幕末の剣士! 沖田総司!!
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「沖田さん、寝てるって!」
「『寝てるって』じゃないだろ……」
「肝が冷えたぜ。ったく……」
「黄名子ちゃん、聞き出してくれたのはありがいけど、今は近藤さんもいないんだから気をつけてね」
「は~い!」
「「「…………」」」
黄名子の行動にヒヤヒヤした狩屋と水鳥。瑞貴が軽く注意すると黄名子は元気よく手を挙げて返事をしたが、本当にわかっているかどうか怪しいものだ。
「沖田は外に出られないようだな」
「どうします?」
「中に忍び込んで探すしかないね」
剣城がこのまま待っていてもムダだと察する。雨宮が問うと、フェイは外にいても仕方ないのなら中に入るしかないと言った。
――屯所の一室で沖田が危惧している坂本の同行を、彼の看病をする隊士が聞いて難しい顔をする。
「坂本龍馬が天下を揺るがす企てをしているとなれば、捨て置くわけには……」
「…………」
すると沖田は体を起こしてそばに置いてあった刀を一つ取る。少し鞘を抜いて見えた刀身には自分の瞳が映っており、その輝きを見るとこの意志が曇っていないかも確認できる。
「俺が斬る……この手で必ず……! グッ……ゲホッ、ゲホッ」
ガラッ!
「「!」」
「フンッ! まだ隊士が残っていたか」
突然開けられた障子に二人が顔を向けると、そこにはザナークがいた。しかし彼を知らない二人にとっては近藤の羽織を着た怪しい奴である。そばにいる隊士に続き、布団の中だというのに沖田もいつでも抜刀できるように刀を構える。
「それは近藤さんの羽織だぞ! 何故それを着ている!?」
「貴様、何者だ!?」
「俺が『近藤勇』だ。今はな……」
「ふざけるな……近藤さんはどうした!?」
「近藤ならちょいと遠い所へ閉じ込めてやった」
「何!?」
するとザナークは着物の合わせから赤いボタンを取り出して弾くと、それはスフィアデバイスとなった。怪しい術と警戒して沖田は深く構え、隊士は刀を抜くが……。
【マインドコントールモード】
「なんだ……? 妖術か?」
「あっ……」
スフィアデバイスから放たれるマインドコントロール波に、沖田は妖術だと思っているともう一人の隊士は刀を鞘に納めてフラつきながらも立ち上がった。
「行け」
「はい…局長……」
この隊士はザナークを完全に近藤と認識し、命令されるままに部屋から出て行った。
(このままでは……底知れない闇に飲み込まれてしまう……!)
沖田は刀を抜刀するとスフィアデバイスを斬った。それにザナークは怯むことなく、むしろ面白そうに沖田に名前を尋ねる。
「お前は強靭な精神力の持ち主だ。名前は?」
「新選組一番隊隊長・沖田総司!」
「っ、沖田? そうか……フフフフフッ! こりゃあ面白いことになりそうだ」
「何……!? グッ! ウウッ……」
ザナークの意味深な言葉に警戒するが、沖田は痛む胸を押さえる。
「だがその体じゃあ、立ち上がるのもやっとのようだな」
「クッ……」
「お前、力が欲しくないか?」
「っ、力……?」
「これさ!」
カッ!
ザナークの両目が光ると水色の光が放たれる。また先ほどのような妖術かと沖田は胸が痛みながらも構えるが――。
「ムダだ! こんな妖術になど――」
「俺の力を感じるか?」
「何? ――っ、苦しさが消えていく?」
「そうだ……フフッ」
「グッ、やめろ!」
「自由に動ける力が欲しいだろ?」
(なんだこれは……俺の中に活力が甦ってくる……!?)
