見たか! 恐竜の王!!
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「フェイ……」
「フェイくん……」
「――天馬? 瑞貴さん?」
「「あっ」」
思わず物陰から立ち上がったせいか、天馬と瑞貴の存在をフェイが気づいた。さすがに誤魔化すわけにはいかなかったので二人はフェイの元へ行く。
「ご、ごめん。たまたま聞こえちゃって……」
「ごめんなさい……」
「フェイ、あの……」
「あっ……」
フェイは瞳を揺らすと二人から顔を逸らした。まるで『これ以上聞かないでほしい』と拒んでいるのがわかり、天馬はそれ以上追及することができなかった。
「フェイ……」
「…………」
ギュッ。
「えっ!?」
「み、瑞貴さん……?」
すると突然瑞貴はフェイを抱きしめたので天馬は驚きの声を上げた。フェイも驚いたが、逆にその温もりが心地よくて振り払うことができず、ゴッドエデンのときのようにむしろ今はこうしていたいと瑞貴の肩に顔をうずめる。
それを確認した瑞貴は、言葉の代わりに優しくポンポンとフェイの背中を叩いた。
(なんか瑞貴さん、フェイのお母さんみたいだ……)
ふと天馬はそう思ってしまった。見た目は自分たちと同じでも年上のせいか、もしくは彼女の母性愛が強いせいか、それとも別の何かなのか……?
☆☆☆☆☆
翌日。さっそく今日はトーブにサッカーを教えることになり、近くの草地で練習することになった。もちろんトーブが面倒を見ると言ったのでビッグも見学としている。
「うおおぉぉおおお!!」
「天馬!」
「ガオー!」
「何っ!?」
「どうだ! やったぞ、剣城!」
剣城が高く上げた天馬へのパスを、トーブはジャンプして足でボールを挟むように取って着地したのだ。あっという間にここまでできるようになったトーブに、剣城だけじゃなく信助も驚く。
「スゴい身体能力だ……! さすが野生児……!」
「フッ、やるじゃないか」
「やっぱサッカーってウホウホくっぞ! ウホウホ!」
〈ピッ! ピューイ! ピューイ!〉
よっぽどサッカーが気に入ったようでトーブはまた踊りながら走り回ると、トーブにつられたのかビッグも鳴き声を上げながらあとを付いて回っていた。
それを見ながらフェイは水を飲んで休憩しつつ、自分たちがこの時代に来た目的を達成せねばと思う。
「僕たちも早く、ロックスター以外のミキシマックス相手を見つけないとね」
「あのデスホーンって奴はどうだ? 結構強そうだったぞ?」
「悪い奴でもいいの!? ロックスターにヒドいことしたのに!」
「ああ、いや、それは、だから、あの、いや……」
「――ホーホッホッホッホッ!」
葵に怒られてワンダバはアタフタしていると、またいきなりクロスワード=アルノが現れたことにフェイや水鳥たちは気づく。
「アルノ博士!」
「いつの間に!?」
「フェイ、トーブのことがわかったぞ!」
「えっ……」
☆☆☆☆☆
二百年後の未来にあるエルドラドでも、恐竜時代にいるトーブのことが気になっていたのでトウドウ=ヘイキチは調査を命じた。そして今は調査結果が発表される。
「議長、少年の調査結果が参りました。あの少年は我々の時代の人間です」
「何?」
「正確には我々より一世代前――タイムマシンが開発されてすぐの頃です」
「あの頃は、タイムジャンプの技術も未熟で事故が多発していた……」
「はい。彼はその事故で恐竜がいた白亜紀へ飛ばされたと考えられます」
次にモニターに映ったのは、人が入るにしては少し小さいカプセルだ。まるで赤ちゃんが入れるくらいの大きさである。
「タイムルート調査ポッドが、救命カプセルの残骸を発見しております」
「恐らく事故に遭った際、少年の両親が彼だけを救命カプセルに入れ、脱出させたのでしょう」
「それが時間の波を流れて白亜紀へ辿り着き、あの少年が父と思っている恐竜の巣に紛れ込んで子供として育てられた……というところです」
