勝利への反乱!
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「俺にボールをください!」
「ほい」
「ありがとうございます!」
走り出した天馬に浜野はパスを回した。反フィフスセクターである天馬にボールを渡した浜野に倉間は声を上げる。
「おい! なんであいつに渡すんだ!」
「いやあ、パスくれって言われたし……」
どうやらノリで渡してしまったようだ。だが結果オーライなので天馬はドリブルで切り込んで行く。
「まったく……ウザいんだよ!」
「ふっ!」
「何っ!?」
西野空がマークに着こうとしたが、天馬はサイドにいる信助にパスを回してかわした。さらに信助も一生懸命ドリブルで上がって行き、その光景に三国は目を見開く。
(相手の足元を狙って丁寧にパス……。迷いのない、思い切ったドリブル……)
「調子に乗ってんじゃねぇ!」
「うわあ!」
「信助!」
なんと安藤が思いっきりスライディングでぶつけ、ボールごと信助を弾き飛ばした。またもラフプレーに神童は声わ上げる。
「このー!」
(ちゃんと練習してきたのか、あいつら……勝つために!)
天馬は星降香宮夜と空中に飛んだボールを追ってジャンプすると、なんとか先に届いてヘディングできた。
――アドバイスしたとはいえ、勝つために迷いがないからこそできるプレーだと気づいた三国は、昔のことを思い出す。
『えーい!』
『太一! ナイスセーブ!』
『へへっ!』
昔クラブに入っていた三国はそこでもGKを務め、仲間に信頼されるほど立派な守護神だ。練習すればうまくなる…うまくなるともっとサッカーが楽しくなる…だから必死にボールを追いかけた。
『やったー! 勝った! 勝ったぞー! 太一が守ってくれたおかげだぜ!』
『ハハッ!』
『太一! やったわね!』
『母さん!』
試合に勝利して仲間たちは太一に飛びつくと、観戦していた三国の母も嬉しそうに声を上げたので、三国は笑顔になった。
『あのジンクス、また当たったな~』
『太一の母ちゃんが見に来たら、絶対勝てるって奴だろ? マジ太一の母ちゃんって勝利の女神だな!』
『女神!? 気持ち悪いこと言うなよ!』
恥ずかしくなったのか口に人差し指を当てた三国は、仲間の肩を引き寄せて本人である母に聞かれないようにする。
『何照れてんだよ?』
『太一は母ちゃん大好きだからな!』
『っ、ンなわけねーだろ!』
『『『アハハハハッ!』』』
――口ではそう言うが笑顔は否定していなかった。そしてあのときはサッカーが本当に好きでたまらなかった。
(ガムシャラに走り回ってボールを追って……なんで忘れちまったんだろうな。あの気持ちを!)
(おっ!)
拳を握り締め、土を蹴るように足を直した三国の背は――前半のときとまるで違っていた。その姿を見た瑞貴は嬉しそうに笑うと、選手名簿から三国の名前の隣に星印を書く。その印は天馬と信助と神童の隣にもあった。
「隼総!」
《喜多から隼総にセンタリング! これは雷門のピンチだ!》
「これで決める!」
「うおおぉぉおおお! てぇい!」
ペナルティエリア内へ喜多が隼総へボールを上げると、三国が飛び出してボールをキャッチした。
「何っ!?」
「三国さん!」
「「先輩!」」
隼総は思いもしない行動に驚き、神童と天馬と信助は嬉しそうに声を上げた。三国はボールを両手で持ち、真っ直ぐな瞳を向ける。
「神童…信助…天馬……おかげで目が覚めたよ! 俺も、自分のサッカーをやる。見たくなったんだ……勝利の女神が微笑むところをさ」
視線の先には観客席にいる自分の母だ。今はハラハラした表情を浮かべているが、勝利して笑顔を見せてほしいと三国は願う。そのために神童へボールを回す。
「神童! 遠慮はいらない。神のタクトで存分に攻めろ!」
「!」
「今の天馬と信助なら、お前のパス回しに付いて行けるはずだ! 相当練習してきたようだからな」
「「先輩……!」」
部活以外にも練習してきた天馬と信助。三国は天馬にアドバイスをしただけだが、それを実行するために練習を積んだのだとプレーを見て気づいたのだ。二人も努力をわかってくれたことに嬉しくなった。
「ほい」
「ありがとうございます!」
走り出した天馬に浜野はパスを回した。反フィフスセクターである天馬にボールを渡した浜野に倉間は声を上げる。
「おい! なんであいつに渡すんだ!」
「いやあ、パスくれって言われたし……」
どうやらノリで渡してしまったようだ。だが結果オーライなので天馬はドリブルで切り込んで行く。
「まったく……ウザいんだよ!」
「ふっ!」
「何っ!?」
西野空がマークに着こうとしたが、天馬はサイドにいる信助にパスを回してかわした。さらに信助も一生懸命ドリブルで上がって行き、その光景に三国は目を見開く。
(相手の足元を狙って丁寧にパス……。迷いのない、思い切ったドリブル……)
「調子に乗ってんじゃねぇ!」
「うわあ!」
「信助!」
なんと安藤が思いっきりスライディングでぶつけ、ボールごと信助を弾き飛ばした。またもラフプレーに神童は声わ上げる。
「このー!」
(ちゃんと練習してきたのか、あいつら……勝つために!)
