誓いはこの旗の元に
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――それからもプロトコル・オメガ3.0がパスを出して雷門イレブンはパスカットするのだが、これも意図的にラインの外へ出していく。かといって雷門イレブンは攻めても来ないのでガンマは再び苛立っていた。
「しつこい連中だ……!」
「これって、疲れていないDFを前に出して、最初から確実にパスカットを狙うんですね……」
「確かにこれは、イライラするわな……」
「あっ……おおっ! そういうことだ!」
「ま、まあ……サッカーには強大な力を覆すためには、時に柔軟な発想が必要ですね」
前半のように大きく動かなくてもガンマたちをイライラさせたので、葵と水鳥は妙な作戦だと苦笑する。しかもその作戦が功を成したのもどうやら偶然のようで、誤魔化すように胸を張るシャルルに瑞貴は彼を見ながら苦笑した。
(でも、もしかしたらこの作戦……蘭丸くんに本来の役割を思い出させてくれるかも)
瑞貴は霧野を見て密かにそう思った。この作戦が吉と出るか凶と出るかわからないが……霧野が自身の本当のポジションはどこか、何をすべきかわかってもらうために。
「この作戦、ちょっとズルくね?」
「と思いま~す……」
「あっ!」
「レイザ!」
浜野と速水もまた苦笑しているとオルガがパスを出したので、すぐさま浜野は前に出てパスカットした。そのボールはラインの外に出る前に霧野の元へ行った。
(チャンスだ……!)
「「「「「!?」」」」」
この妙な作戦のおかげで相手の中央が開いている。攻撃には絶好の機会だと霧野はドリブルを始めたのだ。まさかの勝手な行動に雷門イレブンやシャルルは目を見開く。
「行かせるか! ディフェンスコマンド03!」
【コイルアッパー】
「うわあっ!」
ダーナが放つ強大な電磁力でできた回転に巻き込まれてボールを取り返されてしまい、霧野は固い床に落とされてしまった。そのショックで膝を負傷して立てないでいると、プロトコル・オメガ3.0が怒涛の攻撃をしていくので他の雷門イレブンは守る一方だ。
「そんな……俺のせいで……! グッ…ぐあっ!」
自分のミスで相手に逆転されたので霧野は加勢しようとするが、痛む片膝のせいで立てないでいた。その間にもボールはエイナムの元へ。
「シュートコマンド――」
「はああっ!」
「神童!?」
シュート体勢に入ったエイナムに神童がスライディングしてボールを奪った。まさか彼が割って入るとは思わず霧野は驚く。
「チャンスだと思ったから攻めたんだろう! その判断、俺は信じる! カバーは俺たちに任せろ!」
「!」
そう宣言した神童は、その言葉通りに積極的にボールをプロトコル・オメガ3.0から奪い返そうとしている。
「神童……」
『神童先輩は化身を使えてミキシマックスもできて、化身アームドもできる。差がつき過ぎてしまった……まあ先輩が考えているのは、こんなところですか?』
(狩屋……お前の言う通りだ……。そればかりを気にして…勝手に焦って…その結果がこれだ……! 俺は嫉妬していたんだ……俺よりも上に行く神童に……!)
霧野は拳を強く握り締めると痛む膝を押さえながらも立ち上がった。神童はドリブルするオルガと競り合いをするが、ミキシマックスしたオルガの強さに敵わず弾かれる。
「このお!」
「うわっ!」
「うおおぉぉおおお!」
《おおっと! 霧野が猛然とダッシュ!!》
「――っ、あっ!」
壁の上で耳を塞いでいたジャンヌだったが、霧野の叫びが聞こえたのか耳から手を離すとうしろを振り向いた。そこには、雷門とプロトコル・オメガ3.0がやっている試合が見える。もちろん、オルガのうしろに立って反対側にいる神童と共に挟み打ちする霧野の姿も。
「霧野!」
「俺の役割は、前に出ることじゃない! 神童たちが安心して攻撃できるように、みんなを支えることだ!」
「霧野……!」
「やっとわかったんだ! 俺のやるべきことが!」
ヒュン……!
