剣城の秘密
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「私もサッカー部の顧問になってから、三国くんたちがずっと耐えている姿を見てきました。倉間くんたちだって新入部員のときは戸惑って、物凄く葛藤して……結局、受け入れる形になってしまったんです」
「だが、いつまでも心の奥に押し込んでいたらサッカーは応えてくれない」
「勝ちたい思いと努力した分だけ、成長となって応えてくれる。それがサッカーというものだよ」
「ですね!」
プロリーグでの円堂と瑞貴の活躍を春奈は応援し続けた。学生時代と違ってレベルが上がっているのもわかったし、何より『サッカーが大好き』で『勝ちたい』という気持ちが強く伝わっている。
昔のように一緒にサッカー部を活動できることも喜びを感じていたし、心強い味方ができて嬉しく思った。
「円堂監督、瑞貴先輩」
「「ん?」」
「私の答えは決まっています。私も――フィフスセクターと戦います! 私が教師になってサッカー部の顧問になりたかったのは、昔のみんなの雰囲気が大好きだからです。それを取り戻せるなら全力で協力します!」
顧問として立場の危機もあるだろうに、春奈はそれでも構わなかった。むしろ本気のサッカーが好きだという気持ちを押し込めていた自分が恥ずかしく思うくらいである。
だが、味方がまたできて円堂と瑞貴は嬉しく思った。
「オウッ!」
「春奈ちゃん、一緒にがんばろうね!」
「はい!」
☆☆☆☆☆
二回戦の会場は万能坂で行われる。試合が始まるのを待つ中、観客席には大勢の人々が集まっていた。
《ホーリーロード関東Aブロック地区予選、万能坂中対雷門中! もう間もなく開始です!!》
角馬歩の実況でさらに盛り上がる会場とは反対に、雷門中のベンチでは重苦しい雰囲気が流れていた。とりあえず部員たちは全員集まったものの、退部宣言をした通り南沢は来なかった。
「なんだい? この雰囲気はよ」
「これで試合できるの……?」
水鳥も葵も茜も一回戦のときとは違ってチームに流れる不穏な空気が伝わっている。全員どうするか決めて集まったのは間違いないので代表して車田が発言する。
「監督! コーチ! 俺たちはフィフスセクターの決定に従うつもりです。サッカーをする機会まで奪われたくないですから」
車田に同意するように天城も速水も倉間も浜野も頷いた。次いで円堂は天馬に顔を向ける。
「天馬、お前はどうだ?」
「俺、考えました。考えて考えて……それでも! やっぱり、本当のサッカーがしたいです!」
「っ!」
先日あんなに言ったのに、未だに考えを変えない天馬に倉間は歯を食いしばった。
「でも、それは俺だけじゃなくて――みんなと!」
「!」
「雷門サッカー部のみんなと本当のサッカーがしたいんです! だから、フィフスセクターと戦います!」
「僕もやります!」
円堂と瑞貴と同じ考えを持っていた天馬に神童は驚き、信助も考えた末に戦うと決めた。
最後に円堂は神童と三国に顔を向けると、二人は覚悟を決めたようでフィフスセクターに逆らうことにした。――そこに新たな仲間が現れる。
「ったく、仕方ないな、神童、付き合ってやるよ」
「霧野……!」
一人でも仲間ができ、さらに幼馴染が共に戦ってくれることに神童は嬉しそうだ。それを見た瑞貴は選手名簿にある霧野の名前の横に星印を書き、円堂も頷いた。
一連の様子を黙って見ていた剣城は、南沢に代わって10番のユニフォームを着ている。
(フィフスセクターの恐ろしさをわかった上で五人か……。その中心にいるのはいつもこいつだ。だが、それも今日までだ)
天馬を見た剣城は腰に手を当てて、改めてフィフスセクターのシードとして告げる。
「だが、いつまでも心の奥に押し込んでいたらサッカーは応えてくれない」
「勝ちたい思いと努力した分だけ、成長となって応えてくれる。それがサッカーというものだよ」
「ですね!」
プロリーグでの円堂と瑞貴の活躍を春奈は応援し続けた。学生時代と違ってレベルが上がっているのもわかったし、何より『サッカーが大好き』で『勝ちたい』という気持ちが強く伝わっている。
昔のように一緒にサッカー部を活動できることも喜びを感じていたし、心強い味方ができて嬉しく思った。
「円堂監督、瑞貴先輩」
「「ん?」」
「私の答えは決まっています。私も――フィフスセクターと戦います! 私が教師になってサッカー部の顧問になりたかったのは、昔のみんなの雰囲気が大好きだからです。それを取り戻せるなら全力で協力します!」
顧問として立場の危機もあるだろうに、春奈はそれでも構わなかった。むしろ本気のサッカーが好きだという気持ちを押し込めていた自分が恥ずかしく思うくらいである。
だが、味方がまたできて円堂と瑞貴は嬉しく思った。
「オウッ!」
「春奈ちゃん、一緒にがんばろうね!」
「はい!」
☆☆☆☆☆
二回戦の会場は万能坂で行われる。試合が始まるのを待つ中、観客席には大勢の人々が集まっていた。
《ホーリーロード関東Aブロック地区予選、万能坂中対雷門中! もう間もなく開始です!!》
角馬歩の実況でさらに盛り上がる会場とは反対に、雷門中のベンチでは重苦しい雰囲気が流れていた。とりあえず部員たちは全員集まったものの、退部宣言をした通り南沢は来なかった。
「なんだい? この雰囲気はよ」
「これで試合できるの……?」
水鳥も葵も茜も一回戦のときとは違ってチームに流れる不穏な空気が伝わっている。全員どうするか決めて集まったのは間違いないので代表して車田が発言する。
「監督! コーチ! 俺たちはフィフスセクターの決定に従うつもりです。サッカーをする機会まで奪われたくないですから」
車田に同意するように天城も速水も倉間も浜野も頷いた。次いで円堂は天馬に顔を向ける。
「天馬、お前はどうだ?」
「俺、考えました。考えて考えて……それでも! やっぱり、本当のサッカーがしたいです!」
「っ!」
先日あんなに言ったのに、未だに考えを変えない天馬に倉間は歯を食いしばった。
「でも、それは俺だけじゃなくて――みんなと!」
「!」
「雷門サッカー部のみんなと本当のサッカーがしたいんです! だから、フィフスセクターと戦います!」
「僕もやります!」
円堂と瑞貴と同じ考えを持っていた天馬に神童は驚き、信助も考えた末に戦うと決めた。
最後に円堂は神童と三国に顔を向けると、二人は覚悟を決めたようでフィフスセクターに逆らうことにした。――そこに新たな仲間が現れる。
「ったく、仕方ないな、神童、付き合ってやるよ」
「霧野……!」
一人でも仲間ができ、さらに幼馴染が共に戦ってくれることに神童は嬉しそうだ。それを見た瑞貴は選手名簿にある霧野の名前の横に星印を書き、円堂も頷いた。
一連の様子を黙って見ていた剣城は、南沢に代わって10番のユニフォームを着ている。
(フィフスセクターの恐ろしさをわかった上で五人か……。その中心にいるのはいつもこいつだ。だが、それも今日までだ)
天馬を見た剣城は腰に手を当てて、改めてフィフスセクターのシードとして告げる。