勝利への反乱!
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《ここで試合終了――っ!! 2対1! 地区予選初戦、激闘を制したのは雷門中です!!》
「バカな……俺たちが……!」
負けたことに信じられず両膝を付く隼総の肩を、喜多はポンッと手を置いた。その表情は敗北したというのにとても清々しい。
「本気なんだな……神童くん」
喜多の視線の先にいるのは、化身を出した反動か肩で息をする神童だ。彼はちゃんと化身を出して使いこなせたので笑顔になる。
「出せた……俺の化身……!」
「やったな、神童!」
「三国さんが止めてくれたおかげです!」
「やっぱり、勝利の女神の前でみっともないプレーはできないぜ」
「えっ?」
「後輩の前でもな」
一瞬三国の言葉にわからなかったが、続いての言葉に二人は手を取って喜び合う天馬と信助を見る。
「「やった! やったー!」」
「不思議な奴だな、あいつは。心に溜まったモヤモヤを吹き払ってくれる」
「まるで、そよ風みたいな奴ですね」
「あいつとなら、変えられるかもしれない……この腐敗したサッカーを!」
だが、勝利に喜んでいるのは全員じゃない。浜野や南沢たちは信じられない気持ちと恐れを持っている。
「本当に…勝っちゃった……」
「しかもホーリーロードの地区予選……今度ばかりは言い逃れはできない」
「あ~……。俺たち、もう終わりです……!」
速水は頭を抱えて膝を崩した。栄都戦のときのようにはいかないと絶望しているのだ。
☆☆☆☆☆
フィフスセクター本拠地にある薄暗く広い部屋で、試合を見ていたが信じられない結果にある人物の側近の者は驚く。
「まさか、こんなことが……!」
「面白い結果になったな。反乱、か……」
喜び合う一部の雷門中サッカー部のメンバーを見て、不敵に笑ったのは聖帝・イシドシュウジだった。
☆☆☆☆☆
試合が終わった夜――自宅でソファに座る円堂の足の間に座った瑞貴は、円堂に抱きしめられている。二人は一回戦を勝てたことに喜びを感じていた。
天河原中にシードで化身使いがいたというハプニングはあったが見事に勝てた。……だが、それがいつまでも続くわけじゃないと二人もわかっている。
「GKの三国が覚醒してくれたのは大きな一歩だ。この調子で、他のみんなも本気のサッカーをしてくれればいいんだが……」
「そううまくいかないだろうね。フィフスセクターの管理サッカーは彼らの心に食い込んでいる。これを引っ張り上げるのは至難の技になりそうだよ」
「ああ。それに今の状態でも俺も言うべきことはみんなに言った。あとは同じ世代の仲間たち次第だ」
「こう、一発ガツンと来るモノが欲しいんだよね……」
瑞貴は拳を手の平にぶつけて『ガツン』の表現をした。三国が天馬と信助の練習の成果に感化されたように、心に響く何かがないと動けないだろう。
「俺は、なんとかなるって信じてる」
「えっ?」
「本気で勝ちたいという、あいつらの気持ちが勝利の女神を微笑ました。だから俺たちもあきらめなければ、なんとかなるって思えるんだ」
拳を握ってニカッと笑う円堂に、瑞貴は目をパチクリしたが続いて微笑む。
「フフッ」
「どうしたんだ?」
「相変わらず守は安心させてくれるから。フィフスセクターや理事長が相手の大人としての戦いも勝てるって思えちゃうよ」
「当たり前だろ。絶対勝てる! だって――俺の勝利の女神は瑞貴だからな」
「っ!」
再び満面の笑みを向けられ、思わぬ不意打ちに瑞貴は顔を赤くする。
「……バカ」
「今、バカって言わなかったか?」
「知らない!」
十年前は恋愛に疎かった円堂も、今じゃしっかり愛を瑞貴に向けている。天然な部分もあるので余計質(タチ)が悪いと瑞貴は思った。
☆コーチの 今日の格言☆
サッカーは管理するのではなく、自由であるからこそ本当の価値が生まれます。
以上!!
