幕末の剣士! 沖田総司!!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
――それから神童たちも交えてサッカーをすると、ずっとサッカーをして来た西園信助たちに比べてはまだまだだが、坂本のボールキープ力はスゴかった。
一旦休憩にすると葵や茜からドリンクとタオルを受け取って地面に座ってドリンクを飲んだ錦は、同じく地面に座っているタオルで顔を拭く坂本のプレーの感想を述べる。
「坂本さん、なかなか呑み込みが早いぜよ!」
「いや~、やってみると実に面白いな!」
「でしょ!? サッカーはスゴく面白くて楽しいんです!」
「お前さんたちの時代じゃ、サッカーが盛んなのか?」
「はい!」
実際にやることでサッカーの楽しさをわかってもらえたのが嬉しかったのか、天馬は明るく坂本に返事をする。
「世界一を決める大会もあるぜよ!」
「世界ってことは、あらゆる異国の人間が夢中になってるんだな!?」
「そうです!」
「よ~し! 俺っちも熱くなってきた! どんどん蹴って来い!」
「はい!」
錦がスケールの大きさを表すように両腕を広げる。坂本は異国の人間も熱くなれるサッカーにさらに興味が沸き、もっとやりたいと言うように立ち上がって言うと、天馬も頷いた。
☆☆☆☆☆
一方、沖田を捜索している円堂瑞貴のチームは新選組の屯所の向かいの通路の陰で出入り口を見張っていた。迂闊に入ったら侵入者扱いされるし、ザナーク=アバロニクが新選組局長・近藤勇の格好をして中に入ったので警戒をしている。
しかし待っているのも退屈になって来たのか、狩屋マサキが後頭部を掻き始めた。
「こうして待つのはいいけどさ~、どうやって沖田総司を見分けりゃいいんだろう?」
「決まってるさ。イケメンかどうかだよ!」
「あっ……大丈夫なんスか? それで」
「当ったり前だろ。イケメンじゃない沖田総司なんてありえない!」
「現実はどうですかね~?」
「っ、狩屋!」
「フフン」
瀬戸水鳥はそう断言するも、狩屋は挑発気味にそう返した。現代では主に沖田はイケメンだと伝えられているが、確かに狩屋の言う通り現実はわからない。
「で、いつ出て来るやんね?」
「そりゃ、市中見周りのときさ。焦らず待つんだね」
本当に出てくるのかわからないと言う菜花黄名子に、水鳥は市中見周り――現代で言うパトロールをするため出て来る筈だと言った。その言葉にフェイは「市中見周りか……」と意味ありげに呟く。
「いくら浪士を取り締まっても、動き出した時代の波は止められないのに……」
「それを言えるのは、私たちが未来をわかっているからだよ」
「えっ?」
フェイの呟きを聞いた瑞貴はそう言うと、青空を見上げて遠くにある自分たちの時代を思い浮かべる。
「私たちの時代ではこの幕末の行く末がわかるけど、この時代の人たちは自分たちがどんな運命を辿るか予想できても本当になるかはわからない。未来を変えられるかもしれないという思いがあるからこそ、人は時代の波から抗えずにいられないんだよ。私たちがサッカーを守るために過去まで来ているようにね」
「そうですね……」
エルドラドが勝手に決めた歴史改変とはいえ、サッカーの消滅を防ごうとしている自分たちと重ねた瑞貴の言葉に、霧野蘭丸も同意して同じように空を見上げて瞳に映す。
「もしかしたら、新選組は幕府の侍たちが失ってしまった武士道を、真っ直ぐに貫こうとしたんじゃないのかな……。俺たちが、サッカーを守ろうとしているように……」
「どんな人にも、自分なりの『正義』があるってことっスかね」
「そうかもしれないな」
「自分なりの正義か……なんだかわかるような気がするな」
狩屋も雨宮も二人の会話に思う所があったのかそれぞれそう言った。そしてまた剣城京介も何かを考えていた。
☆☆☆☆☆
今度はシュート練習も兼ねて、信助はいい距離で生えている枯れ木をゴールポストに見立てて構えている。そして坂本はまだおぼつかないようでボールを見ながら小刻みにドリブルをしていた。
「坂本さん!」
「オ、オウッ! ふっ! ――あっ、しまった!」
錦がパスを促すように声をかけたので坂本は蹴り上げたが、ボールはかなり高くまで上がってしまった。
「うおおっ!」
しかし錦は構わずオーバーヘッドキックでシュートを撃つも、信助にガッチリキャッチされてしまった。ドヤ顔する信助に対し、錦は悔しそうな顔をする。
「それ、俺っちにもやらせてくれ!」
「えっ!? そりゃあ、まだムリぜよ……」
「いいからいいから! さあ!」
「…………」
オーバーヘッドキックがしたいという坂本に錦は驚いた。これは高度な技なので一歩間違えれば背中や頭を強打する恐れもあるが、坂本は全然大丈夫だと言うようにボールを上げてほしいと両腕を上げた。
