支えた。
「ありがとうございます、瑞貴さん」
「怪我はない?」
「はい……。なんだか嘆きの洞窟に着く前に力尽きそうです……」
「だけど輝くんは歩いている。一歩一歩進むってことは、着実に目的地へ辿り着こうとしている証拠だよ」
「はい!」
気を取り直した輝はやる気に満ちながら進んで行く。そのうしろ姿を瑞貴は微笑ましそうに見ていた。
――道は所々石があるものの平地になっていき、だんだんと薄暗くなってきた。確実に嘆きの洞窟へ近づいていると信助と錦は気づく。
「あとひと息……」
「やっぱキツいぜよ……」
「もしかして……!」
「どうした、茜――じゃなかった、妖精ビビアン」
「これは試練」
「試練?」
何かに気づいた茜が声を上げたので水鳥が問いかけると、茜は絵本を開いて呟いたので剣城京介が聞き取る。
「『嘆きの洞窟を目指す騎士たちの苦しい旅、行く手を毒蛇が遮る』……」
「わああぁぁあああ!!」
「どうした!?」
茜が絵本の内容を読み上げると、狩屋の悲鳴が上がったので神童たちは何事かと顔を向ける。
「へ…へ…へ…へ…へ、蛇! へ、蛇ー!」
「「「「「あっ!」」」」」
アーサー王と天馬たちの間に蛇がいた。しかも大量な上にこちらに少しずつ向かってくる。特に苦手な狩屋は霧野蘭丸のうしろに隠れてしまう。
「おおお俺、蛇ダメなんスよー! 誰か追っ払ってくださいー!」
「天馬なんとかしてー!」
「ムーリムリムリムリ! なんともできない!」
狩屋に続いて葵も天馬を盾にしているが、いくら蛇が平気な人でもこんなに大量にいてはさすがに抵抗がある。そこへアーサー王が喝を入れた。
「恐れるな! 蛇ごときなんでもない!」
「ンなこと言われても……! 瑞貴姉さん! 魔法でなんとかしてー!」
「私だって蛇は怖いよ! それにこんな狭い場所でやったら、どれほど被害が出るか……!」
かくいう瑞貴だって蛇は苦手だ。しかし魔法を使ってしまったら最悪奥にいるアーサー王どころか周りにいる狩屋たちを巻き込んでしまう。
「蛇? ワンダバ、ボールを倉間に!」
「ボール?」
「っ、わかった!」
霧野の思惑がわかった倉間は、クラーク=ワンダバットからボールを受け取ると、それを空中へ投げて自信もジャンプする。
「サイドワインダー!」
倉間の必殺技であるサイドワインダーは大きな蛇が現れるので、毒蛇たちはその蛇を強者と認めたのか動きを止めた。それを見たワンダバは納得して声を上げる。
「なるほど!」
「蛇(ジャ)の道は蛇ぜよ!」
「それはちょっと違うと思うぞ……」
錦が声を上げた通り確かに現状は文字通り蛇の道だが、ことわざとしては意味が違うと水鳥は呆れていた。