夢の天下
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「聞いてくれ! わし、昨日のサッカーの試合の采配が認められ、信長様に仕えることが決まったんじゃ!」
「そうなんですか!? おめでとうございます!」
「これで、藤吉郎さんの夢が叶いましたね!」
「ああ! わしは信長様が必ず天下を取れるよう、精一杯お仕えするつもりじゃ!」
長年の夢が叶って嬉しそうな藤吉郎につられ、瑞貴も葵も笑顔で藤吉郎を祝福した。
「それで瑞貴、お前わしと一緒に信長様の元に行かんか?」
「えっ?」
「「「「「ええっ!?」」」」」
突然の誘いに瑞貴は目をパチクリし、天馬や太助たちは全員驚きの声を上げた。しかし藤吉郎は気にせず瑞貴に話しかける。
「この数日でサッカーの采配ができるようになったのは、お前の手助けがあったからじゃ。きっとわしらはいい相棒になる! その力を信長様の元で役立ててみぬか!?」
様子からして藤吉郎は本気で瑞貴を誘おうとしているのだろう。女の瑞貴は表立って活躍できないだろうが、信長も自分を覚えているし、本当に藤吉郎と信長の支えになれるかもしれない。――だけど瑞貴の答えは決まっている。
「お誘いはとても嬉しいんですが、私は天馬たちと一緒にサッカーととても大切な人を取り戻したいんです」
「それって、昨日話していた『円堂』とか言う奴か?」
「はい。彼は私にとって唯一無二の相棒なんです」
「そうか……それは残念じゃ。お前はお前で、天馬たちの力になってくれ!」
「はい!」
瑞貴は藤吉郎の言葉に力強く頷いて答えた。
――地蔵堂から少し離れた場所にある枝垂れ桜の下で、お勝と神童が最後の挨拶をしている。
「もう、会えないんですね……」
「俺は、この時代の人間じゃないからな」
「はい……――想いが決して届かぬこともわかっていました」
「っ、ごめん……」
薄々どこかでわかっていただろうが、桜を触れながら告げるお勝に神童は目を見開くと少し気まずそうに目を逸らした。
「受け取ってください」
「じゃあ、行きます」
お勝が差し出したのは桃色の包みの弁当箱だ。神童はそれを受け取り、お勝に背を向ける。
「私も!」
「!」
「……なんでもありません」
お勝が何を言おうとしたのかお勝自身にしかわからないだろう。そしてそれは神童を困らせるとわかっているので敢えて続きを言わない。だが、神童はお勝にもう一度向き合って告げる。
「お勝さん。俺、きっと取り返して見せるよ。失ってはならない、大切なモノを」
「はい!」
この時代に残せるモノは確かな約束。その言葉を神童もお勝もお互い忘れないだろう。
――そしてキャラバンに全員乗り、藤吉郎やお勝や太助たちに見送られながら天馬や瑞貴たちはタイムジャンプした。
タイムトンネルを通りながら、信助や剣城や水鳥や瑞貴たちは信長の配下となったこれからの藤吉郎について話している。
「それにしても、あの藤吉郎さんが信長様の後を継いで天下人になるなんて」
「豊臣秀吉か……」
「人は見かけによらないっつーか、見かけによるっつーか」
「心から敬愛する人の役に立とうとする心は、思いもしない力を呼び起こすこともある。だから藤吉郎さんはサッカーの采配もあそこまでできたんだし、この先天下人にふさわしい人になれるよ」
「でも、安心したよ」
「ん?」
天馬の呟きふと不思議に思ったみんなは、彼の言葉に耳を傾ける。
「俺、思ったんだ。戦国時代の人にもサッカーの楽しさが伝わったんだもん。サッカーは消えたりしないって!」
「そうだね!」
「天馬はいいこと言うぜよ!」
天馬の言葉に信助や錦がその通りだと同意する中、神童はお勝からもらった弁当箱のフタを開ける。そこには豆腐が一丁入っていた。
『真っ白なお豆腐を食べると、心も真っ白になって元気が出るんです!』
「っ、お勝さん……!」
神童はお勝のことを想いながら涙を流す。その豆腐の上に、包みに付いていた桜の花びらが一つ落ちた。
☆コーチの 今日の格言☆
心から敬愛する人の役に立とうとする心は、思いもしない力を呼び起こすこともある。
以上!!
