恐竜時代へGO!!

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「俺も特訓、手伝うよ」

「天馬……」

「サッカーを守りたいのは、俺も同じだから」

「同じ……」


天馬は返事の代わりに笑顔を浮かべた。それだけで充分な答えになり、また心強いのでフェイもつられたのか笑みを浮かべる。


「ありがとう、天馬!」

「よっ」

「いくぞ!」

「来い!」


天馬が持っているボールを投げ渡し、フェイはそれを受け取った。――そして二人で競り合いながらも楽しそうに特訓している姿を、大きな葉の陰で黄名子が微笑ましそうに見守っていることに二人は気づかなかった。



☆☆☆☆☆


翌朝。朝日が昇ると同時にトーブが大声を出して雷門メンバーを起こしにかかった。


「起きろー! オメーらロックスターに会いに行くんだろー? いくぞー!」

「わかった……」


まだ雷門メンバーの何人かは眠たそうに欠伸をしたり目を擦っている。特に天馬とフェイは特訓もしていたせいもあるだろう。


「カーッ! よく寝たー!」

「泥だらけ……」

「ずいぶん寝相が悪いんだな」

「エヘヘ……」

「黄名子ちゃん、おいで。直してあげる」

「はーい」


葵は目を擦って水鳥と茜はスッキリしたようだが、何故か黄名子は髪がボサボサであちこちに泥がついている。それを見かねた瑞貴が水の入った木の実の器を用意して手招きするのだった。

ロックスターに会うためトーブに案内してもらうと、崖の下は深い谷になっており、岩山のあちこちに生える岩はまるで棘のように見える。


「ここが獣の谷だ! ロックスターはここの洞窟に住んでんだ!」

「スゴく大きな恐竜なんだろう? 危険はないのか?」

「心配ない。ロックスターは友達だ。とーってもいい奴だぞ」

「そうなんだ! 恐竜のボスまで友達なんてスゴいね!」

「スゴい? 普通だぞ? じゃあ行くぞ」


霧野の問いに全く問題ないというトーブの根拠はロックスターが友達だからだ。ボスとまで言われるロックスターと友達だと知って天馬は称賛するが、この時代に住むトーブにとって恐竜と友達になることは、人間が人間と友達になると同じぐらいなんだろう。

トーブを先頭に進んで行くと、崖のそばを落ちないように慎重に歩いたり、岩壁に登ったり、二人が並んでギリギリの通路を通ったりとかなり険しい道沿いとなっていた。


「もうヘトヘト……」

「人の手が入ってない道だからね」


信助や雨宮たち雷門メンバーはかなり疲れているのに対して、トーブはなんともないように岩壁をヒョイヒョイと登って行くのを天馬や剣城は感嘆な声を出しながら見上げる。


「スゴい……」

「まるで恐竜だな……」

「おせーぞ、オメーら!」


あっという間に岩壁の頂上に登ったトーブは、まだまだ体力があるようで腰かけながら下にいるみんなを呼ぶ。ずいぶん進んだが目的地は一向に見えないので雨宮は問いかける。


「あとどれくらいなの?」

「ん~……半分ってとこかな」

「あ~……まだ半分なの……。ちょっと休憩しましょうよ~……」

「だらしねーぞ、ナヤミ!」

「速水です!」


フラフラになって座り込んだ速水が休憩を求めると、トーブはビシッと指差して叱った。しかし相変わらず名前を正確に言えてない。


「どんな恐竜だろう、ロックスターって! 楽しみ!」

「うん!」


天馬と信助はこの先にいる、まだ見ぬロックスターに思いを馳せているのだった。



☆☆☆☆☆


トーブと雷門メンバーの目的地である獣の谷の洞窟では、謎の少年が光と共に現れた。彼は洞窟の奥を見つめて淡々と言う。


「目標地点・獣の谷の洞窟、到着」

〈グルルル……〉

《レイ=ルク、行け》

「了解。プラン40(フォーティーン)に従がって、ミッションを遂行致します」

〈グルルル……!〉


 エルドラドの一人であるサカマキ=トグロウの通信を了承した少年は、何倍も大きい恐竜が目の前にいると言うのに全く動じていなかった。










☆コーチの 今日の格言☆



チャンスがある限りあきらめない!



以上!!
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