炎の中のサッカー!
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「お前たちはここで待っていろ」
「えっ」
一人で行くことになってジャンヌは不安そうにこちらに振り向くと、霧野が真剣な表情で前に出る。
「俺も従者として従います!」
「一人だけなら……まあ、よかろう」
「ありがとうございます!」
「ジャンヌさん、ガンバやんね!」
「蘭丸くん、ジャンヌさんのそばにいてあげて」
黄名子と瑞貴がそう言うと、ジャンヌと霧野はそれぞれ頷いて使者と共に城の中へ入って行った。
――謁見の間に通されたジャンヌと霧野だが、玉座の前にイールとジルを始めとする兵士たちが立ち塞がる。
「お前がジャンヌ=ダルクか!」
「ヒイッ!」
「どうなんだ」
「は、はい……」
「騎士顔負けの戦上手と聞いたが、ずいぶん頼りないな」
「…………」
イールの迫力にジャンヌは顔をうつむける。どうやら噂にかなり尾ひれがついているようだ。
「シャルル様に話したいことがあるそうだが?」
「それは……」
ジルが尋ねると、顔を上げたジャンヌは目の前にいる強面の兵士たちに委縮されそうになる。だが、勇気を出して声を上げた。
「お、王太子様でなければお話しできません!」
「無礼な!」
「ヒッ!」
「我らには言えんというのか!」
「落ち着けラ=イール」
「っ……!」
「…………」
震えながらもジャンヌは懸命にシャルルと直接話そうとする。自分が口を挟んだらいけないと霧野は見守っていると、ジルがフッと笑みを浮かべた。
「ではジャンヌ、シャルル様に直接お話しするがいい」
「あ、ありがとうございます!」
イールとジルと兵士たちが両脇に下がったので、ジャンヌは笑顔でお礼を言うと霧野と共に奥へと進む。……そのときイールとジルが意味ありげに笑っていたとは知らずに。
ジャンヌと霧野が玉座の前に跪いて顔を下げていると、一人の男が現れて玉座に座り頬杖をつく気配がした。
「余がシャルルである。顔を上げよ」
「……えっ?」
言われた通り顔を上げたジャンヌたちの前には、高級な服を着ている男・シャルルがいたのだが、ジャンヌは違和感があった。
「王太子様にご挨拶せぬか!」
「でも……」
またしてもイールが声を荒げると、ジャンヌは戸惑って思わず霧野を見た。ジャンヌが何か感じたのだと気づいた霧野は一度頷く。
「思っていることを言うんだ」
「…………!」
霧野の言葉に頷いたジャンヌは立ち上がり、シャルルではなくイールたちに顔を向ける。
「このお方はシャルル様ではありません!」
「!」
「なんと!」
「ホォ」
まさかそう言うと思っていなかった霧野は驚いたが、イールとジルは別の意味で驚かされていた。二人がそんなことを思っているとは露知らず、ジャンヌはこの場にいる一人一人の顔を見ていく。
「違う……違う……シャルル様はどちらに!?」
☆☆☆☆☆
中庭に残っている瑞貴やフェイたちは、謁見の間にいるジャンヌのことが気がかりだった。
「ジャンヌさん、大丈夫かな?」
「シャルル王子は疑り深い人だったって言いますし……」
「疑り深い?」
「フランスの貴族にも、敵が大勢いたらしい」
「ジャンヌさん、うまくやれるといいやんね!」
剣城はシャルルがジャンヌと霧野に何かするのではないかと思ったが、黄名子はジャンヌなら大丈夫だと信じる声を上げる。
すると天馬は荷物の中からボールを取り出した。
「待ってる間、サッカーしようよ! 俺たちが逃げてたら、ジャンヌだってがんばれない! 瑞貴さんも久々に一緒にやりましょう!」
「フフッ、そうね。ただ待っているのも退屈だし」
「よーし! いくぞ!」
さっそく天馬が蹴り上げると、黄名子がそれを追って走り出した。
「いきなりやんね! っ、動きにく!」
「いいトレーニングになるかもな!」
「まるで一種のギプスだね。よっ!」
