劉備さんは面白い!
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戦国時代で織田信長の力を神童拓人が手に入れ、引き続き中世フランスでジャンヌ=ダルクの力を霧野蘭丸が手に入れた。
プロトコル・オメガ3.0を倒したとはいえ、まだ現代ではサッカー禁止令が続いているので伸び伸びとサッカーができるのは遠そうだ。自宅で次のアーティファクトの手配をし、中世フランスで得た選手たちのデータをまとめる円堂瑞貴の隣で円堂大介が溜息を吐く。
〈いやはや、霧野の力を見破れないとは、わしもまだまだだな〉
「あのとき蘭丸くんはスランプに陥っていましたからね。マサキくんの機転がなかったらどうなっていたことか」
霧野のおかげでジャンヌは自信がついて歴史に名を語るにふさわしいフランスの救世主となり、霧野もまた化身が使えるようになった。狩屋マサキが彼のスランプに気づいて仮病を使い旅のメンバーに脱退していなかったら、うまくいかなかったかもしれない。
「それにしても、黄名子ちゃんって不思議ですよね」
〈ん?〉
「彼女、蘭丸くんがジャンヌさんとミキシマックスするにふさわしいって試合前から気づいていたんです。最初は勢いよく立候補したのに、真にふさわしいのは誰かとわかって受け止め、そして託すのは難しいことです」
〈そうじゃのう。相手が自分より実力があるからと言い訳して、譲るならまだしもな。あの子はある意味、雷門にとっていい刺激になるかもしれん〉
「はい。それに、彼女の実力は目を見張るものもありますし」
いきなり菜花黄名子が現れてどうなるかと思ったが、オフェンスもディフェンスも実力が高く、さらには持ち前の明るさでチームのムードメーカーになりそうだ。
「さっ、行きましょうか」
〈ウム!〉
関係者以外にバレるとマズいので、大介が巾着に入ったのを確認すると瑞貴はそれを持って家を出た。
――河川敷脇の道路を通っていると、瑞貴はサッカーコートの白線がないのを気づいて足を止めて眉を下げて見下ろす。
「サッカーは何も悪いことしていないのに、どうしてこうなったんだろう……」
「――僕もそう思います」
「!」
独り言のように呟いたのに、まさか聞かれると思っていなかった瑞貴は驚いて顔を上げる。振り向くと、そこにいたのは――なんと新雲学園サッカー部のキャプテン・雨宮太陽だった。
「太陽くん!」
「えっ? 僕のこと知ってるんですか?」
「あっ……」
つい雷門イレブンと過ごしていく内に忘れがちだったが、瑞貴が十年前の姿に戻ってしまったのは雷門イレブンと一部の関係者のみ。それを思い出した瑞貴が戸惑うと、雨宮は不思議に思いつつも苦笑しながら話す。
「驚かせてしまってすみません。あなたが僕の憧れの人の昔の姿に似ていたもので、つい声をかけちゃいました」
「ううん、大丈夫。気にしないで」
「ありがとうございます。それですみませんが、雷門中ってどこにありますか? 道がわからなくて……」
「私もちょうど雷門中に行くところだったから、一緒に行こう」
「いいんですか? ありがとうございます!」
そうして瑞貴は雨宮と共に雷門中へ向かった。道中は誰が聞いているのかわからないので、自分の正体を隠しながら……。
☆☆☆☆☆
「でりゃあ!」
「わああっ!」
時は少しさかのぼり、雷門中の屋内グラウンドで練習をする雷門イレブン。剣城京介のシュートを西園信助が止めようとするが、彼の強力なシュートに弾き飛ばされてばかりだ。
「なんだなんだ、もう終わりか?」
「信助……?」
「っ、もっかいだ!」
松風天馬や一部の雷門イレブンはどこか様子がおかしい信助が気になる。同じFWの影山輝のシュートも倉間典人のシュートも、信助は取れずじまいだ。
ゴールのそばで両腕を組んで指導がてら見ていた三国太一は、その場から動いて両手と両膝を付いて肩で息をする信助の前に立つ。
「どうした、信助? 勢いが足りないぞ。もっと思いっきりジャンプしろ!」
「三国先輩……僕にキーパーが務まるんでしょうか……?」
「?」
「これからも敵はどんどん強くなってくる……。なのに思ったほど強くなれなくて……」
化身アームドが使えるようになったのに、中世フランスでは必殺技すら出す暇もなかった。きっと今のままだとこれからも何度も点を奪われるかもしれない、そう危惧しているのだろう。
「それでもお前は、雷門の守護神だ」
「えっ」
「俺は時期に卒業だ。そうしたら雷門のゴールは、お前が守らなきゃならん。お前の手で、サッカーを守らなきゃいけないんだ」
「でも……」
尚も自信がないという信助に、三国はしゃがんで彼と目線を合わせるようにする。
「まだ時間ある! 失敗してもいい、思いっきりやってみろ! 俺が雷門にいる間はお前のうしろにいてやる」
「三国先輩……!」
信助の瞳にやる気の色が戻ってきた。それを確認した三国もまたその意気だというように頷いた。
「天馬!」
「ん?」
バシュンッ!
