サッカー対決! 坂本VS沖田!!
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――土下座しても信じてもらえず、二人いたはずの見張りが六人に増えた。刀を置いて丸腰になって徳川慶喜と話したいと言ったのに誰も信じてもらえず捕らえかけられたと言う。
なのでラチが明かないため慶喜がいると叫び、それを聞いた見張りの男たちは道の両脇に土下座したので、坂本はその隙に置いた刀を手にとって逃げて来たと言う。
「――と、逃げて来たってわけよ!」
「そうだったんですか……」
「でもよかった、無事で!」
こうして帰って来れた経緯を聞いて神童拓人も天馬もホッとするが、中岡はどうしても腑に落ちなかった。
「しかし何故だ?」
「ん?」
「どうして急に慶喜公と会いたいなどと……」
「前から思ってたんだ……――早く日本をなんとかしなきゃならねぇって! もっと良くしたいんだ……この国を、世界に誇れる素晴らしい国に! そのためなら、俺っちはなんでもやる!」
「だからと言って、慶喜公に直談判に行くとはお前らしいがムチャクチャだ!」
「だが結局は門前払い……。あ~あ……どうすりゃいいもんかのう……?」
「龍馬さん……」
話を聞いてもらうどころか会わせてすらもらえないので、お手上げだと言うように坂本は大の字にうしろから寝転がった。さっきまでのイキイキした様子が見れなくなったので空野葵たちは心配すると……。
「あっ、そうだ!」
「「「「「ん?」」」」」
「サッカーの練習しませんか?」
「えっ?」
「きっと気分が晴れます!」
天馬の突然の提案に坂本は驚いたが、気分転換にもなるし今は何も思いつかないので了承した。
☆☆☆☆☆
一方、新選組の屯所ではザナークが隊士たちにかけたマインドコントロールが解けていないせいか、瑞貴は沖田と一緒にいるとはいえすんなりと通してくれた。
瑞貴が水を持ってくるために席を外している間、沖田が寝間着に着替えて前もって瑞貴が敷いた布団に入っている。やはりムリさせてしまったせいか反動が激しくずっと咳をしている。
「ゴホッ! ゴホッ!」
ガラッ。
「沖田さん、水持ってきました。飲めますか?」
障子を開けた瑞貴はお盆から水の入った湯呑を渡すと、沖田はゆっくりと顔を向けた。
「ああ……ゴホッ! ゴホッ!」
「ムリしなくていいですよ。飲めるだけでいいですから」
そして瑞貴は飲み水だけでなく、別の水が入った桶に手巾を濡らして絞ると沖田の額の汗を拭う。ずっと甲斐甲斐しく世話をしているので沖田はそんな瑞貴を見て不思議に思った。
「何故俺を助ける……お前は坂本の味方なのだろう?」
「私は坂本さんの味方でも、沖田さんの味方でもありません。まあ……ザナークたちの敵なのは確かですけど」
もともと瑞貴たちがこの時代に来たのは、あくまで『坂本龍馬』と『沖田総司』のオーラを手に入れて時空最強イレブンの完成を近づけるためである。どちらかの味方になって手助けするためではないのだ。
「なら――」
「でも、だからと言って目の前に病人がいるのに放っておくほど薄情じゃありません」
「!」
瑞貴は顔を上げて真っ直ぐ沖田を見つめると、その瞳に沖田は驚いて逆に自分が目を見開いた。気づいているのか定かではないが、「それに……」と瑞貴は言葉を続ける。
「どちらかの味方でもないからこそ、助けれるなら助けたいんです。もちろんあなたを含めて。……元はと言えば、私たちの戦いに巻き込んでしまったようなものですから」
自分たちがオーラを求めにこの時代に来なければ、ザナークが新選組を操ることも沖田の状態を悪化させることもなかった。それは紛れもない事実なので申し訳なさそうに瑞貴は顔をうつむけるが、決意は揺るがないと言うように膝の上に乗せた拳をギュッと握りしめる。
「それでも私たちはサッカーを守りたいんです。そして私たちの……私の大切な人を取り戻すためにも」
「お前……」
円堂守を思い浮かべる瑞貴の力強くもどこか儚い姿を見て、沖田は瑞貴の顔に手を伸ばそうとすると……。
「――まさかもう限界とか言うんじゃねぇだろうな?」
「「!」」
聞き覚えのある声に二人は顔を向けると、その先の障子が開いてザナークが現れた。
「バカな! 幕府を守ることこそ我が使命! ここで倒れるわけにはいかぬ!」
「沖田さん!」
先ほどまで具合がとても悪かったのに、瑞貴の制止も聞かず立ち上がってザナークと向き合う。
「坂本をこの手で斬るまで、死んでも死に切れるか! ――グッ! ゴホッ! ゲホッ!」
「沖田さん!」
「ククッ、そう言うと思ったぜ。お前にまた力をやろう」
「もうやめて!」
再び沖田に力を与えようとしたザナークだが、瑞貴が沖田の前に出てかばうように両腕を広げた。
「あんたの与えた力で、沖田さんの体は悪化しているのよ! これ以上やったらどうなるか……!」
「邪魔するなら今すぐお前をエルドラドのジジイ共のとこへ連れて行ってもいいんだぜ?」
「あんたには――ううん、エルドラドにはそれができない」
「何?」