錦は仕方なく信助とアイコンタクトをして頷くと、信助もまた苦笑しながら頷き返してボールを高く上げた。すると……。
一旦休憩にすると葵や茜からドリンクとタオルを受け取って地面に座ってドリンクを飲んだ錦は、同じく地面に座っているタオルで顔を拭く坂本のプレーの感想を述べる。
「坂本さん、なかなか呑み込みが早いぜよ!」
「いや~、やってみると実に面白いな!」
「でしょ!? サッカーはスゴく面白くて楽しいんです!」
「お前さんたちの時代じゃ、サッカーが盛んなのか?」
「はい!」
実際にやることでサッカーの楽しさをわかってもらえたのが嬉しかったのか、天馬は明るく坂本に返事をする。
「世界一を決める大会もあるぜよ!」
「世界ってことは、あらゆる異国の人間が夢中になってるんだな!?」
「そうです!」
「よ~し! 俺っちも熱くなってきた! どんどん蹴って来い!」
「はい!」
錦がスケールの大きさを表すように両腕を広げる。坂本は異国の人間も熱くなれるサッカーにさらに興味が沸き、もっとやりたいと言うように立ち上がって言うと、天馬も頷いた。
☆☆☆☆☆
一方、沖田を捜索している円堂瑞貴のチームは新選組の屯所の向かいの通路の陰で出入り口を見張っていた。迂闊に入ったら侵入者扱いされるし、ザナーク=アバロニクが新選組局長・近藤勇の格好をして中に入ったので警戒をしている。
しかし待っているのも退屈になって来たのか、狩屋マサキが後頭部を掻き始めた。
「こうして待つのはいいけどさ~、どうやって沖田総司を見分けりゃいいんだろう?」
「決まってるさ。イケメンかどうかだよ!」
「あっ……大丈夫なんスか? それで」
「当ったり前だろ。イケメンじゃない沖田総司なんてありえない!」
「現実はどうですかね~?」
「っ、狩屋!」
「フフン」
瀬戸水鳥はそう断言するも、狩屋は挑発気味にそう返した。現代では主に沖田はイケメンだと伝えられているが、確かに狩屋の言う通り現実はわからない。
「で、いつ出て来るやんね?」
「そりゃ、市中見周りのときさ。焦らず待つんだね」
本当に出てくるのかわからないと言う菜花黄名子に、水鳥は市中見周り――現代で言うパトロールをするため出て来る筈だと言った。その言葉にフェイは「市中見周りか……」と意味ありげに呟く。
「いくら浪士を取り締まっても、動き出した時代の波は止められないのに……」
「それを言えるのは、私たちが未来をわかっているからだよ」
「えっ?」
フェイの呟きを聞いた瑞貴はそう言うと、青空を見上げて遠くにある自分たちの時代を思い浮かべる。
「私たちの時代ではこの幕末の行く末がわかるけど、この時代の人たちは自分たちがどんな運命を辿るか予想できても本当になるかはわからない。未来を変えられるかもしれないという思いがあるからこそ、人は時代の波から抗えずにいられないんだよ。私たちがサッカーを守るために過去まで来ているようにね」
「そうですね……」
エルドラドが勝手に決めた歴史改変とはいえ、サッカーの消滅を防ごうとしている自分たちと重ねた瑞貴の言葉に、霧野蘭丸も同意して同じように空を見上げて瞳に映す。
「もしかしたら、新選組は幕府の侍たちが失ってしまった武士道を、真っ直ぐに貫こうとしたんじゃないのかな……。俺たちが、サッカーを守ろうとしているように……」
「どんな人にも、自分なりの『正義』があるってことっスかね」
「そうかもしれないな」
「自分なりの正義か……なんだかわかるような気がするな」
狩屋も雨宮も二人の会話に思う所があったのかそれぞれそう言った。そしてまた剣城京介も何かを考えていた。
☆☆☆☆☆
今度はシュート練習も兼ねて、信助はいい距離で生えている枯れ木をゴールポストに見立てて構えている。そして坂本はまだおぼつかないようでボールを見ながら小刻みにドリブルをしていた。
「坂本さん!」
「オ、オウッ! ふっ! ――あっ、しまった!」
錦がパスを促すように声をかけたので坂本は蹴り上げたが、ボールはかなり高くまで上がってしまった。
「うおおっ!」
しかし錦は構わずオーバーヘッドキックでシュートを撃つも、信助にガッチリキャッチされてしまった。ドヤ顔する信助に対し、錦は悔しそうな顔をする。
「それ、俺っちにもやらせてくれ!」
「えっ!? そりゃあ、まだムリぜよ……」
「いいからいいから! さあ!」
「…………」
オーバーヘッドキックがしたいという坂本に錦は驚いた。これは高度な技なので一歩間違えれば背中や頭を強打する恐れもあるが、坂本は全然大丈夫だと言うようにボールを上げてほしいと両腕を上げた。
錦は仕方なく信助とアイコンタクトをして頷くと、信助もまた苦笑しながら頷き返してボールを高く上げた。すると……。