見たか! 恐竜の王!!
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「なんだ、あれ?」
剣城が蹴っているボールを当然トーブは見たこともなく、不思議そうに見ていた。
「天馬!」
「太陽!」
「剣城くん!」
ボールを上げた剣城から天馬に、天馬から雨宮にパスが回る。そして雨宮がボールを高く上げるとそれを追ってジャンプした剣城が必殺シュートの体勢に入る。
「デスドロップ!」
剣城のシュートはロックスターの体に命中した。その衝撃のせいか、ロックスターの体が光ったあと目をパチクリして動きを止める。もう攻撃されることはないだろう。
「ロックスターが大人しくなった! オ、オメーら何やったんだ!?」
「サッカーだ」
「サッカー? ――スッゲー! サッカーってスッゲーぞー! ウホウホ! ウッホホホー!」
剣城がそう答えると、トーブは天馬が持つボールがスゴいモノに見えて興奮するように踊り出す。
しかし疑問がある。ロックスターが急に暴れ出して雷門メンバーを狙ったことを、葵と瑞貴は眉を下げて言う。
「でも、何があったのかな? 本当は優しい恐竜なんでしょ?」
「友達のトーブくんの声も届かなかったみたいだし……」
「訊いてみっぞ! グア? ガウガウガウグア?」
〈グアア……〉
恐らく恐竜の言語を話しているトーブはロックスターに問いかけると、ロックスターもそれに答える。しかし信助たちには何を言っているのかわからない。
「なんて言ってるんだろう?」
「ガオ?」
〈グルルルル……!〉
トーブは何故かボールを指差すとロックスターは唸り声を上げる。このボールがどうしたのかと思い天馬はトーブに訊いてみる。
「な、なんだって?」
「変な奴が来て、そのサッカーに似たのをぶつけられたらしい」
「「「「「ええっ!?」」」」」
「エルドラドのルートエージェントが先回りして、ロックスターを洗脳したんだ!」
「どこまでも邪魔をするつもりか!」
「懲りない奴らだな……」
神童はボールに似たモノというのがスフィアデバイスを持つエルドラドの刺客だと気づいた。霧野が顔をしかめ、あまりにもしつこいので瀬戸水鳥は呆れた。
〈グルル……〉
「あっ! なんだか弱ってるみたいやんね!」
「弱ってるって?」
「『自分はもう永くない』って言ってる」
「「「「「えっ!?」」」」」
菜花黄名子はロックスターが元気ないと気づいたので信助もどういうことかと思うと、トーブの口からロックスターの寿命がわずかだと知って雷門メンバーは驚いた。
「なんとかならないの!?」
「仕方ない」
「「「「「えっ……」」」」」
「生き物はそうやってみんな死んでいくんだ。それが万物の掟だ」
なんとか生き永らえさせたいと信助は言うのに対し、ロックスターと長い付き合いのはずのトーブは冷静にそう言った。しかし彼が言うことは正論なので雷門メンバーは何も言えずにいた。
〈グルルル……〉
「あっ、なんだ? 『ビッグ』のことか? うん、わかってっぞ!」
「ビッグ?」
〈ピュイイイッ!〉
トーブの口から出た名に天馬たちは不思議に思うと、洞窟の入口から高い鳴き声が聞こえて振り向いた。
そこには天馬たちと変わらないくらいの大きさの恐竜の子供がいたことに信助が気づく。そしてその子は洞窟から出てきてロックスターのそばに駆け寄り、ロックスターも顔を近づけて互いに顔をすり寄せていた。
「恐竜の子供だ!」
「あいつがビッグ。ロックスターの子供だぞ。ロックスターはビッグのことを一人前にするためにがんばってたんだ。でも最後まで育てられそうになくて心配だって言ってる」
〈ピュイ! ピューイ!〉
〈グルルル……〉
「可哀想……」
「まだ子供なのに……」
