衝撃の再会! 円堂大介!!
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「大勢で行ったら、おじいさん迷惑するんじゃないでしょうか?」
「それもそうじゃな……」
「ウム、大介さんが知っているのは俺と瑞貴だけだ。瑞貴は今はこの姿だし、ここはまず俺が会いに行こう」
「俺も行きます!」
一緒について行こうとした天馬の肩を、神童がポンッと軽く叩いて止めた。
「ここは、鬼道さんに任せよう」
「はい……。お願いします」
「有人、頼んだよ」
「ああ」
この場では確かに鬼道が適任だ。天馬は覇者の聖典を渡し、瑞貴は鬼道にもう一度頼んだ。
瑞貴たちと別れたあと鬼道は目的の病室に向かうと、空気の入れ替えのためか本人の意思なのか扉が開いており、鬼道は中にいる人物――円堂大介に声をかける。
大介はベッドにはいるが上半身を起こしており、外でサッカーを楽しんでいる子供たちの声を聞いていたようだ。
「失礼します」
「お前は……」
「お久しぶりです」
誰だかわかった大介は少し嬉しそうに声音を上げると、鬼道はベッドのそばへ歩み寄った。
「おおっ、鬼道。懐かしいな」
「お加減は、いかがですか?」
「ハハハハッ……いろいろガタが来てな。歳は取りたくないもんだ。ハハハハッ」
「お元気そうでなによりです」
大介はいつもの調子で返してくれる故に、鬼道は懐かしく思い微笑みながらベッドのそばにある椅子に座った。
「しかし、わしがここにいることは誰にも言っとらんはずだが……――そうか! 守か瑞貴に聞いたのか。誰にも言うなと言っといたのに」
「これを見てください」
鬼道はケースの中心のボタンを押してロックを解除し、中にある覇者の聖典を大介に見せた。それを見た大介は反応してサングラス越しに目を見開く。
「何故お前がこれを?」
「やはり、あなたが書いたモノだったのですね」
「ああ……。だいぶ古びてはいるが、間違いなくこれはわしが守に渡した遺言ノートだ。守がお前に渡したのか? 瑞貴にも内緒にしてほしいと頼んだんだが」
「円堂は……ある事情があって今はいません。瑞貴も姿を見せることはできないんです」
「ある事情? わしに言えないような事情なのか?」
「このノートには、最強のサッカーチームの秘密が書いてあると教えられました。お願いです。ノートの内容を教えてください」
「……守の身に何かあったのか? それが瑞貴が来れない理由にも繋がっていると?」
立ち上がった鬼道を真っ直ぐ見た大介は、年の功なのかこれだけの会話で円堂と瑞貴が来れない理由が只事ではないと気づいた。
「まさか、死んだのか!?」
「今はそういうことに……ですが救う方法があるのです。このノートの内容を知ることができれば」
「守を救えるだと?」
「このままだと円堂は本当に死んだことになってしまいます」
「何を言っとるのか、サッパリわからん」
「この内容を知る必要があるんです。お願いです……教えてください。大介さん……円堂だけではない、このままではサッカーも失われてしまう。俺たちは負けるわけにはいかないんです」
鬼道はサングラス越しで真っ直ぐ大介を見て頼み込んだ。しかし、大介の答えは――。
「……ダメだ。その内容を教えることはできん。もしそれを知ったとしても、どうにもならんよ。お前たちにはどうにもならん」
「どうにもならない?」
「それにな……鬼道。サッカーにとって強くなることは結果に過ぎん。競い合うことを楽しみ、熱くなって、体と心が強くなれる――それがサッカーだ。お前はそれぐらい理解していると思っていたが」
「…………」
もちろん鬼道は世界大会で大介と出会ってから、彼が後世に伝えたいことを知って胸に刻んできた。だが今回は未来からの使者で、歴史改変までしてしまう恐ろしい相手なのだ。
それを正直に伝えたところで大介が信じるわけもないと、鬼道は歯がゆく感じた。
☆☆☆☆☆
一方、瑞貴たちはロビーの長いすに座って鬼道の帰りを待っていたのだが……。
「うわああん! わあああん!」
「「「「「ん?」」」」」
「はいはい。ほら、もう少しだからね」
「いやーだー!」
うしろに座っていた少女が大泣きしており、母親が少女のお気に入りであろう猫のぬいぐるみを使ってあやしてみたが効果はなかった。
「ん?」
「ベローン」
「えっ……」
「ばあっ!」
「「「「「あっ……」」」」」
なんと信助が餅のように両頬を伸ばして舌を上にし、さらに勢いよく離すとポヨンポヨンという効果音が聞こえるようだった。思わずそれを見た雷門メンバーは恐る恐る少女に顔を戻すと……。
「アハハハッ!」
