〈ゲーム終了。ゲーム終了――〉

「やった！　勝った！」

「決めたな！」

「うん！」


両手を上げて喜ぶ天馬に剣城が声をかけると、天馬は化身アームドを解いた。


「やっぱりスゴいよ、化身アームド！」

「完全に自分のモノにしたな！」

「はい！」


喜び合う信助や神童や天馬たち。同時にフィールドの外にいた瑞貴とフェイを阻む青い透明な壁も完全に消えた。


「みんな、やったね！」

「さあ、キャラバンに戻ろう！」

｢｢｢｢｢オウッ/うん！｣｣｣｣｣


サッカーバトルに勝利したことで奥の扉も開き、その先には空中庭園があった。そこに停めていたキャラバンの入口から葵が大きく手を振っている。


「みんなー！　早く乗ってー！」


瑞貴たちはキャラバンに乗り込み、全員乗ったことを確認したワンダバはタイムジャンプするためキャラバンを発進させる。


「５…４…３…２…１！　ターイムジャ――ンプッ!!」



☆☆☆☆☆


キャラバンは現代の木枯らし荘の庭に降り立ち、これから覇者の聖典の暗号を解読することになった。大人数だが木野秋は快く全員を迎える。


「いらっしゃい。今、お茶を淹れるね」

「秋ちゃん、私も手伝うよ」

「じゃあお願いしようかな」

「瑞貴さん、俺の部屋で待ってますから」

「わかった」


瑞貴は秋の手伝いをするために秋の管理人室へ、そして天馬たちは覇者の聖典を持って天馬の部屋にそれぞれ向かった。


「天馬たちから聞いたわ……瑞貴ちゃんも大変だったね。それに円堂くんが実は生きているって聞いて私もホッとした」

「うん。守もサッカーも絶対に取り戻す……そのために、私は協力を惜しまないよ」

「何かできることがあったら私にも言ってね」

「ありがとう、秋ちゃん」


嬉しそうに笑って礼を言う瑞貴に秋もまた嬉しく思った。円堂が生きていることにホッとしたのも事実だが、瑞貴が今もこうして偽りのない笑顔を浮かべてくれることに。


「あっ、それと実はね、ちょうどお客様が来ているの」

「お客様？　だったら私一人でお茶を用意しようか？」

「いいのよ。瑞貴ちゃんもよく知っている人だから」

「？」


そうは言ってもすぐに心当たりが思いつかない瑞貴は、誰だかわからず首を傾げた。秋が管理人室の部屋の扉を開けると、そこにいたのは――。


「瑞貴先ぱーい！」

「ぐえっ！」


姿を確認するや否や、いきなり抱きついてきた春奈に瑞貴はあるまじき声を上げた。昔は受け止めることもできたが、今は女性とはいえ大人と子供の差があるので……。


「無事でよかったです！　雷門中に帰って来たと思ったら未来に行くって言われて、私もう心配で心配で――」

「音無さん、瑞貴ちゃんが潰れちゃうからその辺で！」

「えっ？」


秋が声をかけたことでハッと我に返った春奈は、腕の中にいた瑞貴が目を回していたことにやっと気づいた。どうやらしゃべっている間も力を徐々に上げていったらしい。

それから瑞貴の意識がやっと戻ると、秋と春奈が作ったクッキーも付けてお茶の準備を進めた。その間に瑞貴は今まで何をやっていたかを説明する。


「覇者の聖典……そんなのが未来にあったのね」

「でも、暗号化されて未来の人たちにも読めないのに大丈夫なんですか？」

「わからないけど、今の私たちには覇者の聖典の力が必要なんだ。絶対に解読するんだ！」


瑞貴と同じように、天馬たちも必ず解読して最強チームへの手掛かりを手に入れると意気込んでいた。










☆コーチの　今日の格言☆



できることがあるなら、やらなきゃ逆に後悔しちゃうもの



以上!!