鎧の少女
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
〈彼女はわしらの知っとるジャンヌとは違うぞ〉
「「えっ!?」」
〈まだ力が目覚めておらんのだ〉
「信長のときとは逆ということですか?」
〈そういうことになるな〉
戦国時代では神童の器の大きさが足りなかったが、今度はジャンヌが黄名子に入るほどオーラを持っていないということだろう。このままではミキシマックスができない。
するとジャンヌの足元にボールが転がって来た。それに気づいたジャンヌが顔を向けると黄名子が問いかける。
「サッカー、気に入った?」
「あの……。面白そうなんですけど、まだよくわからなくて……」
「う~ん、わかりやすく言うと……――サッカーは『戦い』やんね!」
「た、戦い?」
「うん! ボールを奪われないように動くの。それで、みんなが一つになって守ったり攻めたりするやんね!」
「みんなが一つに……」
何かを思うようにボールを見つめたジャンヌは顔を上げると、今度はジャンヌが黄名子に問いかける。
「どうすればみんなが一つになれるのですか?」
「そやね、いろいろあるけど……まずはパスの交換かな?」
「パス?」
「やってみる?」
「あっ! は、はい!」
実際にやってみたほうがいいと黄名子が提案したので、ジャンヌはボールを蹴り合う簡単なパス回しにチャレンジしてみた。
「もう一度行くね!」
「アワワワ……! えいっ! あっ、ダメ!」
「ううん、平気平気! よっ!」
ジャンヌが思わず強くボールを跳ねるように蹴ってしまったが、黄名子がそれをフォローするように少し下がって胸で受け止めるようにトラップした。
「やったやんね!」
「できた……! できました!」
「じゃあ今度はちょい強めいくやんねー! えいっ!」
楽しそうにパス回しをするジャンヌと黄名子をしばらく眺めていた神童は、隣にいる霧野に顔を向けて話しかける。
「今回はお前が一緒だ。心強いよ」
「っ、そうか……」
「あー!」
「!」
霧野が気まずそうに顔を逸らしているとジャンヌが声を上げたのが聞こえた。見れば蹴り損ねたのかボールが転がって来たので、霧野はそれを拾い上げるとジャンヌが駆け寄る。
「ごめんなさい!」
「はい」
「あ、ありがとう……」
「どう? 面白い?」
「えっ! あっ、面白いです。何故か相手の気持ちが伝わって来る気がします。ボールには心を繋ぐ見えない糸で繋がっているのかもしれませんね」
「フフッ」
「これが、サッカーなんですね」
心から楽しそうにサッカーをするジャンヌにつられたのか、霧野もまた笑顔を浮かべた。
そんな彼らを見つつ、先ほどの練習データをまとめていた瑞貴はふと思うことがある。
(拓人くんは本当に蘭丸くんが一緒で嬉しいと思っているけど、蘭丸くんは拓人くんに嫉妬していたことでうしろめたさを感じている……。もしジャンヌさんとミキシマックスできるのが黄名子ちゃんじゃなく、蘭丸くんだったら少し自信がつくかもしれないのに……)
もちろん黄名子のDFとしての能力は充分ある。だけどこのままでは霧野は本来の実力を発揮することができない恐れがあるのだ。
ジャンヌはひと通りサッカーを楽しんだあと、見張りの兵士たちに雷門メンバーの解放をお願いした。
「もう見張る必要はありません」
「「!」」
「この人たちを自由にしてください」
「えっ!?」
「よいのか!?」
「ええ。私が思うにですね、敵のスパイではありません」
「何故だ! どうして断言できる!?」
「ここへ来る途中見たんです。空に不思議な光が輝くのを」
それはジャンヌが天馬や瑞貴たちと出会う前、フランスを守ってほしいと神に祈ったとき見えた光だ。
「そしてこの人たちが現れた……。もしかすると、これは神が遣わされた救いの手なのかもしれませんし」
「こいつらが……?」
「それが神のご意思なら、彼らは私と一緒に行く運命のはず」
