覇者の聖典を手に入れろ!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ねぇ、フェイ。二百年後の街ってどうなってるの?」
「えっ?」
「そうだ! 俺もそれ知りたい! 未来へ行くのは初めてなんだもん!」
「きっと、スゴいハイテクの都市ぜよ。車が空飛んだり、時間を飛び越えたりするんじゃきに」
「行けばわかるよ」
未知の世界へワクワクしているみんなに、フェイは微笑ましそうに笑った。
「え~! 教えてよ! フェイは、どんな所に住んでるの? あっ、家族や兄弟は?」
「…………」
「ん?」
天馬がフェイの家族構成を聞こうとしたとき、さっきまで笑っていたフェイは顔を逸らして悲しそうな表情をした。それに天馬は不思議に思ったが、それ以上追及することはなかった。
☆☆☆☆☆
ワームホールを抜けたキャラバンは、二百年後の未来にあるサッカー記念博物館に到着した。こちらは夜になっており、行動に移した信助たち潜入組は茂みの中に隠れている。
「これが、未来の博物館か……」
天馬と瑞貴は博物館を見ながら、現代でキャラバンに乗り込む前のことを思い出す。
鉄塔広場でフェイが前にも使った緑の石を光らせ、頭上を中心にドーム型にして全員を包んだ。そして表示されたのは未来都市にふさわしい大型の建物が映り、それを見ながらワンダバが説明を始める。
『これがサッカー記念博物館だ。覇者の聖典は第三展示室にある。私は侵入ルートにある監視システムにハッキングし、諸君を安全かつ迅速に第三展示室へ導く』
(頼むぞ、ワンダバ……!)
(お願いね……!)
天馬と瑞貴はワンダバの指示の成功を願った。
住む時代すら違う自分たちにとってはまさに未知の領域なのだ。覇者の聖典を手に入れるためにはワンダバにかかっていると言っても過言ではない。
〈ハッキング完了!〉
ワンダバから準備ができたと知らせを受け、フェイの案内の元で瑞貴たちは作戦を始めた。
まず博物館の周りを慎重に走って行くと、階段の一部がフタのようになっていた。それを見たフェイは左腕に付けている装置で地図を表示する。
「ここだ」
侵入ルートとなる入口を確認したフェイは装置を操作した。するとフタが開き、中へ続く階段が現れる。
「行くぞ、みんな」
「「「「「うん」」」」」
神童がそう告げると、全員小さめの声音だが力強く頷いた。
博物館の中は通常とは異なるルートの為入り組んでいるが、機械の明かりで全くの暗闇ではない。おかげで慎重だが順調に進んでいる。
〈そうだ、そこを左へ行くんだ〉
「OK」
キャラバンのモニターでフェイたちの現在位置を確認しながらワンダバは指示を出した。それを受けたフェイは合図を出してみんなを誘導する。
〈そこを曲がって奥の扉を開けろ〉
行き止まりとなっている扉を前にすると、フェイは左腕の装置を使って入力するが……。
「あれ? 開かないよ」
〈待ってくれ。セキュリティコードが違うようだ〉
「手強いね……」
〈これでどうだ? やってみてくれ〉
ワンダバから新たに受け取ったコードを入力するが、やはり扉は開かない。
「ダメだ」
「そんな……!」
「ワンダバ、他の道は?」
〈あるにはあるが……〉
当初に予定していたルートとは違うルートを求めるフェイに、ワンダバは難しい声を出してとある場所を示した。
「えっ? ダクト?」
〈セキュリティコードの解析には時間がかかる。待ってはいられまい〉
「わかった」
〈気をつけて行け〉
扉のすぐそばの天井を見上げれば確かにダクトがあった。そこから侵入するため一番背の高い錦を足場になってもらい、次々とダクトの中へ入って行く。
「えっ?」
「そうだ! 俺もそれ知りたい! 未来へ行くのは初めてなんだもん!」
「きっと、スゴいハイテクの都市ぜよ。車が空飛んだり、時間を飛び越えたりするんじゃきに」
「行けばわかるよ」
未知の世界へワクワクしているみんなに、フェイは微笑ましそうに笑った。
「え~! 教えてよ! フェイは、どんな所に住んでるの? あっ、家族や兄弟は?」
「…………」
「ん?」
天馬がフェイの家族構成を聞こうとしたとき、さっきまで笑っていたフェイは顔を逸らして悲しそうな表情をした。それに天馬は不思議に思ったが、それ以上追及することはなかった。
☆☆☆☆☆
ワームホールを抜けたキャラバンは、二百年後の未来にあるサッカー記念博物館に到着した。こちらは夜になっており、行動に移した信助たち潜入組は茂みの中に隠れている。
「これが、未来の博物館か……」
天馬と瑞貴は博物館を見ながら、現代でキャラバンに乗り込む前のことを思い出す。
鉄塔広場でフェイが前にも使った緑の石を光らせ、頭上を中心にドーム型にして全員を包んだ。そして表示されたのは未来都市にふさわしい大型の建物が映り、それを見ながらワンダバが説明を始める。
『これがサッカー記念博物館だ。覇者の聖典は第三展示室にある。私は侵入ルートにある監視システムにハッキングし、諸君を安全かつ迅速に第三展示室へ導く』
(頼むぞ、ワンダバ……!)
(お願いね……!)
天馬と瑞貴はワンダバの指示の成功を願った。
住む時代すら違う自分たちにとってはまさに未知の領域なのだ。覇者の聖典を手に入れるためにはワンダバにかかっていると言っても過言ではない。
〈ハッキング完了!〉
ワンダバから準備ができたと知らせを受け、フェイの案内の元で瑞貴たちは作戦を始めた。
まず博物館の周りを慎重に走って行くと、階段の一部がフタのようになっていた。それを見たフェイは左腕に付けている装置で地図を表示する。
「ここだ」
侵入ルートとなる入口を確認したフェイは装置を操作した。するとフタが開き、中へ続く階段が現れる。
「行くぞ、みんな」
「「「「「うん」」」」」
神童がそう告げると、全員小さめの声音だが力強く頷いた。
博物館の中は通常とは異なるルートの為入り組んでいるが、機械の明かりで全くの暗闇ではない。おかげで慎重だが順調に進んでいる。
〈そうだ、そこを左へ行くんだ〉
「OK」
キャラバンのモニターでフェイたちの現在位置を確認しながらワンダバは指示を出した。それを受けたフェイは合図を出してみんなを誘導する。
〈そこを曲がって奥の扉を開けろ〉
行き止まりとなっている扉を前にすると、フェイは左腕の装置を使って入力するが……。
「あれ? 開かないよ」
〈待ってくれ。セキュリティコードが違うようだ〉
「手強いね……」
〈これでどうだ? やってみてくれ〉
ワンダバから新たに受け取ったコードを入力するが、やはり扉は開かない。
「ダメだ」
「そんな……!」
「ワンダバ、他の道は?」
〈あるにはあるが……〉
当初に予定していたルートとは違うルートを求めるフェイに、ワンダバは難しい声を出してとある場所を示した。
「えっ? ダクト?」
〈セキュリティコードの解析には時間がかかる。待ってはいられまい〉
「わかった」
〈気をつけて行け〉
扉のすぐそばの天井を見上げれば確かにダクトがあった。そこから侵入するため一番背の高い錦を足場になってもらい、次々とダクトの中へ入って行く。