見たか! 恐竜の王!!
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〈ピィ――ッ!!〉
「そんな……!」
「ロックスター……!」
「こんなの、可哀想だよ……」
「仕方ないぞ。――万物の掟だ」
ビッグが悲鳴を上げると葵と天馬と信助はロックスターの最期に悲しく思う。しかしトーブは涙をひっこめ、自然の摂理だと言っていた。
――雷門メンバーとトーブの力を合わせて、ロックスターを埋めるとその上に岩を積み上げて最後は骨を添えた墓を作った。
終わった頃には夕方になっており、悲しそうに声を上げるビッグの隣で、トーブは再び涙を浮かばせて墓――ロックスターに向かって叫ぶ。
〈ピィー! ピィー!〉
「偉ぇぞロックスター! よくがんばったな! グスッ…ビッグのことはオラが面倒見る……。だから…だから心配すんな! クッ…うああぁぁあああ!!」
「万物の掟だなんて言ってたけど、やっぱり悲しいんだな……」
「トーブくんは、そう言って自分に言い聞かせていたかも……。考えたり言葉を発することよりも心が一番正直だから……」
「ロックスターは、友達だったんですもんね……」
大声で声を上げて泣くトーブの姿を見て、水鳥も瑞貴も葵も彼だってロックスターがいなくなったことに、とても悲しんでいるとわかった。
「クッ…天馬!」
「ん?」
「オラにもサッカー教えてくれ!」
「「「「「えっ?」」」」」
「オラはトーチャンやロックスターみたいにデカい爪も牙もねー! でも強くなんなきゃいけねーんだ! 強くなって、ビッグを守んなきゃいけねーんだ!」
「トーブ……――うん、わかった!」
「!」
強くなるためにサッカーをやりたい、その覚悟を受け取った天馬は了承する。トーブはまだ涙は出ていても嬉しそうに笑った。
☆☆☆☆☆
ビッグを連れて獣の谷を出てトーブの家に帰ると、着いた頃にはもう夜中になっていた。寝床の手入れをしていたトーチャンはトーブたちに気づくと翼を広げて迎えてくれる。
〈クアアアッ!〉
「トーチャン、ただいまー! ビッグか? ビッグは今日からオラが面倒みんぞ! あっ、それからトーチャン、オラ明日から天馬たちとサッカーってのをやるぞ! サッカーってスゲーウホウホくっぞ! ウホッ! ウホウホなことってまだまだいっぱいあんだなー! ビッグも一緒にやんぞー!」
〈ピュルル……〉
「「…………」」
トーブは空元気もあるだろうが、ビッグを元気づけようと走りまわる。しかしビッグはロックスターがいなくなって元気な声を上げる余裕もない。その様子をフェイと瑞貴は何かを思うように見つめていた。
――昨夜と同じように男子はトーチャンの寝床に、女子は洞穴の寝床に寝る。トーブはビッグ用に大きな葉を何枚も強いて寝床を作り、自分もその隣で寝ることになった。
「ビッグ?」
ふと目を覚ましたフェイがトーブの隣にビッグがいないことに気づいた。まだ近くにいるのではないか探していると、洞穴の上にある崖にビッグは座って星空を見上げているのを発見した。
「ビッグ……」
一方、水が欲しくなって目が覚めた天馬はトーブが汲んである飲み水を飲むと、近くの崖でビッグとフェイが並んで座っているのを発見した。
「あれは……」
「――天馬? どうしたの?」
声をかけられて振り向くと、同じように目が覚めたのか瑞貴が起き上がって目を擦っているのが見えた。
「瑞貴さん、フェイとビッグが……」
「えっ?」
瑞貴はその言葉で完全に目が覚めたようだ。二人はフェイとビッグに気づかれないように近くに行って物蔭に隠れた。
「君は、一人ぼっちになってしまったんだね……」
〈ピュイ……〉
「僕と同じだ……。僕の親は僕を置いて出て行った……」
「「えっ……」」
初めて明かされたフェイの事情に天馬と瑞貴は驚いた。以前天馬が両親のことを聞いたとき、悲しそうな顔をしていたのはこういうことだったのだろう。
「何故だかわからないけど、たぶん僕のことが嫌いだったんだと思う……。でも、君は僕とは違う。きっと君の母さんは天国で君のことを見守ってくれてる。だから君は僕よりずっとマシ……」
〈ピューイ……〉
「ううん、なんでもない! ビッグ、君はめげちゃダメだよ」
〈ピッ、ピュイ!〉
