尾張の国の大特訓!
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「瑞貴。今日の結果を見せてくれ」
「はい」
藤吉郎と瑞貴は広場から少し離れた場所に行き、藤吉郎は瑞貴が書いていた記録を見る。もちろん藤吉郎もサッカーについては初心者だし現代語がわからないこともあるので、瑞貴に読み方を教えてもらったり絵で表現してもらっているので、彼も監督として日々成長していた。
「瑞貴はあの五人の動きはどう思っとる?」
「確かに初日のことを思えば成長していると思います。……だけど、あのまま勝てると思えません」
「わしも同感じゃ。今川軍は白鹿組よりも強いんじゃろ?」
「はい。プロトコル・オメガ――今川軍は天馬たちを圧倒したこともあるので、確実に苦戦は免れません。それに太助くんたちをDF……守りに回すのなら、隙を突かれる可能性は大きいです」
「ならばやはり、相手の意表を突かねばならぬな……」
すると藤吉郎は考えをまとめるようにブツブツと呟くと「よし!」と言って顔を上げた。
「練習中にも閃いたんじゃがな、わしにいい考えがある!」
「きっと藤吉郎さんが考えていること、私と同じだと思います。私も練習を見ながら考えたので」
「なんじゃ。お前も同じことを考えておったのか?」
「答え合わせをします?」
瑞貴が挑発気味にフッと笑うと、藤吉郎もまた面白そうにニヤリと笑っていた。――そして二人の口から出てきたのは、全く同じ言葉である。
☆☆☆☆☆
ついに明日はプロトコル・オメガ2.0との試合がある。最終練習を始める前に藤吉郎からのとんでもない発表が、天馬たちを盛大に驚かせた。
「「「「「合体必殺技!?」」」」」
「確かに太助たちは腕を上げておる。白鹿戦のときから比べれば雲泥の差じゃ! じゃが今のままでは、今川の攻撃を防ぎきることはできんじゃろう」
「「「「「っ!」」」」」
太助を始め五人は現実を突きつけられて息を呑む。もうボールを怖がることはなくなったが、技術はどうかと言われれば話は別だろう。太助も昨夜それがわかっていたからこそ、天馬と居残り練習をしたが彼からボールを奪うことはできなかった。
「だからって、いきなり合体必殺技なんて……」
「それに、試合は明日ぜよ……」
「それがどうした! 戦に必要なら、ひと晩で城でも作ってみせる! それぐらいの気合いがなくて奴らに勝てるものか!」
信助と錦は期限が短いムチャ振りに不可能だと言うが、藤吉郎はそれを一蹴して叱咤をする。
「それに、明日の試合には信長様の名誉がかかっておるんじゃ!」
「これは天馬たちも他人事じゃないんだよ。私たちがプロトコル・オメガ2.0を倒すという目的は変わらなくても、うつけ祭りという舞台で負けたとなったら、『勝手に名乗り出したくせに信長の名誉を傷つけた曲者たち』と言われ――今度こそ死罪になる可能性もあるの」
「「「「「ウッ!」」」」」
瑞貴の言葉たちに天馬たちは肩を上げた。花見の宴のときは神童の気転と信長の好奇心で助かったと言っても過言ではないが、一番反対していた秀貞や信長の立場を考えれば確かにありえる。
「太助、獅子丸、五郎太。お前ら三人には明日までに守りの合わせ技を完成してもらう。名付けて『一夜城』……一夜で作る城と書いて、一夜城じゃ!」
「「「「「一夜城!?」」」」」
「それって……」
「実際に秀吉が作った城のことだな……」
「こっちが先……」
藤吉郎が付けた必殺技の名前に葵と水鳥と茜は歴史上にある名前だと気づく。そしてまさかその起源がサッカーの必殺技になるとは思わなかったが。
「一夜城……――俺、やります! その一夜城って技、完成させてみせます!」
