仰天! 孔明の館!!
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「あっ! させるか!」
受け止めきれなくてもボールを弾くことには成功したので、劉備は兵馬俑が取る前にラインの外へボールを蹴った。しかし右手首を左手で押さえながら顔を歪ます劉備に、信助はその理由がわかって声を上げる。
「劉備さん、さっきのキャッチで腕を痛めたんだ!」
「何っ!?」
「なんだと!?」
「マジか!」
「そんな……!」
まさか負傷しているとは思わなかったので、関羽や張飛だけでなく水鳥や天馬たちも驚いた。このままではムリだと信助は劉備に向かって声を上げる。
「劉備さん! その腕じゃいくらなんでも――」
「まだ左腕がある!」
「どうして…そこまで……」
「わしはやると決めたらやり遂げる!」
信念を曲げない劉備は信助に向かってそう言うと、このままGKを続行するのだった。
〈ヴァー!〉
「うおおおっ! ――グッ!?」
またしても兵馬俑がギアドライブを撃ったので劉備は防ごうとしたが、右手に鋭い痛みが入って思ったより上げられないことに信助は気づく。
「痛みで力が入らないんだ!」
「力が入らずとも盾にはなる!」
なんと劉備は肘を曲げて右腕を前に、左腕をそのうしろに支えにするという十字形にして構えた。
「やらせぬわー!」
シュートを受け止めた劉備はボールを大きく上へ弾いた。ムチャクチャな方法だが、言葉通りゴールを守っている姿に信助は驚いて目を見開く。
「スゴい……!」
「一度決めたことは必ずやり遂げる……どんな困難なことであろうとな」
「それが劉玄徳――兄者は、困っている人たちをたくさん見て来た……」
張飛や関羽は何故、劉備が信念を曲げずに生きているのかを説明する。
「日照り、水害などで民が困ったとき、役人に頼んでも対応が遅く、重い腰を上げたときにはすでに手遅れ……。繰り返されるそんな悲劇を見て、兄者は自分が動こうと決めた。手遅れになる前に人々を救う……そのために国の主になると。そう決めてから兄者は、そのためだけに突き進んで来た。国を治めるには孔明のような人物が必要だと聞けば、何度だって頭を下げに行ける」
「それが兄者だ!」
「だから、俺たちは兄者に命を預けられる!」
「劉備さん……」
劉備の義兄弟として一番近くで彼を見て来た関羽と張飛だからこそ、そう言えるのだろう。信助は二人の言葉と劉備の信念を見てもう先ほどのように軽蔑する眼差しは向けなくなった。
兵馬俑がギアドライブを撃つと、劉備は先ほどのように手を十字形にして受け止めるも力が入らず交代してしまう。さらに右手まで弾かれてしまった。
「うおおぉぉおおお!」
劉備は左手を自らの意思で払うと、顔を前にしてヘディングで大きく上にシュートを弾いた。
「劉備さん!」
「「兄者!」」
「ハァ……ハァ……」
信助と関羽と張飛が声を上げると、片膝を床に着くほど体力を消耗した劉備は息を大きく吸い込み――。
「信助! キーパー交代だ!」
「えっ?」
「自分から!?」
まさか劉備から交代宣言が出ると思わず、信助も水鳥たちも驚いた。それでは劉備自身の主義に反するのではないのかと思ったが、劉備はそれを否定する
「意思を曲げたのではない! 守れる者が守る、それだけだ! わしにも守りたいモノはある。任せたぞ、信助」
「はい!」
劉備からあとを託された信助もユニフォームに着替え、キーパーとしてゴール前に立った。
「信助、頼んだよ!」
「オウッ!」
信助は天馬に向かって返事をすると、ラインの外で葵からアイシングしてもらっている劉備を見る。冷やしてもらっただけでも顔が少し歪んでいるのでダメージは相当なものだろう。
(劉備さんが止めたこの1点……守らなくちゃ!)
