大乱戦! 白鹿組!!
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夜。あれから雷門イレブンは地蔵堂に戻って火鉢を中心に今日のことについて振り返っていた。……何故か藤吉郎も一緒にいて今は床に横になっている。
「白鹿組の背後に、今川義元がいたとはな……。この時代では天下取りに尤も近いと言われている存在だ」
「ハッ! 何をアホなことを」
ワンダバの言葉を否定したのは、寝転がったまま背を向けている藤吉郎だ。
「天下取りに一番近いのは、信長様に決まっておるじゃろ。今川なんぞ敵ではないわ」
語尾は半分欠伸をかみしめながらも断言した藤吉郎。彼を見て雷門イレブンは軽く身を寄せて藤吉郎に聞こえないよう小声で話す。
「確かに、歴史では桶狭間の戦いで信長は今川義元を打ち破っている」
「でも、プロトコル・オメガが歴史に干渉しているとしたら、その通りの結果になるとは限らないよ」
「「「「「う~ん……」」」」」
神童の言う通り自分たちが知る歴史であれば信長は義元に勝てるだろう。だがフェイの言うように今回の白鹿組のことを考えれば、歴史は変えられてしまう恐れがある。もともとエルドラドは未来意思決定機関で、サッカー禁止令のように歴史を変えることができるのだから。
「戦いが始まってしまえば、信長に近づくのはより難しくなる。その前にやるしかない!」
「だけど、どうやれば花見の宴に忍び込めるんでしょうか?」
「いくらお勝ちゃんが給仕に選ばれても、彼女の立場じゃ口添えで入るのはムリだろうね」
「「「「「う~ん……」」」」」
戦いの前にミキシマックスのオーラを手に入れるには、信長がいる花見の宴しかチャンスがない。あとはどう入るべきなのかと神童や天馬や瑞貴たち雷門メンバーは頭を悩ませていた。
――全員が寝静まった頃、ユニフォームに着替えた神童はそっと地蔵堂を出た。そのときに差し込んだ影で茜が起きたとは知らずに。
「神さま……」
神童が地蔵堂から少し離れた場所でリフティングをしていると、彼を追っていた茜はそっと木の陰からその様子を見守る。
(信助も化身アームドを完成させた……俺も、早く信長とのミキシマックスを成功させなきゃいけないのに……!)
「――お上手ですね」
「!」
声をかけられたので神童はボールを足で止めると、うしろにお勝がいた。
「まるで、お月様と踊っているみたい」
「お勝さん……」
「眠れないのですか?」
「っ……」
「何か、お悩みごとでも?」
「いや、どうすれば信長に会えるのか考えていたんです」
「そうでしたか……」
(神さまに近づき過ぎ!)
仲睦まじくそれでいて神童に近づくお勝に、神童に好意を寄せる茜はヤキモチを妬いていた。そして神童は再びリフティングを始める。
「信長様に会われたら、拓人様は行ってしまわれるのですよね……」
「えっ?」
「あっ! いえ、その……」
思わず言ってしまったのか、お勝は頬を赤らめると神童から背を向けた。
「拓人様の、踊るような蹴鞠が見れなくなるのは、寂しいなって……」
「お勝さん……」
本当はそれだけじゃないが、お勝はそう言って誤魔化した。
「神さまのリフティングは、踊るように綺麗……確かにそうかも。あっ! ――神さま、それです!」
「「わああっ!」」
お勝の言葉に同意していると、あることが閃いて勢いのあまり茂みから出てきた茜に、神童もお勝も驚きの声を上げるのだった。
――茜は地蔵堂に戻って眠っていたみんなを起こし、先ほど閃いた案を全員に伝えた。
「「「「「ええぇぇえええ!?」」」」」
「俺たちが、踊り子になる!?」
「これが最高の手」
「信長が開く花見の宴に入り込むことができれば、信長とのミキシマックスのチャンスが来る。どうやって宴に入り込むのかが一番の問題だったが……」
「踊り子なら警戒されずに信長に近づける、か」
「ウム! 素晴らしいアイディアぜよ!」
ありえないと驚く天馬とは別に、茜の案にナイスアイディアと謳うフェイとワンダバと錦。踊り子は宴には最適の立場であるし、他に安がない以上これが一番だろう。
「よーしみんな! 着替えるのだ! 可愛い踊り子に変装し、信長に接近する! 名付けて『踊り子大作戦』だー!」
「うおおおっ! 燃えてきたぜよ!」
「ホントにやるのー!?」
ノリノリのワンダバと錦とは別に、天馬は悲痛の声を上げるのだった。
☆コーチの 今日の格言☆
強い思いは化身だって応えてくれる!
以上!!