どうやら効果はあったようで、少女は信助を指差しながら笑い始めた。こちらは笑うどころか驚かされたので水鳥は信助を見ながらポツリと呟く。
「それもそうじゃな……」
「ウム、大介さんが知っているのは俺と瑞貴だけだ。瑞貴は今はこの姿だし、ここはまず俺が会いに行こう」
「俺も行きます!」
一緒について行こうとした天馬の肩を、神童がポンッと軽く叩いて止めた。
「ここは、鬼道さんに任せよう」
「はい……。お願いします」
「有人、頼んだよ」
「ああ」
この場では確かに鬼道が適任だ。天馬は覇者の聖典を渡し、瑞貴は鬼道にもう一度頼んだ。
瑞貴たちと別れたあと鬼道は目的の病室に向かうと、空気の入れ替えのためか本人の意思なのか扉が開いており、鬼道は中にいる人物――円堂大介に声をかける。
大介はベッドにはいるが上半身を起こしており、外でサッカーを楽しんでいる子供たちの声を聞いていたようだ。
「失礼します」
「お前は……」
「お久しぶりです」
誰だかわかった大介は少し嬉しそうに声音を上げると、鬼道はベッドのそばへ歩み寄った。
「おおっ、鬼道。懐かしいな」
「お加減は、いかがですか?」
「ハハハハッ……いろいろガタが来てな。歳は取りたくないもんだ。ハハハハッ」
「お元気そうでなによりです」
大介はいつもの調子で返してくれる故に、鬼道は懐かしく思い微笑みながらベッドのそばにある椅子に座った。
「しかし、わしがここにいることは誰にも言っとらんはずだが……――そうか! 守か瑞貴に聞いたのか。誰にも言うなと言っといたのに」
「これを見てください」
鬼道はケースの中心のボタンを押してロックを解除し、中にある覇者の聖典を大介に見せた。それを見た大介は反応してサングラス越しに目を見開く。
「何故お前がこれを?」
「やはり、あなたが書いたモノだったのですね」
「ああ……。だいぶ古びてはいるが、間違いなくこれはわしが守に渡した遺言ノートだ。守がお前に渡したのか? 瑞貴にも内緒にしてほしいと頼んだんだが」
「円堂は……ある事情があって今はいません。瑞貴も姿を見せることはできないんです」
「ある事情? わしに言えないような事情なのか?」
「このノートには、最強のサッカーチームの秘密が書いてあると教えられました。お願いです。ノートの内容を教えてください」
「……守の身に何かあったのか? それが瑞貴が来れない理由にも繋がっていると?」
立ち上がった鬼道を真っ直ぐ見た大介は、年の功なのかこれだけの会話で円堂と瑞貴が来れない理由が只事ではないと気づいた。
「まさか、死んだのか!?」
「今はそういうことに……ですが救う方法があるのです。このノートの内容を知ることができれば」
「守を救えるだと?」
「このままだと円堂は本当に死んだことになってしまいます」
「何を言っとるのか、サッパリわからん」
「この内容を知る必要があるんです。お願いです……教えてください。大介さん……円堂だけではない、このままではサッカーも失われてしまう。俺たちは負けるわけにはいかないんです」
鬼道はサングラス越しで真っ直ぐ大介を見て頼み込んだ。しかし、大介の答えは――。
「……ダメだ。その内容を教えることはできん。もしそれを知ったとしても、どうにもならんよ。お前たちにはどうにもならん」
「どうにもならない?」
「それにな……鬼道。サッカーにとって強くなることは結果に過ぎん。競い合うことを楽しみ、熱くなって、体と心が強くなれる――それがサッカーだ。お前はそれぐらい理解していると思っていたが」
「…………」
もちろん鬼道は世界大会で大介と出会ってから、彼が後世に伝えたいことを知って胸に刻んできた。だが今回は未来からの使者で、歴史改変までしてしまう恐ろしい相手なのだ。
それを正直に伝えたところで大介が信じるわけもないと、鬼道は歯がゆく感じた。
☆☆☆☆☆
一方、瑞貴たちはロビーの長いすに座って鬼道の帰りを待っていたのだが……。
「うわああん! わあああん!」
「「「「「ん?」」」」」
「はいはい。ほら、もう少しだからね」
「いやーだー!」
うしろに座っていた少女が大泣きしており、母親が少女のお気に入りであろう猫のぬいぐるみを使ってあやしてみたが効果はなかった。
「ん?」
「ベローン」
「えっ……」
「ばあっ!」
「「「「「あっ……」」」」」
なんと信助が餅のように両頬を伸ばして舌を上にし、さらに勢いよく離すとポヨンポヨンという効果音が聞こえるようだった。思わずそれを見た雷門メンバーは恐る恐る少女に顔を戻すと……。
「アハハハッ!」
どうやら効果はあったようで、少女は信助を指差しながら笑い始めた。こちらは笑うどころか驚かされたので水鳥は信助を見ながらポツリと呟く。