黄名子がヘディングでボールを上げると、次に剣城が蹴り、さらに瑞貴がボールを上げて剣城に返した。
「えっ」
一人で行くことになってジャンヌは不安そうにこちらに振り向くと、霧野が真剣な表情で前に出る。
「俺も従者として従います!」
「一人だけなら……まあ、よかろう」
「ありがとうございます!」
「ジャンヌさん、ガンバやんね!」
「蘭丸くん、ジャンヌさんのそばにいてあげて」
黄名子と瑞貴がそう言うと、ジャンヌと霧野はそれぞれ頷いて使者と共に城の中へ入って行った。
――謁見の間に通されたジャンヌと霧野だが、玉座の前にイールとジルを始めとする兵士たちが立ち塞がる。
「お前がジャンヌ=ダルクか!」
「ヒイッ!」
「どうなんだ」
「は、はい……」
「騎士顔負けの戦上手と聞いたが、ずいぶん頼りないな」
「…………」
イールの迫力にジャンヌは顔をうつむける。どうやら噂にかなり尾ひれがついているようだ。
「シャルル様に話したいことがあるそうだが?」
「それは……」
ジルが尋ねると、顔を上げたジャンヌは目の前にいる強面の兵士たちに委縮されそうになる。だが、勇気を出して声を上げた。
「お、王太子様でなければお話しできません!」
「無礼な!」
「ヒッ!」
「我らには言えんというのか!」
「落ち着けラ=イール」
「っ……!」
「…………」
震えながらもジャンヌは懸命にシャルルと直接話そうとする。自分が口を挟んだらいけないと霧野は見守っていると、ジルがフッと笑みを浮かべた。
「ではジャンヌ、シャルル様に直接お話しするがいい」
「あ、ありがとうございます!」
イールとジルと兵士たちが両脇に下がったので、ジャンヌは笑顔でお礼を言うと霧野と共に奥へと進む。……そのときイールとジルが意味ありげに笑っていたとは知らずに。
ジャンヌと霧野が玉座の前に跪いて顔を下げていると、一人の男が現れて玉座に座り頬杖をつく気配がした。
「余がシャルルである。顔を上げよ」
「……えっ?」
言われた通り顔を上げたジャンヌたちの前には、高級な服を着ている男・シャルルがいたのだが、ジャンヌは違和感があった。
「王太子様にご挨拶せぬか!」
「でも……」
またしてもイールが声を荒げると、ジャンヌは戸惑って思わず霧野を見た。ジャンヌが何か感じたのだと気づいた霧野は一度頷く。
「思っていることを言うんだ」
「…………!」
霧野の言葉に頷いたジャンヌは立ち上がり、シャルルではなくイールたちに顔を向ける。
「このお方はシャルル様ではありません!」
「!」
「なんと!」
「ホォ」
まさかそう言うと思っていなかった霧野は驚いたが、イールとジルは別の意味で驚かされていた。二人がそんなことを思っているとは露知らず、ジャンヌはこの場にいる一人一人の顔を見ていく。
「違う……違う……シャルル様はどちらに!?」
☆☆☆☆☆
中庭に残っている瑞貴やフェイたちは、謁見の間にいるジャンヌのことが気がかりだった。
「ジャンヌさん、大丈夫かな?」
「シャルル王子は疑り深い人だったって言いますし……」
「疑り深い?」
「フランスの貴族にも、敵が大勢いたらしい」
「ジャンヌさん、うまくやれるといいやんね!」
剣城はシャルルがジャンヌと霧野に何かするのではないかと思ったが、黄名子はジャンヌなら大丈夫だと信じる声を上げる。
すると天馬は荷物の中からボールを取り出した。
「待ってる間、サッカーしようよ! 俺たちが逃げてたら、ジャンヌだってがんばれない! 瑞貴さんも久々に一緒にやりましょう!」
「フフッ、そうね。ただ待っているのも退屈だし」
「よーし! いくぞ!」
さっそく天馬が蹴り上げると、黄名子がそれを追って走り出した。
「いきなりやんね! っ、動きにく!」
「いいトレーニングになるかもな!」
「まるで一種のギプスだね。よっ!」
黄名子がヘディングでボールを上げると、次に剣城が蹴り、さらに瑞貴がボールを上げて剣城に返した。