驚愕! サッカー禁止令!!
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二百年後の未来――エルドラドの会議室では、トウドウ=ヘイキチたちがテーブルの中心に映るモニターでサッカー禁止令の様子を見て笑みを浮かべていた。
「さすがは『プロトコル・オメガ2.0』……見事だ。よくやった、ベータ。アルファとはレベルが違うようだな」
「フフッ。ありがとうございます」
トウドウから呼ばれた『ベータ』という少女は嬉しそうに笑った。そして同じようでそばで控えているプロトコル・オメガのメンバーは、アルファだけでなく一部の者が違う少年少女がいた。
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「――というわけで! 私、クラーク=ワンダバットは決して怪しい者ではない!」
「うん……」
「そして、彼がフェイだ」
「こんにちは」
「こんにちは……。その、フェイくんも?」
「はい。未来から来ました。変えられてしまった過去を、元に戻すために!」
「変えられてしまった過去……」
「実際、俺の過去も変えられそうになったんだ」
「えっ!?」
まさか円堂も体験者だったとは知らず、春奈は目を見開いて驚いた。円堂は春奈より先に一昨日から聞いていたし、そのときのことを思い出している。
「あのとき、サッカーを守っていなければ雷門中サッカー部は今頃存在していない。そして……」
「?」
円堂はチラッと瑞貴に目線を送ると、彼女は目をパチクリしている。
(瑞貴とも、特別な関係になることはなかった……)
自分たちが出会い共通する関係になったのは『サッカー』と『雷門中サッカー部』があるからだ。それがなかったことにされたなど考えただけでゾッとするし、実際瑞貴から雷門中サッカー部がなかった状態を聞かされてショックも受けた。
「あーもう! 過去がどうとか頭がこんがらがってきたぜ!」
「ウウッ……」
「サッカー禁止令も過去を変えられてしまった結果……!」
「その通り!」
「やるじゃん、茜!」
「さすがはSF3級!」
「エヘッ」
混乱する水鳥と葵と違い、知識のある山菜茜はすぐに理解できたようでワンダバから正解をもらう。さらに二人から褒められて頬を朱に染めながら嬉しそうに笑った。
「改めて確認しよう。みんな、一ヶ月前の試合を覚えているな?」
「テレビで見てました!」
「結果はどうだった?」
「3対2で日本の勝ち!」
「全然違うド! 俺は会場に行ってちゃんと見てたド!」
「そうね。私の記憶では10対0で迎えた後半戦……日本チームの暴力行為で試合は中止になった……」
信助の記憶は天馬と神童と瑞貴も同じだ。しかし天城と春奈たちの記憶は状況が全く別である。あからさまな食い違いにワンダバも確信を持った。
「ウム! これで間違いない!」
「パラレルワールド……!」
「その通り!」
「どういうこと?」
自分たちがいる『今』は本来の歴史ではないと茜がまたも即座に理解する。逆に状況がよくわかっていない春奈は不思議そうに思っていた。
――ちょうど今後の部活の参考のために録画していたので、モニターに日米親善試合の映像を映す。そして問題の後半戦の映像が流れた。
《アメリカ代表選手、負傷者続出です!》
「そうそう、これよ!」
日本代表選手が激しいタックルを繰り出したり、ボールで相手の体や顔にぶつけている。挙げ句にレッドカードが出ても審判を無視して試合を続けて構わず暴力行為をしている。
「ヒドい試合ぜよ!」
「何度見ても腹が立つド!」
「あれが日本代表だなんて恥ずかしいです!」
錦龍馬や天城や速水鶴正は、試合を見ていた当時の気持ちが再来したかのように怒りに満ちている。しかし逆に……。
「なんで!? あのチームって!」
「うん!」
「プロトコル・オメガだ!」
信助や天馬やフェイたちは日本代表のメンバーが自分たちのよく知るチームであり、本来ならあの場にいないチーム――プロトコル・オメガだと気づいた。