一番やる気を出して発言したのは太助だった。そして獅子丸と五郎太もそれに続き、三人は合体必殺技……一夜城を身につけるべく特訓を開始するのだった。
「はい」
藤吉郎と瑞貴は広場から少し離れた場所に行き、藤吉郎は瑞貴が書いていた記録を見る。もちろん藤吉郎もサッカーについては初心者だし現代語がわからないこともあるので、瑞貴に読み方を教えてもらったり絵で表現してもらっているので、彼も監督として日々成長していた。
「瑞貴はあの五人の動きはどう思っとる?」
「確かに初日のことを思えば成長していると思います。……だけど、あのまま勝てると思えません」
「わしも同感じゃ。今川軍は白鹿組よりも強いんじゃろ?」
「はい。プロトコル・オメガ――今川軍は天馬たちを圧倒したこともあるので、確実に苦戦は免れません。それに太助くんたちをDF……守りに回すのなら、隙を突かれる可能性は大きいです」
「ならばやはり、相手の意表を突かねばならぬな……」
すると藤吉郎は考えをまとめるようにブツブツと呟くと「よし!」と言って顔を上げた。
「練習中にも閃いたんじゃがな、わしにいい考えがある!」
「きっと藤吉郎さんが考えていること、私と同じだと思います。私も練習を見ながら考えたので」
「なんじゃ。お前も同じことを考えておったのか?」
「答え合わせをします?」
瑞貴が挑発気味にフッと笑うと、藤吉郎もまた面白そうにニヤリと笑っていた。――そして二人の口から出てきたのは、全く同じ言葉である。
☆☆☆☆☆
ついに明日はプロトコル・オメガ2.0との試合がある。最終練習を始める前に藤吉郎からのとんでもない発表が、天馬たちを盛大に驚かせた。
「「「「「合体必殺技!?」」」」」
「確かに太助たちは腕を上げておる。白鹿戦のときから比べれば雲泥の差じゃ! じゃが今のままでは、今川の攻撃を防ぎきることはできんじゃろう」
「「「「「っ!」」」」」
太助を始め五人は現実を突きつけられて息を呑む。もうボールを怖がることはなくなったが、技術はどうかと言われれば話は別だろう。太助も昨夜それがわかっていたからこそ、天馬と居残り練習をしたが彼からボールを奪うことはできなかった。
「だからって、いきなり合体必殺技なんて……」
「それに、試合は明日ぜよ……」
「それがどうした! 戦に必要なら、ひと晩で城でも作ってみせる! それぐらいの気合いがなくて奴らに勝てるものか!」
信助と錦は期限が短いムチャ振りに不可能だと言うが、藤吉郎はそれを一蹴して叱咤をする。
「それに、明日の試合には信長様の名誉がかかっておるんじゃ!」
「これは天馬たちも他人事じゃないんだよ。私たちがプロトコル・オメガ2.0を倒すという目的は変わらなくても、うつけ祭りという舞台で負けたとなったら、『勝手に名乗り出したくせに信長の名誉を傷つけた曲者たち』と言われ――今度こそ死罪になる可能性もあるの」
「「「「「ウッ!」」」」」
瑞貴の言葉たちに天馬たちは肩を上げた。花見の宴のときは神童の気転と信長の好奇心で助かったと言っても過言ではないが、一番反対していた秀貞や信長の立場を考えれば確かにありえる。
「太助、獅子丸、五郎太。お前ら三人には明日までに守りの合わせ技を完成してもらう。名付けて『一夜城』……一夜で作る城と書いて、一夜城じゃ!」
「「「「「一夜城!?」」」」」
「それって……」
「実際に秀吉が作った城のことだな……」
「こっちが先……」
藤吉郎が付けた必殺技の名前に葵と水鳥と茜は歴史上にある名前だと気づく。そしてまさかその起源がサッカーの必殺技になるとは思わなかったが。
「一夜城……――俺、やります! その一夜城って技、完成させてみせます!」
一番やる気を出して発言したのは太助だった。そして獅子丸と五郎太もそれに続き、三人は合体必殺技……一夜城を身につけるべく特訓を開始するのだった。