剣城の秘密
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ホーリーロード地区予選第一回戦を突破し、松風天馬は嬉しそうに西園信助と共に雷門中へ登校した。
「「おはようございます!」」
ロッカールームに来て元気よく挨拶する二人。だが室内の雰囲気はとても悪く、南沢篤志を始め雷門中サッカー部の大半が神童拓人と三国太一を責めていた。奥では顧問の音無春奈とマネージャー組がどうなるかと見守っている。
「迷惑なんだよ。お前たちの言うサッカーを押し付けるな」
「南沢さん。この間の試合、中学に入ってから初めてでした。あんなにサッカーが楽しかったのは……」
「そんなのわかってる。だが、あれはあれだ。指示に逆らってフィフスセクターが黙っていると重うか? お前たちは廃部になってもいいのか!?」
「廃部!?」
初耳だと驚く天馬に、入口の近くで壁に背を預けて両手を組んでいた霧野蘭丸が説明する。
「逆らって廃部になった学校はいくつもあるんだ」
「そんなのも知らないのかよ」
「怖いんですよ……」
「俺だって思いっきりやりてぇよ! けど、サッカーできなくなるのはごめんだ!」
「全部の試合に、指示が出るわけじゃないド……。真剣にやるのは、そんときでいいド……」
テーブルを囲って座る倉間典人や速水鶴正、三年になるまで耐えてきた車田剛一と天城大地、現実が厳しいからこそ嫌でも逆らえなかったのだ。
「ハァ……。神童、お前と気持ちは同じだ。でも南沢さんの言うこともよくわかる」
「今まで通りやるしかないんだよ」
「お前たちに付き合って将来をムダにはできない」
霧野が溜息を吐いて告げた言葉は一時期に神童も悩んでいたことだ。倉間と南沢は将来のためにもこれまで通りフィフスセクターに従うと決めていた。
――サッカー棟で仲間割れしている一方で、円堂瑞貴と円堂守は理事長室に呼ばれていた。訪れると当然の如く金山郷造は怒りを露わにしていた。
「勝敗指示に逆らって、何故試合な勝ったのです!?」
「監督の責任を果たしただけです」
「同じく、コーチとして当然のことをしただけです」
「フィフスセクターを怒らせたら、雷門は廃校の可能性すらあるのですぞ!?」
「私たち、これでおしまいなんでしょうか……!?」
立場上のこともあって冬海卓はハラハラしていた。しかし金山は何かを閃いたようでニヤリと笑う。
「フッ。いや、責任を取る方法はあります。――監督が辞任することです。当然、監督の味方をするコーチもです」
「「お断りします」」
「フッ。では、理事長の権限で辞めていただこう」
「そ、そうです。辞めていただきましょう、今すぐ!」
「「……失礼します」」
これ以上話すことはないとわかり、円堂と瑞貴は礼をすると理事長室から出て行った。
「どんな気分です? 元監督、元コーチ」
理事長室の扉のそばで、剣城京介が壁に背を預けながらニヤリと皮肉気に笑っていた。しかしそれをモノともせず、円堂と瑞貴は笑顔わ向ける。
「練習に来い、剣城!」
「待ってるよ!」
「……っ!」
予想と違う……いや、予想通りの反応を見せた二人に剣城は顔をしかめた。これで悔しがったり逆に威嚇されたら、フィフスセクターに反抗しようと最初からしないだろう。
円堂が背を向けて歩いて行くと瑞貴もそのあとを追おうとしたが、何かを思い出したように「あっ、そうだ」と言って再び剣城に向き合った。
「剣城くん、君――お兄さんがいるかな?」
「!」
その言葉に剣城は目を見開いた。反応からして間違いないと思った瑞貴は再び剣城に問いかける。
「「おはようございます!」」
ロッカールームに来て元気よく挨拶する二人。だが室内の雰囲気はとても悪く、南沢篤志を始め雷門中サッカー部の大半が神童拓人と三国太一を責めていた。奥では顧問の音無春奈とマネージャー組がどうなるかと見守っている。
「迷惑なんだよ。お前たちの言うサッカーを押し付けるな」
「南沢さん。この間の試合、中学に入ってから初めてでした。あんなにサッカーが楽しかったのは……」
「そんなのわかってる。だが、あれはあれだ。指示に逆らってフィフスセクターが黙っていると重うか? お前たちは廃部になってもいいのか!?」
「廃部!?」
初耳だと驚く天馬に、入口の近くで壁に背を預けて両手を組んでいた霧野蘭丸が説明する。
「逆らって廃部になった学校はいくつもあるんだ」
「そんなのも知らないのかよ」
「怖いんですよ……」
「俺だって思いっきりやりてぇよ! けど、サッカーできなくなるのはごめんだ!」
「全部の試合に、指示が出るわけじゃないド……。真剣にやるのは、そんときでいいド……」
テーブルを囲って座る倉間典人や速水鶴正、三年になるまで耐えてきた車田剛一と天城大地、現実が厳しいからこそ嫌でも逆らえなかったのだ。
「ハァ……。神童、お前と気持ちは同じだ。でも南沢さんの言うこともよくわかる」
「今まで通りやるしかないんだよ」
「お前たちに付き合って将来をムダにはできない」
霧野が溜息を吐いて告げた言葉は一時期に神童も悩んでいたことだ。倉間と南沢は将来のためにもこれまで通りフィフスセクターに従うと決めていた。
――サッカー棟で仲間割れしている一方で、円堂瑞貴と円堂守は理事長室に呼ばれていた。訪れると当然の如く金山郷造は怒りを露わにしていた。
「勝敗指示に逆らって、何故試合な勝ったのです!?」
「監督の責任を果たしただけです」
「同じく、コーチとして当然のことをしただけです」
「フィフスセクターを怒らせたら、雷門は廃校の可能性すらあるのですぞ!?」
「私たち、これでおしまいなんでしょうか……!?」
立場上のこともあって冬海卓はハラハラしていた。しかし金山は何かを閃いたようでニヤリと笑う。
「フッ。いや、責任を取る方法はあります。――監督が辞任することです。当然、監督の味方をするコーチもです」
「「お断りします」」
「フッ。では、理事長の権限で辞めていただこう」
「そ、そうです。辞めていただきましょう、今すぐ!」
「「……失礼します」」
これ以上話すことはないとわかり、円堂と瑞貴は礼をすると理事長室から出て行った。
「どんな気分です? 元監督、元コーチ」
理事長室の扉のそばで、剣城京介が壁に背を預けながらニヤリと皮肉気に笑っていた。しかしそれをモノともせず、円堂と瑞貴は笑顔わ向ける。
「練習に来い、剣城!」
「待ってるよ!」
「……っ!」
予想と違う……いや、予想通りの反応を見せた二人に剣城は顔をしかめた。これで悔しがったり逆に威嚇されたら、フィフスセクターに反抗しようと最初からしないだろう。
円堂が背を向けて歩いて行くと瑞貴もそのあとを追おうとしたが、何かを思い出したように「あっ、そうだ」と言って再び剣城に向き合った。
「剣城くん、君――お兄さんがいるかな?」
「!」
その言葉に剣城は目を見開いた。反応からして間違いないと思った瑞貴は再び剣城に問いかける。