「バカな……俺たちが……!」
負けたことに信じられず両膝を付く隼総の肩を、喜多はポンッと手を置いた。その表情は敗北したというのにとても清々しい。
「本気なんだな……神童くん」
喜多の視線の先にいるのは、化身を出した反動か肩で息をする神童だ。彼はちゃんと化身を出して使いこなせたので笑顔になる。
「出せた……俺の化身……!」
「やったな、神童!」
「三国さんが止めてくれたおかげです!」
「やっぱり、勝利の女神の前でみっともないプレーはできないぜ」
「えっ?」
「後輩の前でもな」
一瞬三国の言葉にわからなかったが、続いての言葉に二人は手を取って喜び合う天馬と信助を見る。
「「やった! やったー!」」
「不思議な奴だな、あいつは。心に溜まったモヤモヤを吹き払ってくれる」
「まるで、そよ風みたいな奴ですね」
「あいつとなら、変えられるかもしれない……この腐敗したサッカーを!」
だが、勝利に喜んでいるのは全員じゃない。浜野や南沢たちは信じられない気持ちと恐れを持っている。
「本当に…勝っちゃった……」
「しかもホーリーロードの地区予選……今度ばかりは言い逃れはできない」
「あ~……。俺たち、もう終わりです……!」
速水は頭を抱えて膝を崩した。栄都戦のときのようにはいかないと絶望しているのだ。
☆☆☆☆☆
フィフスセクター本拠地にある薄暗く広い部屋で、試合を見ていたが信じられない結果にある人物の側近の者は驚く。
「まさか、こんなことが……!」
「面白い結果になったな。反乱、か……」
喜び合う一部の雷門中サッカー部のメンバーを見て、不敵に笑ったのは聖帝・イシドシュウジだった。
☆☆☆☆☆
試合が終わった夜――自宅でソファに座る円堂の足の間に座った瑞貴は、円堂に抱きしめられている。二人は一回戦を勝てたことに喜びを感じていた。
天河原中にシードで化身使いがいたというハプニングはあったが見事に勝てた。……だが、それがいつまでも続くわけじゃないと二人もわかっている。
「GKの三国が覚醒してくれたのは大きな一歩だ。この調子で、他のみんなも本気のサッカーをしてくれればいいんだが……」
「そううまくいかないだろうね。フィフスセクターの管理サッカーは彼らの心に食い込んでいる。これを引っ張り上げるのは至難の技になりそうだよ」
「ああ。それに今の状態でも俺も言うべきことはみんなに言った。あとは同じ世代の仲間たち次第だ」
「こう、一発ガツンと来るモノが欲しいんだよね……」
瑞貴は拳を手の平にぶつけて『ガツン』の表現をした。三国が天馬と信助の練習の成果に感化されたように、心に響く何かがないと動けないだろう。
「俺は、なんとかなるって信じてる」
「えっ?」
「本気で勝ちたいという、あいつらの気持ちが勝利の女神を微笑ました。だから俺たちもあきらめなければ、なんとかなるって思えるんだ」
拳を握ってニカッと笑う円堂に、瑞貴は目をパチクリしたが続いて微笑む。
「フフッ」
「どうしたんだ?」
「相変わらず守は安心させてくれるから。フィフスセクターや理事長が相手の大人としての戦いも勝てるって思えちゃうよ」
「当たり前だろ。絶対勝てる! だって――俺の勝利の女神は瑞貴だからな」
「っ!」
再び満面の笑みを向けられ、思わぬ不意打ちに瑞貴は顔を赤くする。
「……バカ」
「今、バカって言わなかったか?」
「知らない!」
十年前は恋愛に疎かった円堂も、今じゃしっかり愛を瑞貴に向けている。天然な部分もあるので余計質(タチ)が悪いと瑞貴は思った。
☆コーチの 今日の格言☆
サッカーは管理するのではなく、自由であるからこそ本当の価値が生まれます。
以上!!