剣城の秘密
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「あいつは、指示通りの試合展開にするつもりだな……」
「だ、だったら従いましょう! 今からでも言うことを聞けば、廃部にはならないかもしれません……!」
「どうかな」
三国は次の試合で剣城の出す行動を予測すると、速水は慌てて神童たちに説得する。だが、それを否定したのは霧野だ。
「逆らってきた俺たちをこれ以上見逃したとなれば、他に示しがつかないよな」
「ってことは、もう……!」
「雷門サッカー部はおしまいだ」
「そんな~!」
(俺のせいで、こんなことに……!)
南沢の口から出た絶望的な結果に速水は肩を落とし、神童も自分が本気のサッカーをやると決めたからこうなったと思った。その空気に我慢できなくなったのか天馬は声を上げる。
「こんなのおかしいですよ!」
「天馬!」
「本当のサッカーをやったらいけないなんて、おかしいです! こんなこと、あっちゃいけない……サッカーだってそう思ってるはずです!」
信助が止めようにも天馬は必死に説得する。だが今まで我慢してきた倉間は、顔をしかめて声を上げた。
「……そもそも、こうなったのはお前のせいじゃないのか? お前が入部しなければ、こんなことにならなかったはずだ!」
「!」
「今のシステムがおかしいなんて初めからわかっていたからな。それでも我慢してきたのはサッカーを続けたいからだ! っ、俺たちからサッカーを奪うような真似するな!」
「奪うなんて……俺はただ本物のサッカーを――」
「その結果がこれだろ。全員、サッカーを奪われるんだよ……お前のせいで!」
「俺は…みんなからサッカーを……」
責め立てる倉間に天馬はどう答えていいのかわからなかった。実際天馬が『本気のサッカーをやろう』と声をかけ続け、勝敗指示を無視して試合に勝ち、廃部の危機に陥っている。信助も葵もかける言葉が見つからない。
そんな空気を壊したのは、円堂の前に立った南沢だ。
「円堂監督」
「なんだ?」
「俺、退部します」
「「「「「!?」」」」」
南沢の口から出たのはまさかの退部宣言だ。全員が驚くと車田が声を上げる。
「辞めるって、本気なのか!?」
「ああ。もう付き合いきれない」
「辞められるのか?」
「はい。では……」
「南沢さん……!」
そう言って円堂に礼をした南沢は、次いで瑞貴を一瞥すると去って行く。同じFWで憧れもあった倉間は彼の退部でついに気持ちが爆発した。
「雷門サッカー部を潰そうとしているのは…フィフスセクターでも…剣城でもない……――本当はお前のほうじゃないのか!?」
「!」
その言葉が天馬にとってトドメとなった。
☆☆☆☆☆
練習は中断し、サッカー棟から全員いなくなって鍵を閉めた頃には夕方になっていた。円堂と瑞貴は旧部室の前に立つ。
「さっき理事長から伝えられた。私たちのクビは聖帝の意向で取り消しだって」
「そうか。……今回の相手は、なかなか手強いな。鬼道ならどうしていたと思う?」
「天才ゲームメーカー・鬼道有人……。私たちじゃ思いがけないゲームメイクをしちゃったりして」
「――円堂監督、瑞貴さん」
「「ん?」」
かつての仲間を思い浮かべる二人が振り向くと、声をかけてきたのは神童だ。しかし先ほどのこともあってか表情は浮かない。
「だ、だったら従いましょう! 今からでも言うことを聞けば、廃部にはならないかもしれません……!」
「どうかな」
三国は次の試合で剣城の出す行動を予測すると、速水は慌てて神童たちに説得する。だが、それを否定したのは霧野だ。
「逆らってきた俺たちをこれ以上見逃したとなれば、他に示しがつかないよな」
「ってことは、もう……!」
「雷門サッカー部はおしまいだ」
「そんな~!」
(俺のせいで、こんなことに……!)
南沢の口から出た絶望的な結果に速水は肩を落とし、神童も自分が本気のサッカーをやると決めたからこうなったと思った。その空気に我慢できなくなったのか天馬は声を上げる。
「こんなのおかしいですよ!」
「天馬!」
「本当のサッカーをやったらいけないなんて、おかしいです! こんなこと、あっちゃいけない……サッカーだってそう思ってるはずです!」
信助が止めようにも天馬は必死に説得する。だが今まで我慢してきた倉間は、顔をしかめて声を上げた。
「……そもそも、こうなったのはお前のせいじゃないのか? お前が入部しなければ、こんなことにならなかったはずだ!」
「!」
「今のシステムがおかしいなんて初めからわかっていたからな。それでも我慢してきたのはサッカーを続けたいからだ! っ、俺たちからサッカーを奪うような真似するな!」
「奪うなんて……俺はただ本物のサッカーを――」
「その結果がこれだろ。全員、サッカーを奪われるんだよ……お前のせいで!」
「俺は…みんなからサッカーを……」
責め立てる倉間に天馬はどう答えていいのかわからなかった。実際天馬が『本気のサッカーをやろう』と声をかけ続け、勝敗指示を無視して試合に勝ち、廃部の危機に陥っている。信助も葵もかける言葉が見つからない。
そんな空気を壊したのは、円堂の前に立った南沢だ。
「円堂監督」
「なんだ?」
「俺、退部します」
「「「「「!?」」」」」
南沢の口から出たのはまさかの退部宣言だ。全員が驚くと車田が声を上げる。
「辞めるって、本気なのか!?」
「ああ。もう付き合いきれない」
「辞められるのか?」
「はい。では……」
「南沢さん……!」
そう言って円堂に礼をした南沢は、次いで瑞貴を一瞥すると去って行く。同じFWで憧れもあった倉間は彼の退部でついに気持ちが爆発した。
「雷門サッカー部を潰そうとしているのは…フィフスセクターでも…剣城でもない……――本当はお前のほうじゃないのか!?」
「!」
その言葉が天馬にとってトドメとなった。
☆☆☆☆☆
練習は中断し、サッカー棟から全員いなくなって鍵を閉めた頃には夕方になっていた。円堂と瑞貴は旧部室の前に立つ。
「さっき理事長から伝えられた。私たちのクビは聖帝の意向で取り消しだって」
「そうか。……今回の相手は、なかなか手強いな。鬼道ならどうしていたと思う?」
「天才ゲームメーカー・鬼道有人……。私たちじゃ思いがけないゲームメイクをしちゃったりして」
「――円堂監督、瑞貴さん」
「「ん?」」
かつての仲間を思い浮かべる二人が振り向くと、声をかけてきたのは神童だ。しかし先ほどのこともあってか表情は浮かない。