「そうなんですか!? おめでとうございます!」
「これで、藤吉郎さんの夢が叶いましたね!」
「ああ! わしは信長様が必ず天下を取れるよう、精一杯お仕えするつもりじゃ!」
長年の夢が叶って嬉しそうな藤吉郎につられ、瑞貴も葵も笑顔で藤吉郎を祝福した。
「それで瑞貴、お前わしと一緒に信長様の元に行かんか?」
「えっ?」
「「「「「ええっ!?」」」」」
突然の誘いに瑞貴は目をパチクリし、天馬や太助たちは全員驚きの声を上げた。しかし藤吉郎は気にせず瑞貴に話しかける。
「この数日でサッカーの采配ができるようになったのは、お前の手助けがあったからじゃ。きっとわしらはいい相棒になる! その力を信長様の元で役立ててみぬか!?」
様子からして藤吉郎は本気で瑞貴を誘おうとしているのだろう。女の瑞貴は表立って活躍できないだろうが、信長も自分を覚えているし、本当に藤吉郎と信長の支えになれるかもしれない。――だけど瑞貴の答えは決まっている。
「お誘いはとても嬉しいんですが、私は天馬たちと一緒にサッカーととても大切な人を取り戻したいんです」
「それって、昨日話していた『円堂』とか言う奴か?」
「はい。彼は私にとって唯一無二の相棒なんです」
「そうか……それは残念じゃ。お前はお前で、天馬たちの力になってくれ!」
「はい!」
瑞貴は藤吉郎の言葉に力強く頷いて答えた。
――地蔵堂から少し離れた場所にある枝垂れ桜の下で、お勝と神童が最後の挨拶をしている。
「もう、会えないんですね……」
「俺は、この時代の人間じゃないからな」
「はい……――想いが決して届かぬこともわかっていました」
「っ、ごめん……」
薄々どこかでわかっていただろうが、桜を触れながら告げるお勝に神童は目を見開くと少し気まずそうに目を逸らした。
「受け取ってください」
「じゃあ、行きます」
お勝が差し出したのは桃色の包みの弁当箱だ。神童はそれを受け取り、お勝に背を向ける。
「私も!」
「!」
「……なんでもありません」
お勝が何を言おうとしたのかお勝自身にしかわからないだろう。そしてそれは神童を困らせるとわかっているので敢えて続きを言わない。だが、神童はお勝にもう一度向き合って告げる。
「お勝さん。俺、きっと取り返して見せるよ。失ってはならない、大切なモノを」
「はい!」
この時代に残せるモノは確かな約束。その言葉を神童もお勝もお互い忘れないだろう。
――そしてキャラバンに全員乗り、藤吉郎やお勝や太助たちに見送られながら天馬や瑞貴たちはタイムジャンプした。
タイムトンネルを通りながら、信助や剣城や水鳥や瑞貴たちは信長の配下となったこれからの藤吉郎について話している。
「それにしても、あの藤吉郎さんが信長様の後を継いで天下人になるなんて」
「豊臣秀吉か……」
「人は見かけによらないっつーか、見かけによるっつーか」
「心から敬愛する人の役に立とうとする心は、思いもしない力を呼び起こすこともある。だから藤吉郎さんはサッカーの采配もあそこまでできたんだし、この先天下人にふさわしい人になれるよ」
「でも、安心したよ」
「ん?」
天馬の呟きふと不思議に思ったみんなは、彼の言葉に耳を傾ける。
「俺、思ったんだ。戦国時代の人にもサッカーの楽しさが伝わったんだもん。サッカーは消えたりしないって!」
「そうだね!」
「天馬はいいこと言うぜよ!」
天馬の言葉に信助や錦がその通りだと同意する中、神童はお勝からもらった弁当箱のフタを開ける。そこには豆腐が一丁入っていた。
『真っ白なお豆腐を食べると、心も真っ白になって元気が出るんです!』
「っ、お勝さん……!」
神童はお勝のことを想いながら涙を流す。その豆腐の上に、包みに付いていた桜の花びらが一つ落ちた。
☆コーチの 今日の格言☆
心から敬愛する人の役に立とうとする心は、思いもしない力を呼び起こすこともある。
以上!!