アーサー王とマスタードラゴン
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松風天馬とフェイ=ルーンは入団テストに合格し、無事に神童拓人率いる円卓の騎士のメンバーになれた。しかし黒騎士と暗黒化したマスタードラゴンがメローラ姫となった空野葵をさらおうと襲いかかる。そこへ菜花黄名子がかばったため、彼女が黒騎士とマスタードラゴンに連れ去られてしまった。
アーサー王はかつて多くの魔物を打ち倒したエクスカリバーを取り出したが、それは魔力を失いボロボロの剣となってしまう。そこへ妖精の森の湖に行き、妖精ビビアンの役の山菜茜の力によってエクスカリバーは聖なる剣と呼ぶにふさわしい姿となる。
一方、嘆きの谷の洞窟の奥で、鳥かごのような魔法の檻に入れられている黄名子は、見張りも兼ねている横になって眠るマスタードラゴンに話しかけていた。
「ねぇ、マスタードラゴン。あなた、本当はいいドラゴンやんね! アーサー王の友達だって!」
〈……アオオォォオオン!!〉
黄名子の声に目を覚ましたマスタードラゴンは、煩いというように大声で叫ぶ。至近距離な上に洞窟の中ということもあり声が反響しているので、黄名子は耳を塞ぐ。
「脅かしたってムダムダ! お人好しだってあのときの目を見ればわかるやんね!」
天馬とフェイが撃った必殺シュートが当たり、マスタードラゴンは一瞬体の色が変わったとき穏やかな優しい目をしていたのだ。
「それに、絵本にも描いてあった。黒い騎士に操られているって……――大丈夫! もうすぐみんなが来て、元に戻してくれるやんね!」
〈…………!〉
黄名子のその言葉に一度目をパチクリしたマスタードラゴンだが、すぐにまた叫ぶのだった。
〈アオオォォオオン!!〉
「フゥ……」
仲間が来るまでマスタードラゴンの心が少しでも開いてくれたらいいのだが、前途は多難だ。それがわかった黄名子もまたひとつ息を吐くのだった。
☆☆☆☆☆
嘆きの洞窟がある山にまでやって来たアーサー王や天馬たち。この先は馬車で行くのは困難なため、麓に残して山道を進んで行く。
「フゥ……」
「大丈夫?」
「はい、ありがとうございます」
慣れない衣装の上に岩や石でできた道のため、悠々と歩くアーサー王に比べて雷門メンバーの表情には疲労の色が見える。葵もその中の一人なので円堂瑞貴が心配して声をかけたが、葵は平気だと頷いた。
「洞窟まではまだ遠いんか?」
「足が痛くなって来たぜ……」
「もう頭がクラクラします……」
特に傾斜な道というわけでもないが、錦龍馬も瀬戸水鳥も一向に見えない洞窟を目指して疲れが溜まり、影山輝には高山病の症状が出ているようだ。――しかし、ものともしないのが恐竜時代で育ったトーブだ。
「なーにやってんだ! こんなんでヘコたれてだらしないっぞー! 元気出すっぞー!」
グウ~……。
「ウホ~……腹減ったぞ……」
元気が有り余っても空腹には勝てないようで、その様子に一部のメンバーは苦笑した。
「俺は喉が渇いた……」
「妖精なら、食べ物とか飲み物とか出せないのか?」
「ムリ。ビビアンにそんな魔力ない」
「エクスカリバーを復活させるだけの役ってことか?」
「たぶん」
喉の渇きを訴える狩屋マサキの心情は倉間典人も同じらしく、茜に尋ねてみるも否定され、そして水鳥の問いにもにこやかに答えていた。
それを聞いた狩屋は魔法使いならばと思い、次に瑞貴へ顔を向ける。
「じゃあ瑞貴姉さん、何か持ってませんか? それか魔法でちょいちょいと何か出すとか」
「食料はこの山に来る前に尽きてしまったし、魔法に関してはさっきから本を調べているんだけど、どうやら私の必殺技に関連した魔法しか出せないみたい……」
「もう一歩も歩けないぜよ……」
「お日様、大き過ぎる……!」
ついに限界が来たのか、錦を始め次々と足を止めたり岩場に座ったりしてしまう。その中で茜は絵本にある旅のページを開くと、空を照りつける太陽が通常よりも大きいことに気づいた。そのせいで尚更体力を消耗しているのだろう。
「メシまだか~……」
「暑い……」
「あっ……」
トーブや西園信助たちが疲労困憊する中、天馬はなんと声をかけていいのかわからなかった。励ますべきか、喝を入れるべきか、ひと休みしようと促すべきか……どれが正解なのかわからず口を紡ぐ。
「みんな、気合いを入れるんだ! ダメだと思ったら歩けなくなるぞ!」
