大乱戦! 白鹿組!!

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――ベータもそれで構わないと言われたので、さっそく外に出るとスフィアデバイスのフィールドメイクモードにより、広場へ白線が引かれゴールが現れた。


『ワンダバスイッチ、オン!』


ワンダバスイッチを入れると、太助たち五人の服が雷門のユニフォームに変わった。


『なんだ? これ』

『雷門のユニフォームさ』

『ゆにふぉーむ……』

『この着物、スンゲー動きやすいぞ!』


見たことのない服に驚いたが、太助や市正たちは自分たちがいつも着ている着物とは違う着心地や動きやすさに感動した。天馬はユニフォームについて説明を続ける。


『ユニフォームはチームの証さ。みんなが、同じ目的のために戦う仲間なんだってことを、証明する大切なモノなんだ』

『仲間の証明、か……』

『合戦の鎧兜のようなモンだな!』

『ああ、なるほど!』


獅子丸は兵士たちが見る鎧が一緒なのと同じだと思うと、五郎太は納得したように声を上げた。


『これを着てれば、負けない気がする!』

『よし、やるぞみんな!』

『『『『『オウッ!!』』』』』

『しかし仲間に入れるとは思い切ったことをしたものだ』

『あいつらだって白鹿組が許せんはずじゃ。一番大切なのは「勝ちたい」と思う気持ちじゃからな』

『なるほど……』


ワンダバは藤吉郎の提案に驚いたものの、面白いとも思った。いくら蹴鞠に似た遊びを太助たちがやっているとはいえ、試合など一度もやったことがない。だけど何もしないでいるのが嫌だという太助たちの気持ちを藤吉郎は汲んだのだ。



☆☆☆☆☆


「おおっと!? 何故にマイクと……ほ、法螺貝?」


両チームがポジションに着いた頃、いつも通りタイムジャンプしてきた矢嶋陽介。彼は兵士のような格好をして右手にはマイク、左手には法螺貝という、異様な光景に驚いたがマイクから出るマインドコントロール波により実況者と変わった。


《さあ、まもなく試合開始! 雷門混成チーム対白鹿組の一戦! この戦国の世でキックオフ!!》

「拓人様! 太助!」


神童のことも弟・太助のことも心配で駆けつけたお勝はこの状況に驚いたが、木の陰にいたため誰も気づかない。


「いくぞ」

《試合開始だ――っ!!》

「ふっ!」

「よし!」


雷門はFWに太助、DFに獅子丸と五郎太と市正と仁悟を入れた。剣城京介が太助にボールを渡すとそれをトラップした太助は剣城にボールを返し、ドリブルする剣城に続けて天馬と神童も走り出した。


「太助! 上がるぞ!」

「上がる? どこに?」

「相手のゴールにさ!」

「ごおる?」

「あれ!?」


太助だけじゃない。他の四人も何がなんだかわからないというようにただ立っていた。その光景に天馬だけでなく、ピッチの横にいる瀬戸水鳥も空野葵も不思議そうな顔をする。


「なんで動かねぇんだ?」

「さあ?」

「もしかして、サッカーのルールを知らない……なーてんことは」


昨日天馬から太助とサッカーをしたと瑞貴は聞いていたので、試合前に五人にサッカーのことを何も教えていない。だから冗談のつもりで言ってみたが……。


「し、しまったー! あいつらにサッカーのやり方を教えてなかったー!」

「「「「えー!?」」」」


瑞貴の予想は的中してマネージャー組と一緒に驚いた。挙げ句、ワンダバは藤吉郎に縋っていた。


「どうするつもりだ、藤吉郎!」

「わしのせいにされてもな……」

「そうですよ! どうするんですか、ワンダバさん!」

「こういうときこそ、監督の出番でしょ!?」

「ウムムム……!」


葵と瑞貴は藤吉郎に詰め寄るワンダバを引き離す。ワンダバは普段からあれほど『監督』という立場にこだわっているのに、こういうとき何も言えずにいた。


「フフッ、おバカさんですこと。――てめぇら! 奴らを蹴散らせてやれ!」

「どりゃあ!」

「っ!」


その様子にベータは愉快そうに笑っていると、瞳の色を変えて白鹿組に指示を出した。すると稲葉がスライディングで剣城からボールを奪うと、落村伝来にバックパスをした。
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