壮絶! プロトコル・オメガ2.0!!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
☆☆☆☆☆
「ただいまー」
とりあえず今日は体を休め、行動を起こすのは明日からにしようというワンダバの提案でそれぞれ帰宅した。
瑞貴もまた自宅に戻ったのだが、円堂が封印されたため今日からまた一人で暮らすことになった。この状況に孤独を覚えてしまうが、気持ちを切り替えるためにも頬を軽く叩く。
「よし! まずはご飯を作らなくちゃね!」
とりあえず栄養を取って明日に備えようと瑞貴は意気込み、リビングの電気を点けると……。
「!」
慣れ親しんだはずのリビングに今まで見たことのないモノがあり、瑞貴はそれを見て目を見開きショックが再来した。それはなんと――仏壇に円堂の写真が置いてあったのだ。
「どうして……」
ピンポーン。
「!」
信じられないような目で仏壇を見るとインターフォンが鳴った。モニターを表示してみればそこにいたのは神崎シンだったので、瑞貴は急いで扉を開いた。
「シン!」
「急に来てごめんね。今、いいかな?」
「うん。とりあえず上がって」
瑞貴はシンをリビングに上げてお茶を出し、向かいになるように座った。
「今回の事件……すまないが、僕は力になれない」
「やっぱり、神様の決まりってこと?」
「うん……」
シンは瑞貴の世界をトリップさせた張本人であり、次元と時空を司る神・シィング=エターナルでもある。トリップさせた代償でもある瑞貴の願いでこの世界に留まりつつも神としての役割を果たしている。
「人類の力が時間を超えるのは他の世界では珍しいことではないんだ。科学だけじゃなく魔法でタイムスリップする世界もある。僕が神の力で元に戻すのは簡単だけど、逆にそれはこの世界を崩壊させることになるからね」
「でもシンは、歴史改変の影響を受けていないよね?」
「僕もこの世界で言う異端者だからね。円堂くんが生きていることは知っているし、この先何度歴史の改変があろうと、僕はその場に立ち会ってなくても真実を知っている。瞳子ちゃんたちと話を合わせるのは大変だけどね……」
シンだってできるなら力になりたい。だが、世界が崩壊すれば瑞貴はおろか妻の神崎瞳子も、雷門中サッカー部も全てがなくなってしまう。
「……それじゃあ私も?」
「瑞貴は僕と違って普通の人間だ。トリップする前はこの世界と瑞貴自身がシンクロしていなかったけど、時間が経つに連れて一つになる。パラレルワールドみたいなものだよ」
「つまり、クリームソーダやフロートみたいな感じだよね。あれもアイスが徐々にジュースへ溶けて一つになるから」
「そう思ってもらって大丈夫。瑞貴がその姿になった原因もまた『異端者』という理由だ。この世界とは同調したけど、また新たな次元と少しでも接触したせいだろう。心当たりないかい?」
「そういえば……」
『……井上瑞貴、もとい円堂瑞貴。インタラプトの修正のため、封印する』
『圧縮された次元の中で、動くことも話すことも、何もできない状態にされているはずだ』
瑞貴は最初、円堂と同じようにアルファに封印されそうになった。そしてワンダバの説明によれば封印される場所は圧縮された次元――この世界とはまた違う次元なのだ。
「そのせいで体がまた新たな次元に慣れようと、この世界に来たときの姿にリセットされたんだ」
「じゃあ、もう元に戻ることはできないの!?」
「大丈夫。いつになるかわからないけど時間が経てば元に戻るよ。もう封印される心配はないしね」
シンは瑞貴の首に掛けている指輪に宿る力を感じた。危険なモノではないし、瑞貴の助けとなっているから今は何も言わないほうがいいと判断する。
「だけどさっきも言ったように瑞貴は神の力もない普通の人間――どんなに科学や魔法が発展しても、僕の正体は本物の神の力を手に入れた者しかわからないが、瑞貴は異世界人だとバレる可能性がある。瑞貴が告げようが告げまいが関係なくね」
「…………」
瑞貴が異世界人だと知るのは十年前の雷門中サッカー部とイナズマジャパンと一部の関係者、そして当時の世界大会の一部のキャプテンだけだ。中には不可抗力もあったが瑞貴が信頼した人物たちだから、それを知られても『瑞貴は瑞貴だ』と受け入れてくれた。
「瑞貴が最初にエルドラドに狙われたのも、それが関係している……それしか僕は言えない。本当にごめん」
「ううん、大丈夫……。今だって私は信頼できる教え子がいるし、未来から新しい仲間がやってきた仲間もいる。私は力になれる事があるなら、なんだってする!」
瑞貴は両手を拳にして意気込んだ。サッカーや円堂を取り戻すため、そして自分が元の姿に戻るためにも、天馬たちに協力を惜しまない。
☆コーチの 今日の格言☆
一つのことにこだわり過ぎたら、せっかくのチャンスを逃してしまう。
以上!!