そう意気込んだ信助は拳を手の平にぶつけた。腕を痛めてまで守ったゴールを今度は自分が守るのだと心から誓って。
受け止めきれなくてもボールを弾くことには成功したので、劉備は兵馬俑が取る前にラインの外へボールを蹴った。しかし右手首を左手で押さえながら顔を歪ます劉備に、信助はその理由がわかって声を上げる。
「劉備さん、さっきのキャッチで腕を痛めたんだ!」
「何っ!?」
「なんだと!?」
「マジか!」
「そんな……!」
まさか負傷しているとは思わなかったので、関羽や張飛だけでなく水鳥や天馬たちも驚いた。このままではムリだと信助は劉備に向かって声を上げる。
「劉備さん! その腕じゃいくらなんでも――」
「まだ左腕がある!」
「どうして…そこまで……」
「わしはやると決めたらやり遂げる!」
信念を曲げない劉備は信助に向かってそう言うと、このままGKを続行するのだった。
〈ヴァー!〉
「うおおおっ! ――グッ!?」
またしても兵馬俑がギアドライブを撃ったので劉備は防ごうとしたが、右手に鋭い痛みが入って思ったより上げられないことに信助は気づく。
「痛みで力が入らないんだ!」
「力が入らずとも盾にはなる!」
なんと劉備は肘を曲げて右腕を前に、左腕をそのうしろに支えにするという十字形にして構えた。
「やらせぬわー!」
シュートを受け止めた劉備はボールを大きく上へ弾いた。ムチャクチャな方法だが、言葉通りゴールを守っている姿に信助は驚いて目を見開く。
「スゴい……!」
「一度決めたことは必ずやり遂げる……どんな困難なことであろうとな」
「それが劉玄徳――兄者は、困っている人たちをたくさん見て来た……」
張飛や関羽は何故、劉備が信念を曲げずに生きているのかを説明する。
「日照り、水害などで民が困ったとき、役人に頼んでも対応が遅く、重い腰を上げたときにはすでに手遅れ……。繰り返されるそんな悲劇を見て、兄者は自分が動こうと決めた。手遅れになる前に人々を救う……そのために国の主になると。そう決めてから兄者は、そのためだけに突き進んで来た。国を治めるには孔明のような人物が必要だと聞けば、何度だって頭を下げに行ける」
「それが兄者だ!」
「だから、俺たちは兄者に命を預けられる!」
「劉備さん……」
劉備の義兄弟として一番近くで彼を見て来た関羽と張飛だからこそ、そう言えるのだろう。信助は二人の言葉と劉備の信念を見てもう先ほどのように軽蔑する眼差しは向けなくなった。
兵馬俑がギアドライブを撃つと、劉備は先ほどのように手を十字形にして受け止めるも力が入らず交代してしまう。さらに右手まで弾かれてしまった。
「うおおぉぉおおお!」
劉備は左手を自らの意思で払うと、顔を前にしてヘディングで大きく上にシュートを弾いた。
「劉備さん!」
「「兄者!」」
「ハァ……ハァ……」
信助と関羽と張飛が声を上げると、片膝を床に着くほど体力を消耗した劉備は息を大きく吸い込み――。
「信助! キーパー交代だ!」
「えっ?」
「自分から!?」
まさか劉備から交代宣言が出ると思わず、信助も水鳥たちも驚いた。それでは劉備自身の主義に反するのではないのかと思ったが、劉備はそれを否定する
「意思を曲げたのではない! 守れる者が守る、それだけだ! わしにも守りたいモノはある。任せたぞ、信助」
「はい!」
劉備からあとを託された信助もユニフォームに着替え、キーパーとしてゴール前に立った。
「信助、頼んだよ!」
「オウッ!」
信助は天馬に向かって返事をすると、ラインの外で葵からアイシングしてもらっている劉備を見る。冷やしてもらっただけでも顔が少し歪んでいるのでダメージは相当なものだろう。
(劉備さんが止めたこの1点……守らなくちゃ!)
そう意気込んだ信助は拳を手の平にぶつけた。腕を痛めてまで守ったゴールを今度は自分が守るのだと心から誓って。