恐竜時代へGO!!
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ガンッ!!
「「「えっ?」」」
ティラノサウルスに頭突きをして倒したのは、ひと目で頑丈な頭を持つとわかる新たに現れた別の恐竜だった。
「パキケファロサウルス……」
「助けてくれたの?」
「あっ、うしろ!」
〈グルルル……ガアアアッ!〉
信助と天馬がパキケファロサウルスの行動にびっくりしていると、瑞貴は先ほどのティラノサウルスが起き上がったことに気づいて声を上げた。パキケファロサウルスも気づいたのかティラノサウルスと向かい合うと……――なんとその背には天馬たちと同じくらいで恐竜の骨をヘアバンド代わりにしている少年がいた。
「ガオー!」
〈!〉
「ガオー!」
少年の姿を確認したティラノサウルスは焦った顔をすると、すぐに背を向けてどこかに行く。
その場に残った葵たち雷門メンバーは、瑞貴と天馬と信助が無事だったことに喜ぶより先に、少年の存在の驚きが勝(マサ)っていた。
「に、人間?」
「ガオー!」
「「ヒッ!」」
「ひ、人がいる……?」
「恐竜時代なのに……?」
天馬や信助たちは、この白亜紀でタイムジャンプした自分たち以外の人間がいることに驚いていた。念のため警戒しながらワンダバが話しかけてみる。
「いったい何者なんだ?」
「オラ、トーブっていうんだぞ。なんか文句あっか?」
「「「「「ええっ!?」」」」」
「しゃべった!?」
ちゃんと会話もできるとは思わなかったのかフェイたちは再び声を上げた。
すると少年――トーブはまるで動物のように鼻をヒクヒクさせながら雷門メンバーの匂いを嗅ぐ。いきなり変わった行動をされて瑞貴は顔を引きつらせて問いかけてみる。
「な、何かな?」
「ウ~~……ガオー!」
「「わあああっ!」」
「ウホウホ、ウホホッ!」
トーブは急に叫んだり歌い(?)ながら踊り出す。次々と訳の分からない行動をするので天馬と信助は驚きの声も上げた。
「オメーらオラと似てるぞー! オラと似た奴、初めて会った! なんか嬉しいぞー! アハハッ、ウホホッ! オメー、名前は?」
「天馬……」
「トンマか!」
「あっ、天――」
「よし! オメーらオラのうちに来い! こっちだー!」
ひとしきりに叫んで騒いで名前まで間違った挙句、家に招待をすると宣言して先に歩き出したトーブ。その行動力に信助たちは思わず唖然としてしまう。
「何あれ……?」
「行ってみよう」
「あの子なら土地勘があるだろうしね」
「はい」
神童や瑞貴にも促されたので、天馬たちはトーブのあとを追うことにした。
――元気よく先頭を走るトーブを追いかけるが、足場は細く坂道な上に石でデコボコしており、さらには直線やジグザグといろんな道がある。
雷門メンバーの中には息が上がっている者もいるのに、トーブは全くスピードを落とさないことに霧野や神童が気づく。
「速い……こんなに足場が悪いのに……」
「並の運動神経ではないな……」
「「…………」」
フェイとワンダバはトーブについて何か思う所があるのか、二人はコッソリ顔を見合わせていた。
それからトーブがやっと足を止めたので、追いついた天馬たちもやっとひと息を付ける。足場が悪いのにここまでずっと走ったせいか両膝に手を当てて肩で息をしていた。
「やっと追いついた……――あっ」
トーブの前にあるのは断崖絶壁とも呼べる大きな崖だ。向こう側にも崖があるが、その間の距離はかなりある。
「これじゃ先に進めない……」
「友達の力を借りるんだ」
「友達?」
ピューイ!
ドスンッ! ドスンッ! ドスンッ!
「「「「「わああぁぁあああ!!」」」」」」
トーブが指笛を鳴らしたあと規則的に揺れ始めたと思いきや、崖の間に巨大な恐竜の頭が現れて天馬たちは驚いた。
「また恐竜!?」
「アラモサウルスだ! 大人しいから大丈夫!」
「頼むぞ」
信助が草食恐竜なので大丈夫と言うと、トーブがアラモサウルスに何かを頼んだ。するとアラモサウルスは背を向けたと思いきや、尻尾を崖の上に乗せ、頭を反対側の崖に向ける。なんと即席の恐竜の橋になった。