見たか! 恐竜の王!!

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しかしこの時代には当然人がいないので、トーブが恐竜の言葉を話せるのはともかく、こうやって天馬たちと会話できるのは人間の言葉を話しているのは疑問だ。トウドウもそれが気になり問いかける。


「人間の言葉をしゃべれるのは?」

「この救命カプセルのモニターから教育プログラムが流れていたようです。それで言葉を覚えたのでしょう。赤ん坊のミルクも自動的に与えられるようになっていました」

「なるほど……時の迷い子か……」



☆☆☆☆☆


トーブのことが気になっていたのは全員同じなので、しばらくトーブを自主練させて天馬や瑞貴たちはアルノの説明を聞いていた。そしえエルドラドが出した調査結果と同じことをアルノは説明したのだ。


「――と、いうわけじゃ!」

「トーブは未来の人間だったんだ……!」

「今、時間管理局が彼の本当の両親を探しておる。生きているかわからんが……」

「でも生きてたら……――って、アルノ博士!? もー!」


全員がトーブを見ている間に消えたようで、振り向いた水鳥がアルノがいないことに気づいて腹を立てる。いつも言うだけ言っていなくなるのは困りものだ。


「トーブ、本当のお父さんとお母さんに会えるといいね」

「そうだね……」

「えっ? フェイ、どうかしたの?」

「あっ、ごめん。なんでもないよ」

「「…………」」


信助が呟いた言葉に神妙に返事をしたフェイ。それに信助は驚くとフェイは苦笑しながら否定するが、昨夜事情を知ってしまった天馬と瑞貴はフェイを見て眉を下げる。次いで瑞貴は元気にドリブルするトーブと、あとを追うビッグを見る。


(でもトーブの本当の両親が見つかったら、トーチャンとビッグとは……)


瑞貴はトーブとトーチャンが種族を越えた本当の親子のような姿を見てきた。一昨日の夜、トーチャンがトーブを自分が守れなくても大丈夫のように一人前に育てようとしていたし、トーブがビッグをロックスターの代わりに育てることを決めた。

元の時代に戻れば当然二匹とはお別れになってしまうし、だけど本当の両親に会えるのはいいことなのに、瑞貴は複雑な思いを抱えていた。


「――目標を捕捉」

「「「「「!」」」」」


聞いたことがない声が聞こえて全員崖の上を見ると、見たことがなく感情がなどないような顔をする少年――レイ=ルクがいた。レイがボタンを投げて青いスフィアデバイスを作り出すのを見て、フェイや錦は声を上げる。


「あれは、スフィアデバイス!」

「ってことはあいつは!」

【ムーブモード】

「「「「「うわあっ!」」」」」


スフィアデバイスの青いボタンをレイが足で押すと、眩い光がこの場にいる全員を襲った。



――光が治まると同時にどこかの洞窟の中にあるサッカーフィールドに瞬間移動した。何度か遭遇した雷門メンバーはともかく、トーブとビッグは困惑している。


「な、なんだ!? どうなってんだ!?」

〈ピューイ?〉


周りを見渡す中でフィールドの反対側にいるレイを見つけると、トーブもビッグも顔をしかめる。


「あっ! オメーだな? ロックスターをあんな目に遭わせたのは! 匂いでわかっぞ!」

〈ピューイ!〉

「ロックスター死亡」

「なっ!?」

「この事象によって君たちの目的は達成不可能になる。あきらめることが懸命」

「何を言っとるがぜよ!」


淡々と言うレイに錦が声を上げると、いつの間にか現れたスーツ姿の男――サカマキ=トグロウがレイのそばにやってきた。


「やはり潰すしかないようだな、レイ=ルク」

「エルドラドの刺客だな!? 名を名乗れぃ!」

「敵の要請、現在の状況に支障ナシ。返答する。私はレイ=ルク。エルドラド所属のチーム、パーフェクト・カスケイドのキャプテン」


ワンダバの要請にレイが答えていると、彼のうしろに同じユニフォームを着た十人の少年が現れた。


「パーフェクト・カスケイド!?」

「アルノ博士が言っていた、エルドラドの最強エージェント!」

「じゃあ、あいつらを倒せれば円堂監督とサッカーを取り戻せる!」


フェイや神童が言うように、以前アルノが言っていた最強のチームとわかり天馬は体に力が入る。
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