「今のは!」
「化身!?」
オルガと空中でボールを中心に蹴り合いする際、霧野の背中から出たオーラをフェイも天馬も確かに見えた。
「しつこい連中だ……!」
「これって、疲れていないDFを前に出して、最初から確実にパスカットを狙うんですね……」
「確かにこれは、イライラするわな……」
「あっ……おおっ! そういうことだ!」
「ま、まあ……サッカーには強大な力を覆すためには、時に柔軟な発想が必要ですね」
前半のように大きく動かなくてもガンマたちをイライラさせたので、葵と水鳥は妙な作戦だと苦笑する。しかもその作戦が功を成したのもどうやら偶然のようで、誤魔化すように胸を張るシャルルに瑞貴は彼を見ながら苦笑した。
(でも、もしかしたらこの作戦……蘭丸くんに本来の役割を思い出させてくれるかも)
瑞貴は霧野を見て密かにそう思った。この作戦が吉と出るか凶と出るかわからないが……霧野が自身の本当のポジションはどこか、何をすべきかわかってもらうために。
「この作戦、ちょっとズルくね?」
「と思いま~す……」
「あっ!」
「レイザ!」
浜野と速水もまた苦笑しているとオルガがパスを出したので、すぐさま浜野は前に出てパスカットした。そのボールはラインの外に出る前に霧野の元へ行った。
(チャンスだ……!)
「「「「「!?」」」」」
この妙な作戦のおかげで相手の中央が開いている。攻撃には絶好の機会だと霧野はドリブルを始めたのだ。まさかの勝手な行動に雷門イレブンやシャルルは目を見開く。
「行かせるか! ディフェンスコマンド03!」
【コイルアッパー】
「うわあっ!」
ダーナが放つ強大な電磁力でできた回転に巻き込まれてボールを取り返されてしまい、霧野は固い床に落とされてしまった。そのショックで膝を負傷して立てないでいると、プロトコル・オメガ3.0が怒涛の攻撃をしていくので他の雷門イレブンは守る一方だ。
「そんな……俺のせいで……! グッ…ぐあっ!」
自分のミスで相手に逆転されたので霧野は加勢しようとするが、痛む片膝のせいで立てないでいた。その間にもボールはエイナムの元へ。
「シュートコマンド――」
「はああっ!」
「神童!?」
シュート体勢に入ったエイナムに神童がスライディングしてボールを奪った。まさか彼が割って入るとは思わず霧野は驚く。
「チャンスだと思ったから攻めたんだろう! その判断、俺は信じる! カバーは俺たちに任せろ!」
「!」
そう宣言した神童は、その言葉通りに積極的にボールをプロトコル・オメガ3.0から奪い返そうとしている。
「神童……」
『神童先輩は化身を使えてミキシマックスもできて、化身アームドもできる。差がつき過ぎてしまった……まあ先輩が考えているのは、こんなところですか?』
(狩屋……お前の言う通りだ……。そればかりを気にして…勝手に焦って…その結果がこれだ……! 俺は嫉妬していたんだ……俺よりも上に行く神童に……!)
霧野は拳を強く握り締めると痛む膝を押さえながらも立ち上がった。神童はドリブルするオルガと競り合いをするが、ミキシマックスしたオルガの強さに敵わず弾かれる。
「このお!」
「うわっ!」
「うおおぉぉおおお!」
《おおっと! 霧野が猛然とダッシュ!!》
「――っ、あっ!」
壁の上で耳を塞いでいたジャンヌだったが、霧野の叫びが聞こえたのか耳から手を離すとうしろを振り向いた。そこには、雷門とプロトコル・オメガ3.0がやっている試合が見える。もちろん、オルガのうしろに立って反対側にいる神童と共に挟み打ちする霧野の姿も。
「霧野!」
「俺の役割は、前に出ることじゃない! 神童たちが安心して攻撃できるように、みんなを支えることだ!」
「霧野……!」
「やっとわかったんだ! 俺のやるべきことが!」
ヒュン……!
「今のは!」
「化身!?」
オルガと空中でボールを中心に蹴り合いする際、霧野の背中から出たオーラをフェイも天馬も確かに見えた。