スパイじゃないと説得してくれるのはいいが、『救いの手』だという大きな話になったので、神童と霧野はさすがにマズいと思った。
「「えっ!?」」
〈まだ力が目覚めておらんのだ〉
「信長のときとは逆ということですか?」
〈そういうことになるな〉
戦国時代では神童の器の大きさが足りなかったが、今度はジャンヌが黄名子に入るほどオーラを持っていないということだろう。このままではミキシマックスができない。
するとジャンヌの足元にボールが転がって来た。それに気づいたジャンヌが顔を向けると黄名子が問いかける。
「サッカー、気に入った?」
「あの……。面白そうなんですけど、まだよくわからなくて……」
「う~ん、わかりやすく言うと……――サッカーは『戦い』やんね!」
「た、戦い?」
「うん! ボールを奪われないように動くの。それで、みんなが一つになって守ったり攻めたりするやんね!」
「みんなが一つに……」
何かを思うようにボールを見つめたジャンヌは顔を上げると、今度はジャンヌが黄名子に問いかける。
「どうすればみんなが一つになれるのですか?」
「そやね、いろいろあるけど……まずはパスの交換かな?」
「パス?」
「やってみる?」
「あっ! は、はい!」
実際にやってみたほうがいいと黄名子が提案したので、ジャンヌはボールを蹴り合う簡単なパス回しにチャレンジしてみた。
「もう一度行くね!」
「アワワワ……! えいっ! あっ、ダメ!」
「ううん、平気平気! よっ!」
ジャンヌが思わず強くボールを跳ねるように蹴ってしまったが、黄名子がそれをフォローするように少し下がって胸で受け止めるようにトラップした。
「やったやんね!」
「できた……! できました!」
「じゃあ今度はちょい強めいくやんねー! えいっ!」
楽しそうにパス回しをするジャンヌと黄名子をしばらく眺めていた神童は、隣にいる霧野に顔を向けて話しかける。
「今回はお前が一緒だ。心強いよ」
「っ、そうか……」
「あー!」
「!」
霧野が気まずそうに顔を逸らしているとジャンヌが声を上げたのが聞こえた。見れば蹴り損ねたのかボールが転がって来たので、霧野はそれを拾い上げるとジャンヌが駆け寄る。
「ごめんなさい!」
「はい」
「あ、ありがとう……」
「どう? 面白い?」
「えっ! あっ、面白いです。何故か相手の気持ちが伝わって来る気がします。ボールには心を繋ぐ見えない糸で繋がっているのかもしれませんね」
「フフッ」
「これが、サッカーなんですね」
心から楽しそうにサッカーをするジャンヌにつられたのか、霧野もまた笑顔を浮かべた。
そんな彼らを見つつ、先ほどの練習データをまとめていた瑞貴はふと思うことがある。
(拓人くんは本当に蘭丸くんが一緒で嬉しいと思っているけど、蘭丸くんは拓人くんに嫉妬していたことでうしろめたさを感じている……。もしジャンヌさんとミキシマックスできるのが黄名子ちゃんじゃなく、蘭丸くんだったら少し自信がつくかもしれないのに……)
もちろん黄名子のDFとしての能力は充分ある。だけどこのままでは霧野は本来の実力を発揮することができない恐れがあるのだ。
ジャンヌはひと通りサッカーを楽しんだあと、見張りの兵士たちに雷門メンバーの解放をお願いした。
「もう見張る必要はありません」
「「!」」
「この人たちを自由にしてください」
「えっ!?」
「よいのか!?」
「ええ。私が思うにですね、敵のスパイではありません」
「何故だ! どうして断言できる!?」
「ここへ来る途中見たんです。空に不思議な光が輝くのを」
それはジャンヌが天馬や瑞貴たちと出会う前、フランスを守ってほしいと神に祈ったとき見えた光だ。
「そしてこの人たちが現れた……。もしかすると、これは神が遣わされた救いの手なのかもしれませんし」
「こいつらが……?」
「それが神のご意思なら、彼らは私と一緒に行く運命のはず」
スパイじゃないと説得してくれるのはいいが、『救いの手』だという大きな話になったので、神童と霧野はさすがにマズいと思った。