剣城の秘密
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「世界には兄さんが行くべきだ……俺は兄さんの活躍が見たい! 足は絶対に治る! 井上さんとの約束も絶対果たせる! だから――!」
「京介……」
必死に叫ぶ剣城の気持ちは優一にも伝わっている。だが、優一は簡単に足が動くわけじゃないと理解しているのだ。
優一の足を治すには手術が必要だ。だが海外の最新医療技術には莫大な費用がかかり、普通なら一生かかっても稼げる額ではない。剣城は手術代を稼ぐためにフィフスセクターに入ったのだと、優一は知る由(ヨシ)もなかった。
☆☆☆☆☆
グラウンドで天馬は瀬戸水鳥に、信助は空野葵に背を押されながら柔軟し、三国と霧野はパス回しをしている。神童はそれを記録しつつ、反対側で練習する他のメンバーを気にかけていた。そのときだった――。
ズザザザッ――!
「「「「「!?」」」」」
「剣城!」
土手の草を滑るように降りて来たのは剣城だ。彼の登場に天馬を始め全員が顔を向ける。
(聖帝のお望みは、雷門サッカー部を叩き潰すことだ……。フィフスセクターに逆らうことがどれほどバカげたことか、思い知らせるために……雷門は、俺が潰す!)
剣城は迷わずベンチにいる円堂の元へと向かう。同じベンチに瑞貴も座っていたため当然視界に入り、先ほど優一と話をしていたせいか罪悪感もあったが、表情には出さず円堂に告げる。
「次の試合、俺を出せ」
「「「!」」」
「お前を試合に?」
「そうだ」
突然言い出した剣城に天馬も神童も三国も目を見開くが、円堂は大きく反応せず聞き返した。
「とうとう来たんですよー! 雷門サッカー部を潰せという指示がー!」
「クッ……!」
「動きだしたな」
「でも、円堂監督もあいつがシードだということはわかっているはずです」
剣城の行動はフィフスセクターの行動というわけで、速水は頭を抱えて倉間は歯を食いしばり、三国と神童は円堂が断るだろうと思っていた。しかし――。
「いいだろう。お前には出てもらう」
「「「「「ええっ!?」」」」」
なんと円堂は了承したのだ。春奈を含めて雷門中サッカー部は驚いたが、瑞貴は予想していたのか何も言わなかった。剣城もシードとわかった上で了承する円堂に顔をしかめる。
「あんたがどういうつもりか知らないが、俺は好きにやらせてもらう」
「構わん」
今まで剣城がしてきたことを踏まえれば何するのは確実だ。それがわかっているからこそ神童は円堂に向かって抗議をする。
「待ってください、監督! こいつはシードです! 間違いなく俺たちの邪魔をします!」
「かもな」
「だったらどうして!? 本気で勝利を目指すんじゃなかったんですか!?」
「だからだ」
「えっ!?」
「勝利を目指すからこそ、剣城を出す」
「意味がわかりません!」
「――そうだ、キャプテン」
「っ!」
元凶が飄々と話し出したので神童は睨みつけるが、剣城はどこ吹く風というように告げる。
「一応伝えておく。二回戦の相手は万能坂中、スコアは0対1。――雷門の負けだ」
「「「っ!」」」
「わかったな」
神童も三国も霧野も睨みつけるが、そう言い残して剣城は練習に参加せず去って行った。
「京介……」
必死に叫ぶ剣城の気持ちは優一にも伝わっている。だが、優一は簡単に足が動くわけじゃないと理解しているのだ。
優一の足を治すには手術が必要だ。だが海外の最新医療技術には莫大な費用がかかり、普通なら一生かかっても稼げる額ではない。剣城は手術代を稼ぐためにフィフスセクターに入ったのだと、優一は知る由(ヨシ)もなかった。
☆☆☆☆☆
グラウンドで天馬は瀬戸水鳥に、信助は空野葵に背を押されながら柔軟し、三国と霧野はパス回しをしている。神童はそれを記録しつつ、反対側で練習する他のメンバーを気にかけていた。そのときだった――。
ズザザザッ――!
「「「「「!?」」」」」
「剣城!」
土手の草を滑るように降りて来たのは剣城だ。彼の登場に天馬を始め全員が顔を向ける。
(聖帝のお望みは、雷門サッカー部を叩き潰すことだ……。フィフスセクターに逆らうことがどれほどバカげたことか、思い知らせるために……雷門は、俺が潰す!)
剣城は迷わずベンチにいる円堂の元へと向かう。同じベンチに瑞貴も座っていたため当然視界に入り、先ほど優一と話をしていたせいか罪悪感もあったが、表情には出さず円堂に告げる。
「次の試合、俺を出せ」
「「「!」」」
「お前を試合に?」
「そうだ」
突然言い出した剣城に天馬も神童も三国も目を見開くが、円堂は大きく反応せず聞き返した。
「とうとう来たんですよー! 雷門サッカー部を潰せという指示がー!」
「クッ……!」
「動きだしたな」
「でも、円堂監督もあいつがシードだということはわかっているはずです」
剣城の行動はフィフスセクターの行動というわけで、速水は頭を抱えて倉間は歯を食いしばり、三国と神童は円堂が断るだろうと思っていた。しかし――。
「いいだろう。お前には出てもらう」
「「「「「ええっ!?」」」」」
なんと円堂は了承したのだ。春奈を含めて雷門中サッカー部は驚いたが、瑞貴は予想していたのか何も言わなかった。剣城もシードとわかった上で了承する円堂に顔をしかめる。
「あんたがどういうつもりか知らないが、俺は好きにやらせてもらう」
「構わん」
今まで剣城がしてきたことを踏まえれば何するのは確実だ。それがわかっているからこそ神童は円堂に向かって抗議をする。
「待ってください、監督! こいつはシードです! 間違いなく俺たちの邪魔をします!」
「かもな」
「だったらどうして!? 本気で勝利を目指すんじゃなかったんですか!?」
「だからだ」
「えっ!?」
「勝利を目指すからこそ、剣城を出す」
「意味がわかりません!」
「――そうだ、キャプテン」
「っ!」
元凶が飄々と話し出したので神童は睨みつけるが、剣城はどこ吹く風というように告げる。
「一応伝えておく。二回戦の相手は万能坂中、スコアは0対1。――雷門の負けだ」
「「「っ!」」」
「わかったな」
神童も三国も霧野も睨みつけるが、そう言い残して剣城は練習に参加せず去って行った。