病のせいで苦しかった胸の痛みがなくなっただけでなく、体もまた元気を取り戻そうとしていた。ザナークの送る力だけでなく言葉すらも沖田の本心を言い当てていた。
「俺の言う通りにすれば、お前が見たこともないような物凄い力を与えてやる」
「力……与える……」
「坂本龍馬と勝負しろ」
「!」
ザナークが出した名により、拒もうとした沖田の心は完全に受け入れてしまった。
「『寝てるって』じゃないだろ……」
「肝が冷えたぜ。ったく……」
「黄名子ちゃん、聞き出してくれたのはありがいけど、今は近藤さんもいないんだから気をつけてね」
「は~い!」
「「「…………」」」
黄名子の行動にヒヤヒヤした狩屋と水鳥。瑞貴が軽く注意すると黄名子は元気よく手を挙げて返事をしたが、本当にわかっているかどうか怪しいものだ。
「沖田は外に出られないようだな」
「どうします?」
「中に忍び込んで探すしかないね」
剣城がこのまま待っていてもムダだと察する。雨宮が問うと、フェイは外にいても仕方ないのなら中に入るしかないと言った。
――屯所の一室で沖田が危惧している坂本の同行を、彼の看病をする隊士が聞いて難しい顔をする。
「坂本龍馬が天下を揺るがす企てをしているとなれば、捨て置くわけには……」
「…………」
すると沖田は体を起こしてそばに置いてあった刀を一つ取る。少し鞘を抜いて見えた刀身には自分の瞳が映っており、その輝きを見るとこの意志が曇っていないかも確認できる。
「俺が斬る……この手で必ず……! グッ……ゲホッ、ゲホッ」
ガラッ!
「「!」」
「フンッ! まだ隊士が残っていたか」
突然開けられた障子に二人が顔を向けると、そこにはザナークがいた。しかし彼を知らない二人にとっては近藤の羽織を着た怪しい奴である。そばにいる隊士に続き、布団の中だというのに沖田もいつでも抜刀できるように刀を構える。
「それは近藤さんの羽織だぞ! 何故それを着ている!?」
「貴様、何者だ!?」
「俺が『近藤勇』だ。今はな……」
「ふざけるな……近藤さんはどうした!?」
「近藤ならちょいと遠い所へ閉じ込めてやった」
「何!?」
するとザナークは着物の合わせから赤いボタンを取り出して弾くと、それはスフィアデバイスとなった。怪しい術と警戒して沖田は深く構え、隊士は刀を抜くが……。
【マインドコントールモード】
「なんだ……? 妖術か?」
「あっ……」
スフィアデバイスから放たれるマインドコントロール波に、沖田は妖術だと思っているともう一人の隊士は刀を鞘に納めてフラつきながらも立ち上がった。
「行け」
「はい…局長……」
この隊士はザナークを完全に近藤と認識し、命令されるままに部屋から出て行った。
(このままでは……底知れない闇に飲み込まれてしまう……!)
沖田は刀を抜刀するとスフィアデバイスを斬った。それにザナークは怯むことなく、むしろ面白そうに沖田に名前を尋ねる。
「お前は強靭な精神力の持ち主だ。名前は?」
「新選組一番隊隊長・沖田総司!」
「っ、沖田? そうか……フフフフフッ! こりゃあ面白いことになりそうだ」
「何……!? グッ! ウウッ……」
ザナークの意味深な言葉に警戒するが、沖田は痛む胸を押さえる。
「だがその体じゃあ、立ち上がるのもやっとのようだな」
「クッ……」
「お前、力が欲しくないか?」
「っ、力……?」
「これさ!」
カッ!
ザナークの両目が光ると水色の光が放たれる。また先ほどのような妖術かと沖田は胸が痛みながらも構えるが――。
「ムダだ! こんな妖術になど――」
「俺の力を感じるか?」
「何? ――っ、苦しさが消えていく?」
「そうだ……フフッ」
「グッ、やめろ!」
「自由に動ける力が欲しいだろ?」
(なんだこれは……俺の中に活力が甦ってくる……!?)
病のせいで苦しかった胸の痛みがなくなっただけでなく、体もまた元気を取り戻そうとしていた。ザナークの送る力だけでなく言葉すらも沖田の本心を言い当てていた。
「俺の言う通りにすれば、お前が見たこともないような物凄い力を与えてやる」
「力……与える……」
「坂本龍馬と勝負しろ」
「!」
ザナークが出した名により、拒もうとした沖田の心は完全に受け入れてしまった。