坂本龍馬! 登場!!
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ザッ、ザッ、ザッ――……。
「誰か来る!」
「「「「「!」」」」」
草履の音が聞こえたフェイがみんなを促し、近くの茂みに身を隠すようにした。しかし角から現れたのは見たことのある着物を着て刀を帯びているザナークであり、しかも堂々と新選組の屯所に入ったのだ。
「あの姿は……!?」
「今度は何を企んでいるんだ……?」
ザナークが屯所に入ったのを確認して茂みから霧野やフェイたちが出る。ザナークが着ていたのは間違いなく先ほど会った近藤のモノだった。
――屯所の中でザナークがスフィアデバイスのマインドコントロールで新選組を操っている間、ある一室で一人の隊士が布団の中にいた。それが不甲斐なくて上半身を起こし、そばにいるもう一人の隊士に謝る。
「すまん……だがこうしてはおれんのだ」
「いけません! しっかりお休みください!」
「そうはいかん。坂本龍馬が、天下をひっくり返す企みをしているのだ」
「坂本龍馬? 一介の浪人にそのようなことができるのでしょうか?」
「あいつならやる……坂本龍馬はそういう男だ」
布団の中にいる男――沖田総司は、坂本に確かに天下をひっくり返す力があると確信していいた。
☆☆☆☆☆
「ぶえっくしょい!」
「何をするぜよ……」
「あ~……すまんすまん」
「「「「「…………」」」」」
恰幅の男が盛大にくしゃみをしていたせいで、口の中にあったご飯粒がこれまた盛大に飛び散った。特に隣にいた錦には被害がデカく、向かいにいたメンバーは引き気味であり、茜は座布団を盾にしたが、葵はちゃっかり天馬を盾にしているのだった。
お茶を飲んでようやくひと息ついたのか、恰幅の男は「食った食った~!」とまた大きくなったのではないかと思うお腹をさすっていると、ふと部屋の隅にあるボールが目に入ると手に取った。
「しっかし、こんな毬一つであんなに熱くなれるんだから、面白いもんだぜ~!」
「『毬』じゃなくて『サッカーボール』……!」
「ああ、そうそう! サッカー!」
茜が訂正を入れると、恰幅の男は思い出したように言って興味津々にボールを動かしてあちこちから見る。
「ところでこいつは、メリケンの遊びか? それともエギリスか? おめぇら、どこで教わったんだ?」
「それは……その……」
「まあ、楽しけりゃあどっちでもいいがな!」
天馬が答えにくいのを察したのか、恰幅の男はにこやかに笑ってそう言って指でボールを回し始める。
「これが地球だとすると……日本なんてちっぽけなモンだ。こんな小さなとこに閉じこもってちゃ、いずれ世界に押し潰されちまう。だから、俺っちは日本を世界に向けて開きてぇのさ!」
「あっと!」
ボールを地球儀代わりに見せたと思ったら、急に投げたので天馬は慌ててキャッチした。恰幅の男は続けてスケールを表すかのように両腕を広げる。
「そうすれば、いろんなモノが入って来る!」
「才谷屋さん……!」
ガラッ、バンッ!
「新選組である!」
「「「「「し、新選組!?」」」」」
急に部屋の障子が開いたと思ったら、刀を構える二人組の男――新選組が現れたので、天馬たちは驚きながらも慌てて壁際に寄る。
「逃がさんぞ、坂本龍馬! 出て来い!」
「「「「「えっ……?」」」」」
「ここにいるぜ!」
「「「「「ええっ!?」」」」」
新選組が指名した名前にキョトンとした天馬たちだが、続けて上がった声の張本人が自分たちの一番うしろから聞こえたと思って体を退けると、ずっと一緒にいた恰幅の男だった。
「俺っちがここにいるって、よくわかったな。さすがは新選組!」
「この人が……!」
「坂本龍馬……!」
「「「「「うっそ――っ!?」」」」」
アーティファクトにしていた写真とは全く別人とも言える体系を持つ恰幅の男が、まさか目的だった坂本龍馬だったとは思わず天馬や神童を始め、雷門メンバーは大きな声を上げて驚くのだった。
☆コーチの 今日の格言☆
守りたいモノがあるからこそ、悪名や噂なんかにこだわらず自分たちの信念を貫く難しいこと
以上!!