みんなが帰ってきた!
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ガ――……。
「そのようだな。奴らはまだあきらめていない」
「豪炎寺さん!」
扉から現れたのは、大きな包みを持った豪炎寺だった。天馬たちは椅子から立ち上がって彼の前に集まる。
「エルドラドはサッカー禁止令だけではなく、徹底的にサッカーを排除しようと動いている。根強いサッカー好きの中には隠れてプレーしている者もいる。このところそんな者たちが次々に襲われているんだ」
「そのやり方は、まさにあいつらの!」
「ああ。間違いない」
「あいつらはこの時代からサッカーの存在を完全に消そうとしているんだ。急がなきゃ!」
天馬も剣城もフェイも、倉間たちのようにサッカー好きの者たちが襲われていると聞いて黙ってはいられなかった。そのためにも一刻も早く時空最強イレブンを集める必要がある。
〈豪炎寺。頼んどいたモノは手に入れてくれたか?〉
「はい。――ジャンヌ=ダルクのアーティファクト・勇気の兜です」
「えっ! 豪炎寺さんに頼んだんですか!?」
〈ウム。瑞貴に連絡を取るよう頼んでな〉
「修也がタイムブレスレットで私たちの様子を見てくれたから、大介さんの状態やアーティファクトの説明をする手間が省けたよ」
豪炎寺が包みから取り出した西洋の兜の前に、天馬たちは興味津々というように集まった。
「神童、被ってみるぜよ!」
「いや、いいよ……」
「信長だったら兜くらい被るじゃろ!」
「兜は兜でも、違うだろ」
「被ったとこ見たいかも……!」
錦や神童や茜を中心に、遊び半分で兜について話していた。しかしいつもなら同じ輪に入るはずの霧野は、輪の外にいてその様子を見ている。
「どうしたんですか? 霧野先輩」
「いや、別に……」
「まだ気にしてんスか? ――神童先輩のこと」
「っ! ……俺は神童なんて気にしてない!」
狩屋の言葉は霧野の図星を指されたのか、霧野は目を見開くと顔を逸らした。それに気にせず、狩屋は両手を後頭部に組んで言う。
「先輩はわかりやすいっスね~」
「何!?」
「霧野先輩もジェラシーとか感じちゃうんだ」
「なっ!?」
「そっか~」
「ジェラシー? 俺がか?」
「神童先輩は化身を使えてミキシマックスもできて、化身アームドもできる。差がつき過ぎてしまった……まあ先輩が考えているのは、こんなところですか?」
「違う! 変な詮索はやめろ!」
〈――では、今回のタイムジャンプに付き合ってもらうメンバーを伝える!〉
「「!」」
大介からメンバー発表の合図が出され、大事なことなので霧野も狩屋も同時に顔を向ける。
〈これは瑞貴とマネージャーを除く選手枠だ。松風、神童、剣城、フェイ、西園、錦、狩屋、浜野、影山、速水、そして菜花、以上だ!〉
「!」
「よーし! ウチがんばるやんね!」
喜ぶ黄名子とは反対に、メンバーとして名前を呼ばれなかった霧野はショックを受けて目を見開いた。
〈ではタイムジャンプは一時間後に行う。それぞれ持って行くモノを準備しといてくれ。おやつは300円までだぞ!〉
「ギャグ古っ!」
「300円はキツいかも……」
「確かに悩みます……」
「おい! お前ら!」
おやつが300円までという大介の言葉に、ツッコむ水鳥とは反対に茜と黄名子は真剣に悩んでいた。それに葵が苦笑して水鳥が再びツッコミを入れていると――。
「待ってください! 俺も連れてってください!」
「「!」」
「霧野?」
なんと声を上げたのは霧野だった。いつもと違って声を荒げる姿に天馬も剣城だけじゃなく、幼馴染の神童も不思議そうに大介に詰め寄る彼を見やる。