「そうです! みんな立ち上がってください!」
「!」
「オウッ!」
「ウホッ!」
「だな」
神童と雨宮太陽がそう言ったのを見た天馬が目を見開くと、錦やトーブや倉間たちは立ち上がった。
アーサー王はかつて多くの魔物を打ち倒したエクスカリバーを取り出したが、それは魔力を失いボロボロの剣となってしまう。そこへ妖精の森の湖に行き、妖精ビビアンの役の山菜茜の力によってエクスカリバーは聖なる剣と呼ぶにふさわしい姿となる。
一方、嘆きの谷の洞窟の奥で、鳥かごのような魔法の檻に入れられている黄名子は、見張りも兼ねている横になって眠るマスタードラゴンに話しかけていた。
「ねぇ、マスタードラゴン。あなた、本当はいいドラゴンやんね! アーサー王の友達だって!」
〈……アオオォォオオン!!〉
黄名子の声に目を覚ましたマスタードラゴンは、煩いというように大声で叫ぶ。至近距離な上に洞窟の中ということもあり声が反響しているので、黄名子は耳を塞ぐ。
「脅かしたってムダムダ! お人好しだってあのときの目を見ればわかるやんね!」
天馬とフェイが撃った必殺シュートが当たり、マスタードラゴンは一瞬体の色が変わったとき穏やかな優しい目をしていたのだ。
「それに、絵本にも描いてあった。黒い騎士に操られているって……――大丈夫! もうすぐみんなが来て、元に戻してくれるやんね!」
〈…………!〉
黄名子のその言葉に一度目をパチクリしたマスタードラゴンだが、すぐにまた叫ぶのだった。
〈アオオォォオオン!!〉
「フゥ……」
仲間が来るまでマスタードラゴンの心が少しでも開いてくれたらいいのだが、前途は多難だ。それがわかった黄名子もまたひとつ息を吐くのだった。
☆☆☆☆☆
嘆きの洞窟がある山にまでやって来たアーサー王や天馬たち。この先は馬車で行くのは困難なため、麓に残して山道を進んで行く。
「フゥ……」
「大丈夫?」
「はい、ありがとうございます」
慣れない衣装の上に岩や石でできた道のため、悠々と歩くアーサー王に比べて雷門メンバーの表情には疲労の色が見える。葵もその中の一人なので円堂瑞貴が心配して声をかけたが、葵は平気だと頷いた。
「洞窟まではまだ遠いんか?」
「足が痛くなって来たぜ……」
「もう頭がクラクラします……」
特に傾斜な道というわけでもないが、錦龍馬も瀬戸水鳥も一向に見えない洞窟を目指して疲れが溜まり、影山輝には高山病の症状が出ているようだ。――しかし、ものともしないのが恐竜時代で育ったトーブだ。
「なーにやってんだ! こんなんでヘコたれてだらしないっぞー! 元気出すっぞー!」
グウ~……。
「ウホ~……腹減ったぞ……」
元気が有り余っても空腹には勝てないようで、その様子に一部のメンバーは苦笑した。
「俺は喉が渇いた……」
「妖精なら、食べ物とか飲み物とか出せないのか?」
「ムリ。ビビアンにそんな魔力ない」
「エクスカリバーを復活させるだけの役ってことか?」
「たぶん」
喉の渇きを訴える狩屋マサキの心情は倉間典人も同じらしく、茜に尋ねてみるも否定され、そして水鳥の問いにもにこやかに答えていた。
それを聞いた狩屋は魔法使いならばと思い、次に瑞貴へ顔を向ける。
「じゃあ瑞貴姉さん、何か持ってませんか? それか魔法でちょいちょいと何か出すとか」
「食料はこの山に来る前に尽きてしまったし、魔法に関してはさっきから本を調べているんだけど、どうやら私の必殺技に関連した魔法しか出せないみたい……」
「もう一歩も歩けないぜよ……」
「お日様、大き過ぎる……!」
ついに限界が来たのか、錦を始め次々と足を止めたり岩場に座ったりしてしまう。その中で茜は絵本にある旅のページを開くと、空を照りつける太陽が通常よりも大きいことに気づいた。そのせいで尚更体力を消耗しているのだろう。
「メシまだか~……」
「暑い……」
「あっ……」
トーブや西園信助たちが疲労困憊する中、天馬はなんと声をかけていいのかわからなかった。励ますべきか、喝を入れるべきか、ひと休みしようと促すべきか……どれが正解なのかわからず口を紡ぐ。
「みんな、気合いを入れるんだ! ダメだと思ったら歩けなくなるぞ!」
「そうです! みんな立ち上がってください!」
「!」
「オウッ!」
「ウホッ!」
「だな」
神童と雨宮太陽がそう言ったのを見た天馬が目を見開くと、錦やトーブや倉間たちは立ち上がった。