誓いはこの旗の元に
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「隙を突かれるな!」
「っ!」
神童に喝を入れられて霧野は気を引き締めようと走り出した。その間にもダーナはバハムスへパスを回す。
「バハムス!」
「えーい! ――届いた!」
間に精一杯足を伸ばしてジャンプした黄名子が入り、爪先にボールが当たったのでボールはラインの外へと行った。
「ナイスカット! 黄名子!」
「アハッ! ジャンヌさん、見てくれた?」
黄名子は自分たちの試合を見てジャンヌに少しでも勇気が出て欲しいと思ったが、ジャンヌはフィールドを背に向けているのでこちらに気づいていない。
「ダメ……こんなことじゃ……! でも……」
「ジャンヌ……」
頭ではわかっていても体が震えて動かないジャンヌに、一番彼女と過ごしてきた霧野はその気持ちが伝わってきた。
「クオース!」
「天馬!」
レイザがパスを出したとき、今度は霧野が間に入ると天馬へボールを回した。
「お前の動きは読めているんだよ!」
「負けるか!」
まずは同点を取らないといけないので、霧野はダーナが来ても天馬は迎え撃とうと意気込むが――。
「――待てい! ドリブルで戻れ!」
「えっ!?」
「いいから戻るのだ!」
突然シャルルが指示を出したので天馬は困惑して動きを止めると、再度『戻れ』と言うのでとりあえず天馬は従うことにして振り向いて逆方向にドリブルする。その行動にダーナは意味不明だと叫んだ。
「なんなんだお前!?」
「こっちが聞きたいよ……フェイ!」
文句を言われても天馬自身にだってシャルルの意図がわからないので、天馬はフェイにパスを出した。次にボールを受け取ったフェイが走り出す。
(絶対に決める!)
「よーし、戻って来ーい」
「「「「「えっ?」」」」」
(いったい、シャルル王子はどういうつもりなんだ?)
もうすぐエイナムと接触するときに、シャルルはまた戻る指示を出したので瑞貴たちベンチにいる者たちは不思議に思う。それはもちろんフェイも同様で戻りながらも不可解に思っていた。
☆☆☆☆☆
「神よ……我に勇気を……!」
ジャンヌが十字架を握って祈ると、彼女の前にフランス兵士がやってきた。
「我が国は圧される一方だ! このままでは……!」
「もうすぐ援軍が来ます! 神は必ず我らを勝利に導いてくださいます!」
「神の声が聞こえるなら、教えてくれよ! 何故神は我らにこのような試練を与えるのだ!?」
「っ、それは……」
「お前を信じて、よかったのか?」
「!」
そう言った兵士は戦場へと戻って行った。彼とてジャンヌを信じたいのだが、フランス勢が絶望的なこの状況を鑑みると戸惑いと疑惑が出てしまうのだ。
「聞こえたんです……神の声が……。本当に……!」
☆☆☆☆☆
試合は1点差のまま動かない。何故ならシャルルは先ほどからボールを持った選手たちに「行けー!」や「戻れー!」の指示しかしておらず、現在ボールを持つ神童が言われたまま戻って行くのでガンマはイライラしている。
「ふざけてるのか、貴様ら!」
「ハッハッハッハッ! どうだ、名付けて『行ったり来たり作戦』だ!」
「ムチャクチャだろ、これ……」
「相手を怒らせてるだけ……」
「瑞貴さん……この人、本当に大丈夫なんですか?」
「お城で少しやったことがあるから、全然無知ってわけじゃないんだけど……」
ただ指示をするのが楽しいというようにしか見えない、そう思った瀬戸水鳥と山菜茜と空野葵と瑞貴は、シャルルを見ながら目を点にしたり半目になって呆れるのだった。
「っ!」
神童に喝を入れられて霧野は気を引き締めようと走り出した。その間にもダーナはバハムスへパスを回す。
「バハムス!」
「えーい! ――届いた!」
間に精一杯足を伸ばしてジャンプした黄名子が入り、爪先にボールが当たったのでボールはラインの外へと行った。
「ナイスカット! 黄名子!」
「アハッ! ジャンヌさん、見てくれた?」
黄名子は自分たちの試合を見てジャンヌに少しでも勇気が出て欲しいと思ったが、ジャンヌはフィールドを背に向けているのでこちらに気づいていない。
「ダメ……こんなことじゃ……! でも……」
「ジャンヌ……」
頭ではわかっていても体が震えて動かないジャンヌに、一番彼女と過ごしてきた霧野はその気持ちが伝わってきた。
「クオース!」
「天馬!」
レイザがパスを出したとき、今度は霧野が間に入ると天馬へボールを回した。
「お前の動きは読めているんだよ!」
「負けるか!」
まずは同点を取らないといけないので、霧野はダーナが来ても天馬は迎え撃とうと意気込むが――。
「――待てい! ドリブルで戻れ!」
「えっ!?」
「いいから戻るのだ!」
突然シャルルが指示を出したので天馬は困惑して動きを止めると、再度『戻れ』と言うのでとりあえず天馬は従うことにして振り向いて逆方向にドリブルする。その行動にダーナは意味不明だと叫んだ。
「なんなんだお前!?」
「こっちが聞きたいよ……フェイ!」
文句を言われても天馬自身にだってシャルルの意図がわからないので、天馬はフェイにパスを出した。次にボールを受け取ったフェイが走り出す。
(絶対に決める!)
「よーし、戻って来ーい」
「「「「「えっ?」」」」」
(いったい、シャルル王子はどういうつもりなんだ?)
もうすぐエイナムと接触するときに、シャルルはまた戻る指示を出したので瑞貴たちベンチにいる者たちは不思議に思う。それはもちろんフェイも同様で戻りながらも不可解に思っていた。
☆☆☆☆☆
「神よ……我に勇気を……!」
ジャンヌが十字架を握って祈ると、彼女の前にフランス兵士がやってきた。
「我が国は圧される一方だ! このままでは……!」
「もうすぐ援軍が来ます! 神は必ず我らを勝利に導いてくださいます!」
「神の声が聞こえるなら、教えてくれよ! 何故神は我らにこのような試練を与えるのだ!?」
「っ、それは……」
「お前を信じて、よかったのか?」
「!」
そう言った兵士は戦場へと戻って行った。彼とてジャンヌを信じたいのだが、フランス勢が絶望的なこの状況を鑑みると戸惑いと疑惑が出てしまうのだ。
「聞こえたんです……神の声が……。本当に……!」
☆☆☆☆☆
試合は1点差のまま動かない。何故ならシャルルは先ほどからボールを持った選手たちに「行けー!」や「戻れー!」の指示しかしておらず、現在ボールを持つ神童が言われたまま戻って行くのでガンマはイライラしている。
「ふざけてるのか、貴様ら!」
「ハッハッハッハッ! どうだ、名付けて『行ったり来たり作戦』だ!」
「ムチャクチャだろ、これ……」
「相手を怒らせてるだけ……」
「瑞貴さん……この人、本当に大丈夫なんですか?」
「お城で少しやったことがあるから、全然無知ってわけじゃないんだけど……」
ただ指示をするのが楽しいというようにしか見えない、そう思った瀬戸水鳥と山菜茜と空野葵と瑞貴は、シャルルを見ながら目を点にしたり半目になって呆れるのだった。