「今までだって私をさらうチャンスは何度もあったはず。でもそれを実行されないのは『しない』んじゃなくて『できない』……そうでしょ?」
「フッ、かしこい女は嫌いじゃねぇぜ」
なのでラチが明かないため慶喜がいると叫び、それを聞いた見張りの男たちは道の両脇に土下座したので、坂本はその隙に置いた刀を手にとって逃げて来たと言う。
「――と、逃げて来たってわけよ!」
「そうだったんですか……」
「でもよかった、無事で!」
こうして帰って来れた経緯を聞いて神童拓人も天馬もホッとするが、中岡はどうしても腑に落ちなかった。
「しかし何故だ?」
「ん?」
「どうして急に慶喜公と会いたいなどと……」
「前から思ってたんだ……――早く日本をなんとかしなきゃならねぇって! もっと良くしたいんだ……この国を、世界に誇れる素晴らしい国に! そのためなら、俺っちはなんでもやる!」
「だからと言って、慶喜公に直談判に行くとはお前らしいがムチャクチャだ!」
「だが結局は門前払い……。あ~あ……どうすりゃいいもんかのう……?」
「龍馬さん……」
話を聞いてもらうどころか会わせてすらもらえないので、お手上げだと言うように坂本は大の字にうしろから寝転がった。さっきまでのイキイキした様子が見れなくなったので空野葵たちは心配すると……。
「あっ、そうだ!」
「「「「「ん?」」」」」
「サッカーの練習しませんか?」
「えっ?」
「きっと気分が晴れます!」
天馬の突然の提案に坂本は驚いたが、気分転換にもなるし今は何も思いつかないので了承した。
☆☆☆☆☆
一方、新選組の屯所ではザナークが隊士たちにかけたマインドコントロールが解けていないせいか、瑞貴は沖田と一緒にいるとはいえすんなりと通してくれた。
瑞貴が水を持ってくるために席を外している間、沖田が寝間着に着替えて前もって瑞貴が敷いた布団に入っている。やはりムリさせてしまったせいか反動が激しくずっと咳をしている。
「ゴホッ! ゴホッ!」
ガラッ。
「沖田さん、水持ってきました。飲めますか?」
障子を開けた瑞貴はお盆から水の入った湯呑を渡すと、沖田はゆっくりと顔を向けた。
「ああ……ゴホッ! ゴホッ!」
「ムリしなくていいですよ。飲めるだけでいいですから」
そして瑞貴は飲み水だけでなく、別の水が入った桶に手巾を濡らして絞ると沖田の額の汗を拭う。ずっと甲斐甲斐しく世話をしているので沖田はそんな瑞貴を見て不思議に思った。
「何故俺を助ける……お前は坂本の味方なのだろう?」
「私は坂本さんの味方でも、沖田さんの味方でもありません。まあ……ザナークたちの敵なのは確かですけど」
もともと瑞貴たちがこの時代に来たのは、あくまで『坂本龍馬』と『沖田総司』のオーラを手に入れて時空最強イレブンの完成を近づけるためである。どちらかの味方になって手助けするためではないのだ。
「なら――」
「でも、だからと言って目の前に病人がいるのに放っておくほど薄情じゃありません」
「!」
瑞貴は顔を上げて真っ直ぐ沖田を見つめると、その瞳に沖田は驚いて逆に自分が目を見開いた。気づいているのか定かではないが、「それに……」と瑞貴は言葉を続ける。
「どちらかの味方でもないからこそ、助けれるなら助けたいんです。もちろんあなたを含めて。……元はと言えば、私たちの戦いに巻き込んでしまったようなものですから」
自分たちがオーラを求めにこの時代に来なければ、ザナークが新選組を操ることも沖田の状態を悪化させることもなかった。それは紛れもない事実なので申し訳なさそうに瑞貴は顔をうつむけるが、決意は揺るがないと言うように膝の上に乗せた拳をギュッと握りしめる。
「それでも私たちはサッカーを守りたいんです。そして私たちの……私の大切な人を取り戻すためにも」
「お前……」
円堂守を思い浮かべる瑞貴の力強くもどこか儚い姿を見て、沖田は瑞貴の顔に手を伸ばそうとすると……。
「――まさかもう限界とか言うんじゃねぇだろうな?」
「「!」」
聞き覚えのある声に二人は顔を向けると、その先の障子が開いてザナークが現れた。
「バカな! 幕府を守ることこそ我が使命! ここで倒れるわけにはいかぬ!」
「沖田さん!」
先ほどまで具合がとても悪かったのに、瑞貴の制止も聞かず立ち上がってザナークと向き合う。
「坂本をこの手で斬るまで、死んでも死に切れるか! ――グッ! ゴホッ! ゲホッ!」
「沖田さん!」
「ククッ、そう言うと思ったぜ。お前にまた力をやろう」
「もうやめて!」
再び沖田に力を与えようとしたザナークだが、瑞貴が沖田の前に出てかばうように両腕を広げた。
「あんたの与えた力で、沖田さんの体は悪化しているのよ! これ以上やったらどうなるか……!」
「邪魔するなら今すぐお前をエルドラドのジジイ共のとこへ連れて行ってもいいんだぜ?」
「あんたには――ううん、エルドラドにはそれができない」
「何?」
「今までだって私をさらうチャンスは何度もあったはず。でもそれを実行されないのは『しない』んじゃなくて『できない』……そうでしょ?」
「フッ、かしこい女は嫌いじゃねぇぜ」