剣城の秘密
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「忘れるな。フィフスセクターの指示は0対1……雷門の負けだ」
「サッカーに嘘はつかない、そう決めたんだ」
倉間に言われたときは戸惑っていた天馬も、今は完全に迷うことなく剣城に向かってそう言った。しかし車田たちは感化されるどころか信じられない気持ちでいる。
「っ! 三国も神童も、俺たちの気持ちわかってんだろうが!」
「ずっと耐えてきたんだド……。中学最後の今年も、今までのサッカー続けるド……」
「ですよね。二人はどうするつもりだよ?」
「も、もちろん! 初めからフィフスセクターに逆らう気なんてありませんよ……」
「まっ、俺は今まで通りでいっかな~」
天城は耐えてきた二年間をムダにしたくないようだ。倉間も賛同し、速水はフィフスセクターが恐ろしく、浜野は成り行きに任せるようなことを言った。
ピッチに入って屈伸する天馬の隣に、倉間が立ったことに気づいて顔を上げる。
「お前が勝とうとしたら俺が止める。俺は、俺のサッカーを守る」
「倉間先輩……」
倉間は完全に天馬たちの敵になる発言をして去って行った。その姿を眉を下げて見つめる天馬のそばに信助と神童が寄る。
「天馬……」
「やるしかない」
「「はい!」」
倉間たちが自分のサッカーを守りたいなら、自分たちは自分たちのサッカーを解き放とうと決めた。
その一方で、剣城の前に万能坂中サッカー部のキャプテン・磯崎研磨が話しかけてきた。
「久しぶりだな、剣城。フィフスセクターの指示はわかってるんだろうな?」
「……当然だ」
「フッ、よろしく頼むぜ」
「あいつもシードか……」
二人の会話は近くにいた神童にも聞こえており、その関係性もわかった。その間に両チームがポジションに着いて向かい合う。
《キャプテン・磯崎を中心とした攻撃サッカーで大量得点を挙げ一回戦を突破してきた万能坂は、昨年全国準優勝の雷門中にどう挑むのでしょうか!?》
(倉間たちの攻撃参加は期待できない……。だが、それ以上に危険なのは剣城だ。何をしてくるか……!)
(あいつにだけはボールを渡すわけにはいかない!)
神童も霧野も剣城に対して警戒心を高めていた。フィフスセクターの命令で試合に参加するのなら、自分たちを潰す可能性だってある。
キックオフは万能坂中から。磯崎からボールを受け取った白都聖士郎はドリブルで上がって行くが――。
「フッ」
「なっ!?」
「「「「「「!?」」」」」
横を通り過ぎた途端、剣城は一回転するだけでボールを奪っていた。あっという間のできごとに白都は驚いたが、一番驚いたのは雷門中サッカー部だ。磯崎は剣城にタックルをかましながら小声で話す。
「どういうつもりだ……!?」
「ふっ!」
競り合いを避けて剣城はうしろにボールを回した。しかしそのボールはパスというよりシュートで、次々とみんなの間を通り過ぎ、三国が取ろうと飛び出すも――ゴールに入ってしまった。
《ゴ、ゴォ――ルッ!! なんと先制点はオウンゴール! 雷門、痛恨の失点だー!》
「やっぱり、確実に決めてきたね……」
「だな……」
瑞貴と円堂は自分たちの予想が当たったと思った。GKの三国はフィフスセクターと戦うために本気で止めにいく。相手の実力は未知数だが、勝敗指示を確実にするために剣城はオウンゴールで相手に点を取らせた。
「脅かしっこナシだぜ……」
一瞬何事かと思ったが杞憂に終わったと磯崎は両腕を組んで笑った。剣城はそのまま天馬と神童のそばに来て告げる。
「俺が雷門を潰す!」
万能坂中とチーム内にいる剣城、そしてフィフスセクターに従うと決めた車田たち……これは本気のサッカーをする天馬たちにとって、厳しい戦いになると間違いなかった。
☆コーチの 今日の格言☆
勝ちたい思いと努力した分だけ、成長となって応えてくれる。
以上!!
