うつけ祭りの決戦!

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《おっと! ここで織田のカウンター!》

「必ず取る! 剣聖ランスロット! アームド!」


錦からパスを受け取ったフリーの剣城は化身アームドし、そのままシュート体勢に入る。


「うおりゃあ!」

「キーパーコマンド03!」

【ドーンシャウト】


剣城のシュートはザノウの必殺技も破り、見事ゴールに入った。


《1対1! 織田、追いついた――っ!!》

「きいいぃぃいいい!! 悔しいでおじゃる! 悔しいでおじゃる!」


木杓を噛みながら悔しそうにする義元に対し、織田軍ベンチではワンダバがエキサイティングゲージをMAXにして体がピンク色になった。


「いやったぁぁあああ!! やったぞー! これで同点だー!」

「スゴいですね! 一夜城の威力!」

「太助、獅子丸、五郎太……この三人は特に足腰の粘りが強い。一夜城はその強靭な足腰がなければ成り立たない技じゃ」


葵が一夜城のことを褒めると、藤吉郎はこの一週間の特訓で三人の特徴をつかんで必殺技に繋げたのだ。


「しかしなかなかの作戦だったな! まさか敢えて攻撃しないことで、相手を油断させるとは!」

「しかも敵は太助たちには攻撃を止められんと思っていたはず。そこに必ず隙ができると踏んだんじゃ。これも、一夜城ナシには考えられなかった作戦じゃがのう!」

「相手の最大の欠点は、太助くんたちの潜在能力を見誤ったってことですね」


ハーフタイムで藤吉郎が告げた作戦を最初に反対したワンダバだが、それはカウンターを狙ってのことだった。藤吉郎と瑞貴は太助たちの成長と天馬たちのチームワークなら成し遂げられると信じていた。

次いで藤吉郎は両手を頬に当ててメガホン状にし、太助たちに向かって叫ぶ。


「太助! 獅子丸! 五郎太! 市正! 仁悟! お前たちの敵を恐れない気持ちと、絶対に守るという強い思いがなければ、敵を欺き戦局を一転させることはできなかったんじゃ!」

「藤吉郎さん……!」

「お前たちが一つになって決めた得点じゃ! よくやったぞ!」

「俺たちみんなが……!」

「決めた得点……!」

「「「「「うん……!」」」」」


獅子丸と五郎太を始め五人は顔を見合わせて頷いた。一夜城を出したのは太助と獅子丸と五郎太でも、市正と仁悟がしっかり守りに入ってくれたからこそ万全の態勢で臨めたのだ。


「そうだよ! 一人でも欠けてたら決められなかったんだ!」

「天馬……」

「ん?」


天馬も藤吉郎と同意見だと声を上げると太助は目を閉じた。それに天馬は不思議そうにすると、太助の開いた目には輝きに満ちて叫ぶ。


「サッカーって楽しいな!」

「ああ!」


必殺技が成功して得点に繋げた喜びが、太助たちにまたサッカーの楽しさを教えてくれた。それはきっと次のやる気にもつながるだろう。

そして試合再開。太助たち五人の動きがまた一段と良くなり、今川軍から見事ボールを奪っていく。


「「「一夜城!」」」


ドリムのシュートを再び一夜城で止めた太助たち。ボールは神童に渡ってドリブルして行く。


「動きを止めるな! 攻め続けるんじゃ!」

「……どうかな?」


この勢いを逃すなと叫ぶ藤吉郎。しかし反対に信長は笑ったまま、まるでこれが続かないというように意味深なことを言った。


(俺も化身アームドを……絶対に!)

「拓人様……!」

「今度こそ、完成させて見せる! はああぁぁあああ!」


お勝が観客席から祈るように神童の名を呟くと、神童は化身を出した。


「奏者マエストロ!」

「神童先輩……!」


織田軍にはいい流れが出ている。その流れに乗って神童が化身アームドを成功させるようにと、天馬たちは緊張した面持ちで見守っていた。


「アームド!」


だが奏者マエストロはまたしても神童の身に纏うことはなく、神童はそのまま地に倒れてしまった。


《あーっと! 化身アームド失敗だー!》

「っ、何かが足りない……! まだ、何かが……!」

「…………」

「拓人様……」


いけると思った化身アームドを失敗した神童は両拳を握ると、信長は顔をしかめ、お勝は心配する。
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