トーブが言っていた『卵から生まれた』というのは救命カプセルのことで、トーチャンは出てきたトーブを我が子のように育ててきたのだ。
「フェイくん……」
「――天馬? 瑞貴さん?」
「「あっ」」
思わず物陰から立ち上がったせいか、天馬と瑞貴の存在をフェイが気づいた。さすがに誤魔化すわけにはいかなかったので二人はフェイの元へ行く。
「ご、ごめん。たまたま聞こえちゃって……」
「ごめんなさい……」
「フェイ、あの……」
「あっ……」
フェイは瞳を揺らすと二人から顔を逸らした。まるで『これ以上聞かないでほしい』と拒んでいるのがわかり、天馬はそれ以上追及することができなかった。
「フェイ……」
「…………」
ギュッ。
「えっ!?」
「み、瑞貴さん……?」
すると突然瑞貴はフェイを抱きしめたので天馬は驚きの声を上げた。フェイも驚いたが、逆にその温もりが心地よくて振り払うことができず、ゴッドエデンのときのようにむしろ今はこうしていたいと瑞貴の肩に顔をうずめる。
それを確認した瑞貴は、言葉の代わりに優しくポンポンとフェイの背中を叩いた。
(なんか瑞貴さん、フェイのお母さんみたいだ……)
ふと天馬はそう思ってしまった。見た目は自分たちと同じでも年上のせいか、もしくは彼女の母性愛が強いせいか、それとも別の何かなのか……?
☆☆☆☆☆
翌日。さっそく今日はトーブにサッカーを教えることになり、近くの草地で練習することになった。もちろんトーブが面倒を見ると言ったのでビッグも見学としている。
「うおおぉぉおおお!!」
「天馬!」
「ガオー!」
「何っ!?」
「どうだ! やったぞ、剣城!」
剣城が高く上げた天馬へのパスを、トーブはジャンプして足でボールを挟むように取って着地したのだ。あっという間にここまでできるようになったトーブに、剣城だけじゃなく信助も驚く。
「スゴい身体能力だ……! さすが野生児……!」
「フッ、やるじゃないか」
「やっぱサッカーってウホウホくっぞ! ウホウホ!」
〈ピッ! ピューイ! ピューイ!〉
よっぽどサッカーが気に入ったようでトーブはまた踊りながら走り回ると、トーブにつられたのかビッグも鳴き声を上げながらあとを付いて回っていた。
それを見ながらフェイは水を飲んで休憩しつつ、自分たちがこの時代に来た目的を達成せねばと思う。
「僕たちも早く、ロックスター以外のミキシマックス相手を見つけないとね」
「あのデスホーンって奴はどうだ? 結構強そうだったぞ?」
「悪い奴でもいいの!? ロックスターにヒドいことしたのに!」
「ああ、いや、それは、だから、あの、いや……」
「――ホーホッホッホッホッ!」
葵に怒られてワンダバはアタフタしていると、またいきなりクロスワード=アルノが現れたことにフェイや水鳥たちは気づく。
「アルノ博士!」
「いつの間に!?」
「フェイ、トーブのことがわかったぞ!」
「えっ……」
☆☆☆☆☆
二百年後の未来にあるエルドラドでも、恐竜時代にいるトーブのことが気になっていたのでトウドウ=ヘイキチは調査を命じた。そして今は調査結果が発表される。
「議長、少年の調査結果が参りました。あの少年は我々の時代の人間です」
「何?」
「正確には我々より一世代前――タイムマシンが開発されてすぐの頃です」
「あの頃は、タイムジャンプの技術も未熟で事故が多発していた……」
「はい。彼はその事故で恐竜がいた白亜紀へ飛ばされたと考えられます」
次にモニターに映ったのは、人が入るにしては少し小さいカプセルだ。まるで赤ちゃんが入れるくらいの大きさである。
「タイムルート調査ポッドが、救命カプセルの残骸を発見しております」
「恐らく事故に遭った際、少年の両親が彼だけを救命カプセルに入れ、脱出させたのでしょう」
「それが時間の波を流れて白亜紀へ辿り着き、あの少年が父と思っている恐竜の巣に紛れ込んで子供として育てられた……というところです」
トーブが言っていた『卵から生まれた』というのは救命カプセルのことで、トーチャンは出てきたトーブを我が子のように育ててきたのだ。