覇者の聖典を手に入れろ!
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「錦先輩」
「オウッ」
最後の錦は天馬と剣城にダクトの中へと引っ張ってもらった。これで無事全員が入ることができた。ダクトの通路はとても狭く、子供の彼らでも四つん這いになって進むしかない。唯一背の低い信助は少し屈むだけで普通に歩いていた。
しかしこちらのルートもまた行き止まりに当たってしまった。フェイは先頭にいる瑞貴に声をかける。
「非常用の解除装置があるはずです」
「これかな?」
瑞貴は右の壁の一部が違うことに気づいて手をかけると、小さな扉になっていた。そして中にはレバーがあり、手前に引くと行き止まりと思っていた正面の壁が開いた。
「開いた!」
「っ、だけど本当に危ない場所みたいだよ」
「えっ?」
瑞貴の隣にいた天馬が声を上げるが、瑞貴はその下の景色を見て眉をしかめた。ダクトから足場に辿り着く梯子はあるものの、その下は最下層が見えないくらいの円状の巨大な空洞となっており、まるで奈落だ。落ちたらひとたまりもないだろう。
全員ダクトから出て床に降りると、今いる足場ですら横に並んで立つこともままならない。そして改めて下の空洞を見て恐れるように声を漏らす。
「「え~~……!」」
「進入路はあそこしかない」
フェイが見上げた所は、自分たちがいる反対側の壁にある折りたたみ式の梯子だ。梯子の下には足場を伝うことで行けるが、梯子自体は背の高い錦でも全然届かない場所にある。
「届かんぜよ……」
「やるしかないな。みんなの力を合わせるんだ」
神童がとある作戦を伝える。まず梯子の下に行き、体格のいい錦を一番下にして瑞貴とフェイが錦を支えつつ両手を合わせて足場にし、それを使って神童、剣城、天馬の順で壁に手を当てつつ下にいる者の肩の上に立つ。
最後に信助が持ち前の身軽さで素早く一番上にいる天馬の両肩に足をつき、梯子へ手を伸ばそうとする。だが、あと一歩の所で手が届かないのだ。
「どう? 届いた?」
「ぐっ、くっ……」
信助は一生懸命背伸びをしてなんとか梯子に届こうとするが――なんとバランスを崩してしまった。
「う、うわあっ!」
「「「「「あっ!」」」」」
「「「「「うわあぁぁあああ!」」」」」
信助を始め下にいる天馬も剣城も神童も壁から手を離してしまった。このままでは全員か、もしくは錦より上にいる四人が奈落の底へ落ちてしまう。
「飛んで!」
「えいっ!」
天馬はとっさに信助を投げ飛ばし、その勢いで信助は梯子に手が届いた。
残ったメンバーはなんとかお互いが自分より上に乗っている者の両足をしっかりつかみ、瑞貴とフェイも錦をしっかりつかんだので誰一人落ちることはなく、一番上の天馬も逆さまになったが壁に手を当てて頭をぶつけることはなかった。
「フゥ~……助かった……」
「みんな、そのまましっかり手をつかんでて! フェイくん、一緒に引っ張るよ!」
「はい!」
梯子は信助が降ろしてくれて、その間に瑞貴とフェイが慎重かつ順番に引き上げたので全員足場に腰を落とすことができた。
「よかった……」
「胆が冷えたぜよ……」
「さすがは信助のジャンプ力だ」
「エッヘヘヘ」
窮地の危機に陥ったが梯子を下ろすことに成功したので神童が褒めると、信助は得意げに鼻の下を擦った。
そして梯子を登ってもう一度ダクトの中に入り、また四つん這いになったり屈んで歩いたりして進んで行く。そしてダクトから出てもう一つの扉の前に降りた頃、ワンダバはセキュリティコードの解析が終了していた。
〈セキュリティコード解析完了。転送する〉
「了解。開いてくれよ……!」
装置にワンダバから送られたコードを入力しながら、フェイは祈るように呟いた。すると扉が開いて新たな通路が現れる。
その奥へと警戒しながら進んで行くと、角に大きなロボットが見えたのでフェイや剣城たちは身を潜める。
「警備ロボットだ」
「こんなモノまであるとはな……」
「第三展示室まですぐそこだ。見つからないように注意して」
