極めろ! 化身アームド!!
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バシュンッ!
なんとゴール前に巨大な斧でシュートを止める、闇の世界から来たような荒々しい化身が現れた。雷門のデータでは見たことのない化身にエイナムたちは驚く。
「なんだ、あの化身は!?」
「ダークエクソダス!」
「ってことは……!」
天馬と葵たちはその化身に見覚えがあり、そしてその化身の主も知っている。
化身――暗黒神ダークエクソダスは、ボールを浮かばせると斧を大きく振り上げて打ち返した。その威力にエイナムたちは左右に飛び退く。ボールはゴールに入らずうしろの柱に叩きつけたものの、その軌道は威力を表すかのようにフィールドに巨大な亀裂を作った。
その衝撃に乗じたのか、雷門は選手だけでなくベンチにいる者たちまで姿を消した。しかしレイザたちは雷門より暗黒神ダークエクソダスのほうが気がかりである。
「今の化身は……!?」
「わからない……データ不足だ」
ピピピッ。
「こちらエイナムです」
〈忙しそうだけど~ちょっといいかしら?〉
「リーダー……」
「「「「なっ!」」」」
通信の相手は未来にいるベータのようだ。まさかの相手だったのか他の四人は思わず声を上げる。
〈心配したんだから~。急に姿が見えなくなっちゃうんですもの〉
「雷門との戦闘行動に出ていました。自分の他に四名」
〈まあ! 議長の許可も得ずに? エイナムったら、悪い子ね!〉
「独断は謝罪します。しかし、雷門がこのような活動を続ける以上、排除は急務と考えます。彼らの活動はリーダーをムゲン牢獄へ送り込むことにもなりかねません」
〈あら、嬉しい! 私の心配をしてくれちゃうの? それで、バトルはどうなったのかな?〉
「残念ながら、果たせませんでした」
〈負けちゃったのかしら?〉
「いえ……正体不明の化身によって妨害され、敵は全員逃走しました。これより、追跡を開始します」
〈わかりました。充分に注意してくださいね〉
「イエス」
☆☆☆☆☆
エイナムと通信を終えたベータはコッソリとひと息つく。するとうしろから通信も兼ねたトウドウ=ヘイキチのホログラムが現れた。
〈狐と狸の化かし合いだな〉
「議長。聞いてらしたんですか?」
〈あの五人はアルファの忠実な部下だ。敵討ちでもするつもりだろうな〉
「イエス。私もそうだと思います」
そしてトウドウのホログラムは消えた。
「帰ってきたら、怖いことになっちゃう……私は楽しいんだけど」
どちらにしろトウドウやベータの命令もなく、単独行動をしたエイナムたちはエルドラドに帰ってきたらタダじゃおかないだろう。ベータは面白いというように妖しく笑っていた。
☆☆☆☆☆
目を覚ました瑞貴は周りを見渡すと、そこはスタジアムではなくどこかの森の中だった。そして続いて気がついた天馬たちも起き上がる。
「ここは……?」
「あっ! 信助!」
何かを見つけた天馬が大木の元へ行くと、根には変わった形をした地蔵があった。それは天馬だけでなく信助も見覚えがある。
「このお地蔵さん……!」
「うん!」
「何これ?」
「この島の、サッカーの神様だよ」
「神様?」
葵や水鳥たちは初めて見るので、天馬に尋ねると茜も写真を撮る。
「前に来たとき見つけたんです」
「っ!」
「「「「「?」」」」」
フェイ=ルーンが気配を感じて顔を向けると、その様子に気づいた瑞貴たちも顔を向けると……石段の上に生えていた木のそばに座る少年がいた。
「やあ」
「シュウ!」
かつて特訓を指導してくれて、戦ったこともあるゴッドエデンに住む少年で、先ほどの暗黒神ダークエクソダスの主――シュウだ。
久しぶりの再会に天馬たちは嬉しそうに駆け寄ると、シュウも石段から下の地に降りた。