「サッカーに嘘はつかない、そう決めたんだ」
倉間に言われたときは戸惑っていた天馬も、今は完全に迷うことなく剣城に向かってそう言った。しかし車田たちは感化されるどころか信じられない気持ちでいる。
「っ! 三国も神童も、俺たちの気持ちわかってんだろうが!」
「ずっと耐えてきたんだド……。中学最後の今年も、今までのサッカー続けるド……」
「ですよね。二人はどうするつもりだよ?」
「も、もちろん! 初めからフィフスセクターに逆らう気なんてありませんよ……」
「まっ、俺は今まで通りでいっかな~」
天城は耐えてきた二年間をムダにしたくないようだ。倉間も賛同し、速水はフィフスセクターが恐ろしく、浜野は成り行きに任せるようなことを言った。
ピッチに入って屈伸する天馬の隣に、倉間が立ったことに気づいて顔を上げる。
「お前が勝とうとしたら俺が止める。俺は、俺のサッカーを守る」
「倉間先輩……」
倉間は完全に天馬たちの敵になる発言をして去って行った。その姿を眉を下げて見つめる天馬のそばに信助と神童が寄る。
「天馬……」
「やるしかない」
「「はい!」」
倉間たちが自分のサッカーを守りたいなら、自分たちは自分たちのサッカーを解き放とうと決めた。
その一方で、剣城の前に万能坂中サッカー部のキャプテン・磯崎研磨が話しかけてきた。
「久しぶりだな、剣城。フィフスセクターの指示はわかってるんだろうな?」
「……当然だ」
「フッ、よろしく頼むぜ」
「あいつもシードか……」
二人の会話は近くにいた神童にも聞こえており、その関係性もわかった。その間に両チームがポジションに着いて向かい合う。
《キャプテン・磯崎を中心とした攻撃サッカーで大量得点を挙げ一回戦を突破してきた万能坂は、昨年全国準優勝の雷門中にどう挑むのでしょうか!?》
(倉間たちの攻撃参加は期待できない……。だが、それ以上に危険なのは剣城だ。何をしてくるか……!)
(あいつにだけはボールを渡すわけにはいかない!)
神童も霧野も剣城に対して警戒心を高めていた。フィフスセクターの命令で試合に参加するのなら、自分たちを潰す可能性だってある。
キックオフは万能坂中から。磯崎からボールを受け取った白都聖士郎はドリブルで上がって行くが――。
「フッ」
「なっ!?」
「「「「「「!?」」」」」
横を通り過ぎた途端、剣城は一回転するだけでボールを奪っていた。あっという間のできごとに白都は驚いたが、一番驚いたのは雷門中サッカー部だ。磯崎は剣城にタックルをかましながら小声で話す。
「どういうつもりだ……!?」
「ふっ!」
競り合いを避けて剣城はうしろにボールを回した。しかしそのボールはパスというよりシュートで、次々とみんなの間を通り過ぎ、三国が取ろうと飛び出すも――ゴールに入ってしまった。
《ゴ、ゴォ――ルッ!! なんと先制点はオウンゴール! 雷門、痛恨の失点だー!》
「やっぱり、確実に決めてきたね……」
「だな……」
瑞貴と円堂は自分たちの予想が当たったと思った。GKの三国はフィフスセクターと戦うために本気で止めにいく。相手の実力は未知数だが、勝敗指示を確実にするために剣城はオウンゴールで相手に点を取らせた。
「脅かしっこナシだぜ……」
一瞬何事かと思ったが杞憂に終わったと磯崎は両腕を組んで笑った。剣城はそのまま天馬と神童のそばに来て告げる。
「俺が雷門を潰す!」
万能坂中とチーム内にいる剣城、そしてフィフスセクターに従うと決めた車田たち……これは本気のサッカーをする天馬たちにとって、厳しい戦いになると間違いなかった。
☆コーチの 今日の格言☆
勝ちたい思いと努力した分だけ、成長となって応えてくれる。
以上!!