信助と瑞貴が見る限り、ビッグはまだ一人前どころか大人にもなっていない子供だ。それなのにこんなに早く別れがくることを不憫に思う。
剣城が蹴っているボールを当然トーブは見たこともなく、不思議そうに見ていた。
「天馬!」
「太陽!」
「剣城くん!」
ボールを上げた剣城から天馬に、天馬から雨宮にパスが回る。そして雨宮がボールを高く上げるとそれを追ってジャンプした剣城が必殺シュートの体勢に入る。
「デスドロップ!」
剣城のシュートはロックスターの体に命中した。その衝撃のせいか、ロックスターの体が光ったあと目をパチクリして動きを止める。もう攻撃されることはないだろう。
「ロックスターが大人しくなった! オ、オメーら何やったんだ!?」
「サッカーだ」
「サッカー? ――スッゲー! サッカーってスッゲーぞー! ウホウホ! ウッホホホー!」
剣城がそう答えると、トーブは天馬が持つボールがスゴいモノに見えて興奮するように踊り出す。
しかし疑問がある。ロックスターが急に暴れ出して雷門メンバーを狙ったことを、葵と瑞貴は眉を下げて言う。
「でも、何があったのかな? 本当は優しい恐竜なんでしょ?」
「友達のトーブくんの声も届かなかったみたいだし……」
「訊いてみっぞ! グア? ガウガウガウグア?」
〈グアア……〉
恐らく恐竜の言語を話しているトーブはロックスターに問いかけると、ロックスターもそれに答える。しかし信助たちには何を言っているのかわからない。
「なんて言ってるんだろう?」
「ガオ?」
〈グルルルル……!〉
トーブは何故かボールを指差すとロックスターは唸り声を上げる。このボールがどうしたのかと思い天馬はトーブに訊いてみる。
「な、なんだって?」
「変な奴が来て、そのサッカーに似たのをぶつけられたらしい」
「「「「「ええっ!?」」」」」
「エルドラドのルートエージェントが先回りして、ロックスターを洗脳したんだ!」
「どこまでも邪魔をするつもりか!」
「懲りない奴らだな……」
神童はボールに似たモノというのがスフィアデバイスを持つエルドラドの刺客だと気づいた。霧野が顔をしかめ、あまりにもしつこいので瀬戸水鳥は呆れた。
〈グルル……〉
「あっ! なんだか弱ってるみたいやんね!」
「弱ってるって?」
「『自分はもう永くない』って言ってる」
「「「「「えっ!?」」」」」
菜花黄名子はロックスターが元気ないと気づいたので信助もどういうことかと思うと、トーブの口からロックスターの寿命がわずかだと知って雷門メンバーは驚いた。
「なんとかならないの!?」
「仕方ない」
「「「「「えっ……」」」」」
「生き物はそうやってみんな死んでいくんだ。それが万物の掟だ」
なんとか生き永らえさせたいと信助は言うのに対し、ロックスターと長い付き合いのはずのトーブは冷静にそう言った。しかし彼が言うことは正論なので雷門メンバーは何も言えずにいた。
〈グルルル……〉
「あっ、なんだ? 『ビッグ』のことか? うん、わかってっぞ!」
「ビッグ?」
〈ピュイイイッ!〉
トーブの口から出た名に天馬たちは不思議に思うと、洞窟の入口から高い鳴き声が聞こえて振り向いた。
そこには天馬たちと変わらないくらいの大きさの恐竜の子供がいたことに信助が気づく。そしてその子は洞窟から出てきてロックスターのそばに駆け寄り、ロックスターも顔を近づけて互いに顔をすり寄せていた。
「恐竜の子供だ!」
「あいつがビッグ。ロックスターの子供だぞ。ロックスターはビッグのことを一人前にするためにがんばってたんだ。でも最後まで育てられそうになくて心配だって言ってる」
〈ピュイ! ピューイ!〉
〈グルルル……〉
「可哀想……」
「まだ子供なのに……」
信助と瑞貴が見る限り、ビッグはまだ一人前どころか大人にもなっていない子供だ。それなのにこんなに早く別れがくることを不憫に思う。