天馬は星降香宮夜と空中に飛んだボールを追ってジャンプすると、なんとか先に届いてヘディングできた。
――アドバイスしたとはいえ、勝つために迷いがないからこそできるプレーだと気づいた三国は、昔のことを思い出す。
『えーい!』
『太一! ナイスセーブ!』
『へへっ!』
昔クラブに入っていた三国はそこでもGKを務め、仲間に信頼されるほど立派な守護神だ。練習すればうまくなる…うまくなるともっとサッカーが楽しくなる…だから必死にボールを追いかけた。
『やったー! 勝った! 勝ったぞー! 太一が守ってくれたおかげだぜ!』
『ハハッ!』
『太一! やったわね!』
『母さん!』
試合に勝利して仲間たちは太一に飛びつくと、観戦していた三国の母も嬉しそうに声を上げたので、三国は笑顔になった。
『あのジンクス、また当たったな~』
『太一の母ちゃんが見に来たら、絶対勝てるって奴だろ? マジ太一の母ちゃんって勝利の女神だな!』
『女神!? 気持ち悪いこと言うなよ!』
恥ずかしくなったのか口に人差し指を当てた三国は、仲間の肩を引き寄せて本人である母に聞かれないようにする。
『何照れてんだよ?』
『太一は母ちゃん大好きだからな!』
『っ、ンなわけねーだろ!』
『『『アハハハハッ!』』』
――口ではそう言うが笑顔は否定していなかった。そしてあのときはサッカーが本当に好きでたまらなかった。
(ガムシャラに走り回ってボールを追って……なんで忘れちまったんだろうな。あの気持ちを!)
(おっ!)
拳を握り締め、土を蹴るように足を直した三国の背は――前半のときとまるで違っていた。その姿を見た瑞貴は嬉しそうに笑うと、選手名簿から三国の名前の隣に星印を書く。その印は天馬と信助と神童の隣にもあった。
「隼総!」
《喜多から隼総にセンタリング! これは雷門のピンチだ!》
「これで決める!」
「うおおぉぉおおお! てぇい!」
ペナルティエリア内へ喜多が隼総へボールを上げると、三国が飛び出してボールをキャッチした。
「何っ!?」
「三国さん!」
「「先輩!」」
隼総は思いもしない行動に驚き、神童と天馬と信助は嬉しそうに声を上げた。三国はボールを両手で持ち、真っ直ぐな瞳を向ける。
「神童…信助…天馬……おかげで目が覚めたよ! 俺も、自分のサッカーをやる。見たくなったんだ……勝利の女神が微笑むところをさ」
視線の先には観客席にいる自分の母だ。今はハラハラした表情を浮かべているが、勝利して笑顔を見せてほしいと三国は願う。そのために神童へボールを回す。
「神童! 遠慮はいらない。神のタクトで存分に攻めろ!」
「!」
「今の天馬と信助なら、お前のパス回しに付いて行けるはずだ! 相当練習してきたようだからな」
「「先輩……!」」
部活以外にも練習してきた天馬と信助。三国は天馬にアドバイスをしただけだが、それを実行するために練習を積んだのだとプレーを見て気づいたのだ。二人も努力をわかってくれたことに嬉しくなった。