尾張の国の大特訓!
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――白線は弾くことができないがゴールはやはり必要と言うことで、瑞貴が丸太と縄で作ろうと提案してみんなで協力して組み立てた。そしてできたゴールを見て立ち直ったワンダバは感慨深そうに頷く。
「ウム。本物に比べれば劣るがなかなかのものではないか」
「僕らはエルドラドほどの技術はありませんが、瑞貴さんが迷いもなくそう言ったのは少し驚きました」
「『やる気さえあれば、そこがフィールドだ』……昔、守がそう言っていたのを思い出してね。さっ、みんな練習がんばろう」
「「「「「はい!」」」」」
そうして一週間後の試合に向けて、練習が始まった。
「剣城!」
「ふっ!」
「うおおおっ!」
信助のゴールキックを受け取った剣城に、天馬がボールを奪おうとやって来る。それを剣城はターンして見事にかわした。
「太助!」
「よし、来い! ――うわっ!」
剣城が少し強めのパスを出したが、それを太助はマトモに顔にぶつけてしまったのだ。小屋の前で木の板と岩で作った即席ベンチのそばで見ていた藤吉郎は叱咤する。
「太助! もっとボールをしっかり見ろ!」
「っ……今度こそ!」
サッカー初心者の太助たちは強いパスが取れず、トラップミスしたり恐がって逃げてしまう。たとえ取ってもその油断でボールを奪われてしまった。
「ハァ~……」
「…………」
その繰り返しが続いて藤吉郎が額に手を当てて溜息を吐く中、瑞貴は隣でボードに何かしらメモをしていた。
☆☆☆☆☆
ここは信長の住む那古屋城。その最上階から景色を見渡していた信長に、うしろに控えていた秀貞が声をかける。
「蹴鞠戦のこと、あのような輩に任せてよろしいので? 今川に勝てるとは思えませんが」
「構わぬ」
「えっ……ですが、御屋形様……」
信長は景色を見ているので秀貞からは背を向けている形だ。顔は見えずとも雰囲気で何かを察した秀貞は怪訝そうに顔をしかめた。
「まさか! あやつらが先の世から来たなどと本気で信じておられるわけでは――」
「だとしたら?」
「えっ!?」
秀貞は半ば冗談で言ったのだろうが、信長はこういうとき冗談で言う人ではない。だからこそ秀貞は信長が瑞貴たちが未来から来たと信じていることに驚きを隠せなかった。
「天下は取れぬか……面白いではないか」
信長は天下を取れる力も自信もある。自分に近しい者たちなら『信長なら天下を取れる』と信じて疑わないし、それを詮議の場で命が危ういにもかかわらず、『天下は取れない』と言い切った神童に、信長は興味を示していたのだ。
☆☆☆☆☆
「神童!」
「はああぁぁあああ! 奏者マエストロ!」
宙に浮いたボールを錦がヘディングパスをすると、それを受け取った神童が化身を出した。
「よし! 化身アームドだ!」
「アームド!」
フェイが合図を出して神童は化身アームドを試みる。奏者マエストロはオーラになって分散したが、神童の身を纏うことはなく、その反動で神童は両手と両膝を地に付いてしまった。
「うわっ!」
「神童先輩!」
「グッ……まだ何かが足りないか……!」
初心を忘れず何かをつかんだ感じはしても、実際にやって成功するかどうかは別物だ。
「もう一度だ! アームド! ――うわあっ!」
「拓人様……」
またも化身アームドは失敗したが、神童は決してあきらめようとしない。その光景を小屋の陰で見守っていたお勝は、何かを決意したような顔をしていた。
「ウム。本物に比べれば劣るがなかなかのものではないか」
「僕らはエルドラドほどの技術はありませんが、瑞貴さんが迷いもなくそう言ったのは少し驚きました」
「『やる気さえあれば、そこがフィールドだ』……昔、守がそう言っていたのを思い出してね。さっ、みんな練習がんばろう」
「「「「「はい!」」」」」
そうして一週間後の試合に向けて、練習が始まった。
「剣城!」
「ふっ!」
「うおおおっ!」
信助のゴールキックを受け取った剣城に、天馬がボールを奪おうとやって来る。それを剣城はターンして見事にかわした。
「太助!」
「よし、来い! ――うわっ!」
剣城が少し強めのパスを出したが、それを太助はマトモに顔にぶつけてしまったのだ。小屋の前で木の板と岩で作った即席ベンチのそばで見ていた藤吉郎は叱咤する。
「太助! もっとボールをしっかり見ろ!」
「っ……今度こそ!」
サッカー初心者の太助たちは強いパスが取れず、トラップミスしたり恐がって逃げてしまう。たとえ取ってもその油断でボールを奪われてしまった。
「ハァ~……」
「…………」
その繰り返しが続いて藤吉郎が額に手を当てて溜息を吐く中、瑞貴は隣でボードに何かしらメモをしていた。
☆☆☆☆☆
ここは信長の住む那古屋城。その最上階から景色を見渡していた信長に、うしろに控えていた秀貞が声をかける。
「蹴鞠戦のこと、あのような輩に任せてよろしいので? 今川に勝てるとは思えませんが」
「構わぬ」
「えっ……ですが、御屋形様……」
信長は景色を見ているので秀貞からは背を向けている形だ。顔は見えずとも雰囲気で何かを察した秀貞は怪訝そうに顔をしかめた。
「まさか! あやつらが先の世から来たなどと本気で信じておられるわけでは――」
「だとしたら?」
「えっ!?」
秀貞は半ば冗談で言ったのだろうが、信長はこういうとき冗談で言う人ではない。だからこそ秀貞は信長が瑞貴たちが未来から来たと信じていることに驚きを隠せなかった。
「天下は取れぬか……面白いではないか」
信長は天下を取れる力も自信もある。自分に近しい者たちなら『信長なら天下を取れる』と信じて疑わないし、それを詮議の場で命が危ういにもかかわらず、『天下は取れない』と言い切った神童に、信長は興味を示していたのだ。
☆☆☆☆☆
「神童!」
「はああぁぁあああ! 奏者マエストロ!」
宙に浮いたボールを錦がヘディングパスをすると、それを受け取った神童が化身を出した。
「よし! 化身アームドだ!」
「アームド!」
フェイが合図を出して神童は化身アームドを試みる。奏者マエストロはオーラになって分散したが、神童の身を纏うことはなく、その反動で神童は両手と両膝を地に付いてしまった。
「うわっ!」
「神童先輩!」
「グッ……まだ何かが足りないか……!」
初心を忘れず何かをつかんだ感じはしても、実際にやって成功するかどうかは別物だ。
「もう一度だ! アームド! ――うわあっ!」
「拓人様……」
またも化身アームドは失敗したが、神童は決してあきらめようとしない。その光景を小屋の陰で見守っていたお勝は、何かを決意したような顔をしていた。