みんなが帰ってきた!
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ガ――……。
「あー!」
「えっ?」
「キャプテン! お帰りなさーい!」
天馬のうしろの扉が開いて元気な声が聞こえた。現れたのは茶髪の長い髪に黄色のカチューシャを着け、雷門中サッカー部のユニフォームを着た少女だ。次いで少女は瑞貴を見つけると、勢いよく抱きつく。
「みぎゃ!?」
「瑞貴さんもお帰りなさい! 怪我はない? 変なことされなかったやんね?」
「変なことって……」
抱きついたあと体を離し、真剣な顔で自分の周りをクルクル回って確認する少女に瑞貴は苦笑した。
「誰だ?」
「さあ……」
天馬や瑞貴を知っている様子の少女だが、神童と剣城たちは全然わからないので戸惑うばかりだ。
そんなことを考えているとは露知らず、少女は左手を腰に当てて右手を敬礼すると少し横に曲げて元気よく挨拶する。
「サッカー部のみなさん、ちぃーっす!」
「あっ、どうも……。ところで君、誰だっけ?」
「誰って……えー!? キャプテン、そんな冗談やめてよー! ウチ、エースストライカーやんね!」
「エース…ストライカー?」
つられて敬礼した天馬がそう訊くと、少女は訳がわからないというように天馬に訴えた。しかしこの部の現役エースストライカーは剣城なので本人はいつの間にそうなったのかと神童と顔を見合わせる。
「って、それ、雷門のユニフォームだよね? 新しいマネージャー希望とかですか?」
「そうなのか?」
「アハッ! 天馬キャプテン、それ面白いギャグやんね! ウフフフッ」
天馬や水鳥がそう訊くも、少女は何を言っているのかというように笑いながら天馬を指差す。そして浜野は少女と同じポーズを取って同意した。
「ちゅーかキャ~プテン。いくらタイムトラベルしたからって、うちの部員忘れてんの?」
「そうですよ~。ほら!」
「えっ……」
「「えー!」」
「「!」」
少女は背を向けて長い髪を掻き分けて見せると、背番号は剣城と同じでエースナンバーを示す10番だった。これには天馬も信助も、そして神童も剣城も驚きを隠せない。
「あっ、この間剣城にストライカー対決で勝たせてもらったので、現時点ウチがエースっていうことにさせてもらってるやんね! ちなみに瑞貴さんにしっかり立ち会いさせてもらったやんね!」
「えっ!?」
少女の言葉に天馬たちタイムジャンプ組は顔を向けると、ただでさえ心当たりがなく驚いていた瑞貴は首を思いっきり横に振った。
「また、タイムパラドックスが起こってる……」
「ウム……」
タイムジャンプ組と現代の雷門中サッカー部の記憶が違うため、フェイとワンダバは少女がタイムパラドックスでできた存在だと思った。
「そ、そうなの? ところでその……君、名前なんだっけ?」
「しゃーないなぁ……じゃあ改めて自己紹介するね! 菜花黄名子です! よろしく!」
元気よくポーズを取って自己紹介してもらったものの、やはり天馬たちには心当たりがなかった。
「あ~、でもやっぱりエースナンバーはマズかったか。じゃあすぐに脱ぎまーす!」
「「「「わー!」」」」
大胆にもその場でユニフォームを脱ごうとした少女――菜花黄名子に、瑞貴とマネージャー組は慌てて彼女を囲んで見えないようにし、天馬と信助たちは背を向けた。
「そ、それじゃあ練習しましょう!」
「神童先輩がスゴいミキシマックスをできたんですよ!」
「それは楽しみだな!」
天馬と信助を始め車田たちがロッカールームから出ていくと、瑞貴もまたそれに続こうと足を進めたが……。
〈おい、瑞貴〉
「はい?」
円堂大介の声が聞こえたので瑞貴はポケットから小さな巾着を取り出すと、そこからクロノストーンの大介が現れた。
〈ちょっと豪炎寺と連絡は取れるか?〉
「修也にですか?」
〈ウム。次のアーティファクトの手配を頼みたい〉