恐竜時代へGO!!
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――夜になると黄名子が見つけた洞穴を女子が、トーチャンの寝床を男子が使うことになった。しかしトーブのことに気になっていたフェイとワンダバは体を横にしながら小声で話し合っている。
「ワンダバ、トーブのことどう思う?」
「わからん。この時代に人がいることも疑問だが、言葉までしゃべれるとは……」
「エルドラドが仕組んだ罠ってこと?」
「ありうるな。アルノ博士に調べてもらおう」
「うん。でも見た所、悪い奴じゃないみたいだけど……」
フェイの目線の先には、鼻提灯を膨らましながら眠っているトーブがいる。道中の恐竜たちにあれほど好かれていて、自分たちに好意的な彼が、エルドラドの刺客ではないことを祈るのだった。
――それからしばらく経つと、目が覚めた瑞貴はいくつかの岩山がある麓に立ち星空を見上げていた。この時代は人工的な光が一切ないため星がよく見える。
「守……」
どうしても脳裏に浮かぶのは円堂守のことだ。いつか考えたこともあるクロノストーンになってしまったとはいえ、やっと会えると思った矢先にフードを被った老人に取られてしまった。
雷門中サッカー部も元に戻って人数も充分いるため、今の瑞貴ができることは、コーチとして天馬たちが強くなれるようサポートすることだけだ。しかしサッカーも円堂も大切なため、取り戻すために自分も一緒にフィールドで戦うことができないことに、やはりもどかしく感じることがある。
「ダメダメ、これ以上暗いこと考えるの禁止! チャンスがある限りあきらめない!」
「――何してんだ?」
「みぎゃ!」
てっきり自分だけだと思った瑞貴が驚いて振り向くと、そこにはトーブとトーチャンがいた。
「トーブくん。それと……」
〈クアアアッ!〉
「ええっと、トーチャンさんと呼んだほうがいいのかな?」
「トーチャンでいいぞ。なっ、トーチャン!」
〈クアッ〉
「わかった。じゃあ、トーチャンで」
顔を近づけてきたトーチャンのクチバシを瑞貴は優しく撫でると、気持ちいいのかトーチャンは目を細めた。
「オメー、眠れねーのか?」
「そんなとこかな。トーブくんはトーチャンと一緒にどうしたの?」
「オラはトーチャンから一人前になる試練を受けるんだ!」
「一人前の、試練……?」
いったいどういうことなのかと、瑞貴は目をパチクリした。
見学の許可をもらったので、瑞貴が少し離れた場所に移動する。岩山の中心に立つトーブの上にはトーチャンが翼を広げて飛んでいた。
〈クアアアアッ!〉
「わかってるぞ! トーチャンの体に触れれば、オラを一人前の男として認めるってことは!」
トーチャンが岩山に足をつけようと、高度を降ろしている瞬間をトーブは見逃さなかった。
「ここだー!」
しかしトーチャンのほうが一枚上手だったようで、トーブが飛び出したときに再び高度を上げた。その勢いのあまりトーブは受け身を取らず地面に倒れてしまう。
「アテテテ……まだまだー!」
それから何度もチャレンジを試みてみるが、トーチャンは触れられる前に高度を上げたり、翼を羽ばたかせて風を起こすので、トーブはトーチャンに手を触れるどころか掠りもできない。
しかしそれを見学している瑞貴はトーブの失敗より別の所に注目していた。
(なんて跳飛力なんだろう……! トーブくんの運動神経をサッカーに生かせれば、もしかして!)
瑞貴はある可能性を思いついたが、トーブは限界がきたのか大の字になって地面に倒れた。
「参った……。やっぱトーチャン、スゲー……。オラ、全然敵わねー……」
〈クアアアッ!〉
「えっ?」
〈クアッ! クアッ! クアアアッ!〉
「『強い奴が襲ってきたらどうする』って? もちろんトーチャンに守ってもらうぞ!」
〈クアアァァアアア!!〉
ビュオォォオオオ――!
「うわっ!」
「トーブくん!」
まるで『バカモーン!!』と言ってるかのように、トーチャンは強風を起こしてトーブを岩山に叩きつけた。
「何すんだよ、トーチャン!」
〈クアアア……!〉
「わかんないぞ!」
(トーチャンはトーブくんになんて言ったんだろう?)