警備ロボットは奥に六体ほど並んでいるため、この通路はさけることにした。
「オウッ」
最後の錦は天馬と剣城にダクトの中へと引っ張ってもらった。これで無事全員が入ることができた。ダクトの通路はとても狭く、子供の彼らでも四つん這いになって進むしかない。唯一背の低い信助は少し屈むだけで普通に歩いていた。
しかしこちらのルートもまた行き止まりに当たってしまった。フェイは先頭にいる瑞貴に声をかける。
「非常用の解除装置があるはずです」
「これかな?」
瑞貴は右の壁の一部が違うことに気づいて手をかけると、小さな扉になっていた。そして中にはレバーがあり、手前に引くと行き止まりと思っていた正面の壁が開いた。
「開いた!」
「っ、だけど本当に危ない場所みたいだよ」
「えっ?」
瑞貴の隣にいた天馬が声を上げるが、瑞貴はその下の景色を見て眉をしかめた。ダクトから足場に辿り着く梯子はあるものの、その下は最下層が見えないくらいの円状の巨大な空洞となっており、まるで奈落だ。落ちたらひとたまりもないだろう。
全員ダクトから出て床に降りると、今いる足場ですら横に並んで立つこともままならない。そして改めて下の空洞を見て恐れるように声を漏らす。
「「え~~……!」」
「進入路はあそこしかない」
フェイが見上げた所は、自分たちがいる反対側の壁にある折りたたみ式の梯子だ。梯子の下には足場を伝うことで行けるが、梯子自体は背の高い錦でも全然届かない場所にある。
「届かんぜよ……」
「やるしかないな。みんなの力を合わせるんだ」
神童がとある作戦を伝える。まず梯子の下に行き、体格のいい錦を一番下にして瑞貴とフェイが錦を支えつつ両手を合わせて足場にし、それを使って神童、剣城、天馬の順で壁に手を当てつつ下にいる者の肩の上に立つ。
最後に信助が持ち前の身軽さで素早く一番上にいる天馬の両肩に足をつき、梯子へ手を伸ばそうとする。だが、あと一歩の所で手が届かないのだ。
「どう? 届いた?」
「ぐっ、くっ……」
信助は一生懸命背伸びをしてなんとか梯子に届こうとするが――なんとバランスを崩してしまった。
「う、うわあっ!」
「「「「「あっ!」」」」」
「「「「「うわあぁぁあああ!」」」」」
信助を始め下にいる天馬も剣城も神童も壁から手を離してしまった。このままでは全員か、もしくは錦より上にいる四人が奈落の底へ落ちてしまう。
「飛んで!」
「えいっ!」
天馬はとっさに信助を投げ飛ばし、その勢いで信助は梯子に手が届いた。
残ったメンバーはなんとかお互いが自分より上に乗っている者の両足をしっかりつかみ、瑞貴とフェイも錦をしっかりつかんだので誰一人落ちることはなく、一番上の天馬も逆さまになったが壁に手を当てて頭をぶつけることはなかった。
「フゥ~……助かった……」
「みんな、そのまましっかり手をつかんでて! フェイくん、一緒に引っ張るよ!」
「はい!」
梯子は信助が降ろしてくれて、その間に瑞貴とフェイが慎重かつ順番に引き上げたので全員足場に腰を落とすことができた。
「よかった……」
「胆が冷えたぜよ……」
「さすがは信助のジャンプ力だ」
「エッヘヘヘ」
窮地の危機に陥ったが梯子を下ろすことに成功したので神童が褒めると、信助は得意げに鼻の下を擦った。
そして梯子を登ってもう一度ダクトの中に入り、また四つん這いになったり屈んで歩いたりして進んで行く。そしてダクトから出てもう一つの扉の前に降りた頃、ワンダバはセキュリティコードの解析が終了していた。
〈セキュリティコード解析完了。転送する〉
「了解。開いてくれよ……!」
装置にワンダバから送られたコードを入力しながら、フェイは祈るように呟いた。すると扉が開いて新たな通路が現れる。
その奥へと警戒しながら進んで行くと、角に大きなロボットが見えたのでフェイや剣城たちは身を潜める。
「警備ロボットだ」
「こんなモノまであるとはな……」
「第三展示室まですぐそこだ。見つからないように注意して」
警備ロボットは奥に六体ほど並んでいるため、この通路はさけることにした。