フェイに励まされたおかげか、ビッグはロックスターがいなくなってから初めて笑顔を見せた。
「そんな……!」
「ロックスター……!」
「こんなの、可哀想だよ……」
「仕方ないぞ。――万物の掟だ」
ビッグが悲鳴を上げると葵と天馬と信助はロックスターの最期に悲しく思う。しかしトーブは涙をひっこめ、自然の摂理だと言っていた。
――雷門メンバーとトーブの力を合わせて、ロックスターを埋めるとその上に岩を積み上げて最後は骨を添えた墓を作った。
終わった頃には夕方になっており、悲しそうに声を上げるビッグの隣で、トーブは再び涙を浮かばせて墓――ロックスターに向かって叫ぶ。
〈ピィー! ピィー!〉
「偉ぇぞロックスター! よくがんばったな! グスッ…ビッグのことはオラが面倒見る……。だから…だから心配すんな! クッ…うああぁぁあああ!!」
「万物の掟だなんて言ってたけど、やっぱり悲しいんだな……」
「トーブくんは、そう言って自分に言い聞かせていたかも……。考えたり言葉を発することよりも心が一番正直だから……」
「ロックスターは、友達だったんですもんね……」
大声で声を上げて泣くトーブの姿を見て、水鳥も瑞貴も葵も彼だってロックスターがいなくなったことに、とても悲しんでいるとわかった。
「クッ…天馬!」
「ん?」
「オラにもサッカー教えてくれ!」
「「「「「えっ?」」」」」
「オラはトーチャンやロックスターみたいにデカい爪も牙もねー! でも強くなんなきゃいけねーんだ! 強くなって、ビッグを守んなきゃいけねーんだ!」
「トーブ……――うん、わかった!」
「!」
強くなるためにサッカーをやりたい、その覚悟を受け取った天馬は了承する。トーブはまだ涙は出ていても嬉しそうに笑った。
☆☆☆☆☆
ビッグを連れて獣の谷を出てトーブの家に帰ると、着いた頃にはもう夜中になっていた。寝床の手入れをしていたトーチャンはトーブたちに気づくと翼を広げて迎えてくれる。
〈クアアアッ!〉
「トーチャン、ただいまー! ビッグか? ビッグは今日からオラが面倒みんぞ! あっ、それからトーチャン、オラ明日から天馬たちとサッカーってのをやるぞ! サッカーってスゲーウホウホくっぞ! ウホッ! ウホウホなことってまだまだいっぱいあんだなー! ビッグも一緒にやんぞー!」
〈ピュルル……〉
「「…………」」
トーブは空元気もあるだろうが、ビッグを元気づけようと走りまわる。しかしビッグはロックスターがいなくなって元気な声を上げる余裕もない。その様子をフェイと瑞貴は何かを思うように見つめていた。
――昨夜と同じように男子はトーチャンの寝床に、女子は洞穴の寝床に寝る。トーブはビッグ用に大きな葉を何枚も強いて寝床を作り、自分もその隣で寝ることになった。
「ビッグ?」
ふと目を覚ましたフェイがトーブの隣にビッグがいないことに気づいた。まだ近くにいるのではないか探していると、洞穴の上にある崖にビッグは座って星空を見上げているのを発見した。
「ビッグ……」
一方、水が欲しくなって目が覚めた天馬はトーブが汲んである飲み水を飲むと、近くの崖でビッグとフェイが並んで座っているのを発見した。
「あれは……」
「――天馬? どうしたの?」
声をかけられて振り向くと、同じように目が覚めたのか瑞貴が起き上がって目を擦っているのが見えた。
「瑞貴さん、フェイとビッグが……」
「えっ?」
瑞貴はその言葉で完全に目が覚めたようだ。二人はフェイとビッグに気づかれないように近くに行って物蔭に隠れた。
「君は、一人ぼっちになってしまったんだね……」
〈ピュイ……〉
「僕と同じだ……。僕の親は僕を置いて出て行った……」
「「えっ……」」
初めて明かされたフェイの事情に天馬と瑞貴は驚いた。以前天馬が両親のことを聞いたとき、悲しそうな顔をしていたのはこういうことだったのだろう。
「何故だかわからないけど、たぶん僕のことが嫌いだったんだと思う……。でも、君は僕とは違う。きっと君の母さんは天国で君のことを見守ってくれてる。だから君は僕よりずっとマシ……」
〈ピューイ……〉
「ううん、なんでもない! ビッグ、君はめげちゃダメだよ」
〈ピッ、ピュイ!〉
フェイに励まされたおかげか、ビッグはロックスターがいなくなってから初めて笑顔を見せた。