首を振ったトーチャンの言いたいことの意味がトーブにはわからないようだ。しかしその場にいる瑞貴は、トーチャンの言葉の意味どころか言語すらわからないので首を傾げるだけだった。
――また別の場所では、充分な広さがある草地にいるフェイがユニフォームに着替えてボールを構えると、デュプリのウォーリーとストロウとドリルとマントとデブーンを出した。
「ミキシトランス・ティラノ!」
ミキシマックスしたフェイはドリブルして行く。最初にドリルとマントの間を抜き、ストロウを弾くが、最後のウォーリーとデブーンのダブルスライディングに弾き飛ばされてしまった。そして地面に転んだ衝撃でミキシトランスが解かれる。
「もっと強くならなければ……サッカーを守れない……。僕には…サッカーだけなんだ……!」
「――フェイ」
「!」
起き上がったフェイが名前を呼ばれて振り向くと、そこにはユニフォームを着てボールを持つ天馬がいた。
「ワンダバ、トーブのことどう思う?」
「わからん。この時代に人がいることも疑問だが、言葉までしゃべれるとは……」
「エルドラドが仕組んだ罠ってこと?」
「ありうるな。アルノ博士に調べてもらおう」
「うん。でも見た所、悪い奴じゃないみたいだけど……」
フェイの目線の先には、鼻提灯を膨らましながら眠っているトーブがいる。道中の恐竜たちにあれほど好かれていて、自分たちに好意的な彼が、エルドラドの刺客ではないことを祈るのだった。
――それからしばらく経つと、目が覚めた瑞貴はいくつかの岩山がある麓に立ち星空を見上げていた。この時代は人工的な光が一切ないため星がよく見える。
「守……」
どうしても脳裏に浮かぶのは円堂守のことだ。いつか考えたこともあるクロノストーンになってしまったとはいえ、やっと会えると思った矢先にフードを被った老人に取られてしまった。
雷門中サッカー部も元に戻って人数も充分いるため、今の瑞貴ができることは、コーチとして天馬たちが強くなれるようサポートすることだけだ。しかしサッカーも円堂も大切なため、取り戻すために自分も一緒にフィールドで戦うことができないことに、やはりもどかしく感じることがある。
「ダメダメ、これ以上暗いこと考えるの禁止! チャンスがある限りあきらめない!」
「――何してんだ?」
「みぎゃ!」
てっきり自分だけだと思った瑞貴が驚いて振り向くと、そこにはトーブとトーチャンがいた。
「トーブくん。それと……」
〈クアアアッ!〉
「ええっと、トーチャンさんと呼んだほうがいいのかな?」
「トーチャンでいいぞ。なっ、トーチャン!」
〈クアッ〉
「わかった。じゃあ、トーチャンで」
顔を近づけてきたトーチャンのクチバシを瑞貴は優しく撫でると、気持ちいいのかトーチャンは目を細めた。
「オメー、眠れねーのか?」
「そんなとこかな。トーブくんはトーチャンと一緒にどうしたの?」
「オラはトーチャンから一人前になる試練を受けるんだ!」
「一人前の、試練……?」
いったいどういうことなのかと、瑞貴は目をパチクリした。
見学の許可をもらったので、瑞貴が少し離れた場所に移動する。岩山の中心に立つトーブの上にはトーチャンが翼を広げて飛んでいた。
〈クアアアアッ!〉
「わかってるぞ! トーチャンの体に触れれば、オラを一人前の男として認めるってことは!」
トーチャンが岩山に足をつけようと、高度を降ろしている瞬間をトーブは見逃さなかった。
「ここだー!」
しかしトーチャンのほうが一枚上手だったようで、トーブが飛び出したときに再び高度を上げた。その勢いのあまりトーブは受け身を取らず地面に倒れてしまう。
「アテテテ……まだまだー!」
それから何度もチャレンジを試みてみるが、トーチャンは触れられる前に高度を上げたり、翼を羽ばたかせて風を起こすので、トーブはトーチャンに手を触れるどころか掠りもできない。
しかしそれを見学している瑞貴はトーブの失敗より別の所に注目していた。
(なんて跳飛力なんだろう……! トーブくんの運動神経をサッカーに生かせれば、もしかして!)
瑞貴はある可能性を思いついたが、トーブは限界がきたのか大の字になって地面に倒れた。
「参った……。やっぱトーチャン、スゲー……。オラ、全然敵わねー……」
〈クアアアッ!〉
「えっ?」
〈クアッ! クアッ! クアアアッ!〉
「『強い奴が襲ってきたらどうする』って? もちろんトーチャンに守ってもらうぞ!」
〈クアアァァアアア!!〉
ビュオォォオオオ――!
「うわっ!」
「トーブくん!」
まるで『バカモーン!!』と言ってるかのように、トーチャンは強風を起こしてトーブを岩山に叩きつけた。
「何すんだよ、トーチャン!」
〈クアアア……!〉
「わかんないぞ!」
(トーチャンはトーブくんになんて言ったんだろう?)
首を振ったトーチャンの言いたいことの意味がトーブにはわからないようだ。しかしその場にいる瑞貴は、トーチャンの言葉の意味どころか言語すらわからないので首を傾げるだけだった。
――また別の場所では、充分な広さがある草地にいるフェイがユニフォームに着替えてボールを構えると、デュプリのウォーリーとストロウとドリルとマントとデブーンを出した。
「ミキシトランス・ティラノ!」
ミキシマックスしたフェイはドリブルして行く。最初にドリルとマントの間を抜き、ストロウを弾くが、最後のウォーリーとデブーンのダブルスライディングに弾き飛ばされてしまった。そして地面に転んだ衝撃でミキシトランスが解かれる。
「もっと強くならなければ……サッカーを守れない……。僕には…サッカーだけなんだ……!」
「――フェイ」
「!」
起き上がったフェイが名前を呼ばれて振り向くと、そこにはユニフォームを着てボールを持つ天馬がいた。