名前を呼ばれたので天馬は振り向くと、突如強烈なシュートが襲いかかってきた。天馬は思わずそれを蹴り返すと、相手はそれをジャンプして胸でトラップしつつ着地すると、ボールを足で押さえて止めた。
プロトコル・オメガ3.0を倒したとはいえ、まだ現代ではサッカー禁止令が続いているので伸び伸びとサッカーができるのは遠そうだ。自宅で次のアーティファクトの手配をし、中世フランスで得た選手たちのデータをまとめる円堂瑞貴の隣で円堂大介が溜息を吐く。
〈いやはや、霧野の力を見破れないとは、わしもまだまだだな〉
「あのとき蘭丸くんはスランプに陥っていましたからね。マサキくんの機転がなかったらどうなっていたことか」
霧野のおかげでジャンヌは自信がついて歴史に名を語るにふさわしいフランスの救世主となり、霧野もまた化身が使えるようになった。狩屋マサキが彼のスランプに気づいて仮病を使い旅のメンバーに脱退していなかったら、うまくいかなかったかもしれない。
「それにしても、黄名子ちゃんって不思議ですよね」
〈ん?〉
「彼女、蘭丸くんがジャンヌさんとミキシマックスするにふさわしいって試合前から気づいていたんです。最初は勢いよく立候補したのに、真にふさわしいのは誰かとわかって受け止め、そして託すのは難しいことです」
〈そうじゃのう。相手が自分より実力があるからと言い訳して、譲るならまだしもな。あの子はある意味、雷門にとっていい刺激になるかもしれん〉
「はい。それに、彼女の実力は目を見張るものもありますし」
いきなり菜花黄名子が現れてどうなるかと思ったが、オフェンスもディフェンスも実力が高く、さらには持ち前の明るさでチームのムードメーカーになりそうだ。
「さっ、行きましょうか」
〈ウム!〉
関係者以外にバレるとマズいので、大介が巾着に入ったのを確認すると瑞貴はそれを持って家を出た。
――河川敷脇の道路を通っていると、瑞貴はサッカーコートの白線がないのを気づいて足を止めて眉を下げて見下ろす。
「サッカーは何も悪いことしていないのに、どうしてこうなったんだろう……」
「――僕もそう思います」
「!」
独り言のように呟いたのに、まさか聞かれると思っていなかった瑞貴は驚いて顔を上げる。振り向くと、そこにいたのは――なんと新雲学園サッカー部のキャプテン・雨宮太陽だった。
「太陽くん!」
「えっ? 僕のこと知ってるんですか?」
「あっ……」
つい雷門イレブンと過ごしていく内に忘れがちだったが、瑞貴が十年前の姿に戻ってしまったのは雷門イレブンと一部の関係者のみ。それを思い出した瑞貴が戸惑うと、雨宮は不思議に思いつつも苦笑しながら話す。
「驚かせてしまってすみません。あなたが僕の憧れの人の昔の姿に似ていたもので、つい声をかけちゃいました」
「ううん、大丈夫。気にしないで」
「ありがとうございます。それですみませんが、雷門中ってどこにありますか? 道がわからなくて……」
「私もちょうど雷門中に行くところだったから、一緒に行こう」
「いいんですか? ありがとうございます!」
そうして瑞貴は雨宮と共に雷門中へ向かった。道中は誰が聞いているのかわからないので、自分の正体を隠しながら……。
☆☆☆☆☆
「でりゃあ!」
「わああっ!」
時は少しさかのぼり、雷門中の屋内グラウンドで練習をする雷門イレブン。剣城京介のシュートを西園信助が止めようとするが、彼の強力なシュートに弾き飛ばされてばかりだ。
「なんだなんだ、もう終わりか?」
「信助……?」
「っ、もっかいだ!」
松風天馬や一部の雷門イレブンはどこか様子がおかしい信助が気になる。同じFWの影山輝のシュートも倉間典人のシュートも、信助は取れずじまいだ。
ゴールのそばで両腕を組んで指導がてら見ていた三国太一は、その場から動いて両手と両膝を付いて肩で息をする信助の前に立つ。
「どうした、信助? 勢いが足りないぞ。もっと思いっきりジャンプしろ!」
「三国先輩……僕にキーパーが務まるんでしょうか……?」
「?」
「これからも敵はどんどん強くなってくる……。なのに思ったほど強くなれなくて……」
化身アームドが使えるようになったのに、中世フランスでは必殺技すら出す暇もなかった。きっと今のままだとこれからも何度も点を奪われるかもしれない、そう危惧しているのだろう。
「それでもお前は、雷門の守護神だ」
「えっ」
「俺は時期に卒業だ。そうしたら雷門のゴールは、お前が守らなきゃならん。お前の手で、サッカーを守らなきゃいけないんだ」
「でも……」
尚も自信がないという信助に、三国はしゃがんで彼と目線を合わせるようにする。
「まだ時間ある! 失敗してもいい、思いっきりやってみろ! 俺が雷門にいる間はお前のうしろにいてやる」
「三国先輩……!」
信助の瞳にやる気の色が戻ってきた。それを確認した三国もまたその意気だというように頷いた。
「天馬!」
「ん?」
バシュンッ!
名前を呼ばれたので天馬は振り向くと、突如強烈なシュートが襲いかかってきた。天馬は思わずそれを蹴り返すと、相手はそれをジャンプして胸でトラップしつつ着地すると、ボールを足で押さえて止めた。