潜入! 踊り子大作戦!!
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「拓人様もいない?」
「ああ。向こうでサッカーの練習だって」
「そう……」
踊りの指導に夢中になっていて神童の不在に気づかなかったお勝。太助に教えてもらうとどこか残念そうに呟いた。
「神さま、今応援に――」
「あんたはまだ覚えてないだろ!」
「神さま~!」
茜が神童の元に行こうとしたが、水鳥に首根っこをつかまれて連行された。
「みんな自由過ぎ……」
「こんなことで本当に信長を魅了することができるのかしら……」
「イエ~イぜよ~!」
「「ハァ……」」
瑞貴と葵は順調だったはずが、練習が途切れると各自好きなように動き始めたので不安になる。さらに一番問題な錦も自分の踊りに酔い始めたので、二人は深い溜息を吐くのだった。
☆☆☆☆☆
踊り子大作戦のメンバーとは別に、河川敷のように土手の下が広い空き地で特訓をしている神童は、岩に当ててシュート練習をしている。……ちなみにその木の陰で剣城がサボっているとは知らない。
(ミキシマックス……)
『信長のオーラを受け入れられるよう、お前の器を大きくしろ!』
神童はボールを足で押さえて一度練習を中断して考える。ミキシマックスなど神童たちの時代からは未知の領域で、自分の器を大きくする方法がよくわからない。
(クッ! どうすればオーラを受け入れられる!? 器を大きくできるんだ!? 俺にできるのか!? ――っ!)
ふと脳裏に浮かぶのは化身アームドのチャレンジ。自分は化身と一体化するどころかオーラに分散することすらできなかった。
(俺は、化身アームドを身に付けることができていない……サッカーを守るため、歴史を元に戻すため、勝たなければならないのに!)
「――拓人様」
「お勝さん……」
呼びかけられて振り向いたら、弁当箱を持っているお勝がいた。休憩も兼ねて二人は土手に腰を落として話をする。
「どこか、具合が悪いのですか?」
「いや、そうじゃないんだ」
「そういうときってありますよね。――あの」
お勝が持って来た弁当箱の風呂敷を解いてフタを開けると、その中にはおにぎりや梅干しや煮物、そしてお勝の家自慢の豆腐が入っていた。
「真っ白なお豆腐を食べると、心も真っ白になって元気が出るんですよ!」
「ありがとう……」
「さっ、どうぞ」
「うん」
弁当箱を受け取った神童は、さっそくお勝のオススメである豆腐をひと口食べてみる。
「お勝さんを見てて、豆腐屋さんって朝早くから夜遅くまで大変だなって思った」
「そんなことないですよ。結構楽しいです」
「でも、水は冷たそうだし、あれだけたくさんだと重そうだし……それでも?」
「はい! 確かに拓人様のおっしゃる通り仕事は大変です。でも真っ白なお豆腐ができたとき、スゴくいい気分になるんです」
「いい気分に?」
「この真っ白のお豆腐を食べてくれた人は、みんな『おいしい』って言ってくれるんです。その笑顔を見たら、大変だったことなんかすっかりどこかに行ってしまって。胸の辺りに温かいモノが広がるんです!」
両手を胸に当てて頬を染めながら笑うお勝の笑顔は嘘偽りない。きっと本当に心から思っているのだろうと神童にも伝わっていた。
「ステキだね……」
「はい! 拓人様もですよね?」
「えっ……?」
「私がお豆腐を好きなように、拓人様はサッカーがお好きなんでしょ?」
「サッカーが好き……。ああ……忘れてた……そんな気持ち……」
「ああ。向こうでサッカーの練習だって」
「そう……」
踊りの指導に夢中になっていて神童の不在に気づかなかったお勝。太助に教えてもらうとどこか残念そうに呟いた。
「神さま、今応援に――」
「あんたはまだ覚えてないだろ!」
「神さま~!」
茜が神童の元に行こうとしたが、水鳥に首根っこをつかまれて連行された。
「みんな自由過ぎ……」
「こんなことで本当に信長を魅了することができるのかしら……」
「イエ~イぜよ~!」
「「ハァ……」」
瑞貴と葵は順調だったはずが、練習が途切れると各自好きなように動き始めたので不安になる。さらに一番問題な錦も自分の踊りに酔い始めたので、二人は深い溜息を吐くのだった。
☆☆☆☆☆
踊り子大作戦のメンバーとは別に、河川敷のように土手の下が広い空き地で特訓をしている神童は、岩に当ててシュート練習をしている。……ちなみにその木の陰で剣城がサボっているとは知らない。
(ミキシマックス……)
『信長のオーラを受け入れられるよう、お前の器を大きくしろ!』
神童はボールを足で押さえて一度練習を中断して考える。ミキシマックスなど神童たちの時代からは未知の領域で、自分の器を大きくする方法がよくわからない。
(クッ! どうすればオーラを受け入れられる!? 器を大きくできるんだ!? 俺にできるのか!? ――っ!)
ふと脳裏に浮かぶのは化身アームドのチャレンジ。自分は化身と一体化するどころかオーラに分散することすらできなかった。
(俺は、化身アームドを身に付けることができていない……サッカーを守るため、歴史を元に戻すため、勝たなければならないのに!)
「――拓人様」
「お勝さん……」
呼びかけられて振り向いたら、弁当箱を持っているお勝がいた。休憩も兼ねて二人は土手に腰を落として話をする。
「どこか、具合が悪いのですか?」
「いや、そうじゃないんだ」
「そういうときってありますよね。――あの」
お勝が持って来た弁当箱の風呂敷を解いてフタを開けると、その中にはおにぎりや梅干しや煮物、そしてお勝の家自慢の豆腐が入っていた。
「真っ白なお豆腐を食べると、心も真っ白になって元気が出るんですよ!」
「ありがとう……」
「さっ、どうぞ」
「うん」
弁当箱を受け取った神童は、さっそくお勝のオススメである豆腐をひと口食べてみる。
「お勝さんを見てて、豆腐屋さんって朝早くから夜遅くまで大変だなって思った」
「そんなことないですよ。結構楽しいです」
「でも、水は冷たそうだし、あれだけたくさんだと重そうだし……それでも?」
「はい! 確かに拓人様のおっしゃる通り仕事は大変です。でも真っ白なお豆腐ができたとき、スゴくいい気分になるんです」
「いい気分に?」
「この真っ白のお豆腐を食べてくれた人は、みんな『おいしい』って言ってくれるんです。その笑顔を見たら、大変だったことなんかすっかりどこかに行ってしまって。胸の辺りに温かいモノが広がるんです!」
両手を胸に当てて頬を染めながら笑うお勝の笑顔は嘘偽りない。きっと本当に心から思っているのだろうと神童にも伝わっていた。
「ステキだね……」
「はい! 拓人様もですよね?」
「えっ……?」
「私がお豆腐を好きなように、拓人様はサッカーがお好きなんでしょ?」
「サッカーが好き……。ああ……忘れてた……そんな気持ち……」