最後のサッカー
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「だから、もういいんだ。サッカーは、京介に返す」
「優一くん……」
「瑞貴さん。あなたとの約束はもう少し待っていてくれますか? 俺は『本当の俺』で約束を果たしたいんです」
『瑞貴さん。俺、がんばります。京介ともう一度サッカーをしたいし、瑞貴さんとの約束も果たしたいですから』
瑞貴には今の優一が病院で再会した優一と重なって見えた。本当の彼は足が動かなくなってもサッカーへの情熱は衰えず、目の前の彼も運命を受け入れてまで弟とサッカーを大切にするほどとても強い。その思いを受け止めるように瑞貴は彼の手を取ってニコッと微笑む。
「もちろんだよ。足が治ったら、そのときは京介くんと三人でサッカーやろうね!」
「はい」
「――剣城先輩?」
「――優一さん? 自分のことなんですからちゃんと見ないといけませんよ?」
「「わっ!」」
二人の間からジト目で見つめる神童とフェイに思わず驚いて離れる瑞貴と優一。手を握ったのは瑞貴からだというのに、二人の標的はしっかり優一に狙いを定めているのだった。
ちなみに神童とフェイの黒いオーラに触れる勇気もなく、天馬と信助とワンダバは何も見ていないというように過去の剣城兄弟を見続けるのだった。
「ファイアトルネード!」
「爆熱スクリュー!」
「「「「「「!」」」」」」
優一が蹴ったボールを剣城も蹴り返そうとし、勢いがあり過ぎたのか遠く飛んで行くボール。
すると同時に剣城兄弟が動かなくなった。いや、二人どころか飛んで行くボールも公園にいる人々も、何もかも時間が止まっている。そしてボールの先にいるのは――アルファだった。
「来た!」
予想通り剣城からサッカーを奪うためにこの事故を防ぎにアルファが現れた。
〈コマンドを実行せよ〉
「イエス、これよりインタラプトを修正する。――ん?」
「やめろ! 手を出すな!」
過去の剣城兄弟の前に現れた優一は、アルファから守るために両手を広げる。そして天馬と信助と神童と瑞貴とフェイもアルファの前に姿を現す。
「また会ったね」
ピピピッ。
「理解した」
パラレルワールドのアルファはフェイたちが誰かわからなかったが、未来から来た情報で自分の邪魔をしに来たと理解する。同時に神童も初対面のため天馬に尋ねる。
「こいつが、戦う相手なのか?」
「そうです。プロトコル・オメガのアルファです」
「我々の障害になる者は排除する」
【ムーブモード】
「「「「「「!」」」」」」
スフィアデバイスの青いボタンを足で押したアルファはそのまま瑞貴たちに向けて蹴り、そして自らも飛びこんでテレポートした。
――瑞貴たちが着いた場所は雷門中の屋内グラウンド。そしてアルファも他のプロトコル・オメガのメンバーと共に現れた。
「お前たちのサッカーが葬られる場所だ」
「本当にサッカーで決着つけるつもりのようだな……」
「受けて立つさ。そのために来たんだからね」
フェイが指をパチンと鳴らすと同時に数人のデュプリが現れる。しかもテンマーズのユニフォームではなく、雷門中サッカー部のユニフォームとなっているので信助も神童も驚いた。
「雷門のユニフォームだ!」
「彼らが、天馬の言っていたデュプリか」
そして天馬たちもユニフォームに着替えると、神童と信助はウォーミングアップする瑞貴を見て驚いた。
「瑞貴さんも一緒に出てくれるんですか?」
「フェイくんのデュプリの負担を減らすためにね。残念だけど大人より威力は落ちているから……足手まといにならないようがんばるよ」
「そんなことないですよ! 僕、瑞貴さんとサッカーできるなんて光栄です!」
「俺も。こうして同い年でプレーできるなんて夢みたいです」
目をキラキラと輝かせてくれる信助と、嬉しそうに笑う神童。それに瑞貴もつられて微笑んだ。
両チームがポジションに着くと、アルファの手によって十年前の海の家から矢嶋陽介が実況者として現れた。
《おーっと! 再び予想外の展開! またまたどこかのサッカー場だ――っ!! フェイと松風と円堂のイレブン! 前回はテンマーズで登録されていたが、今回はチーム雷門だ!!》
「奴らとは一度戦って勝ってる。この試合は僕たちに有利さ」
ホイッスルが鳴って試合開始。フェイからボールを受け取った天馬がドリブルしていくとレイザが立ち塞がった。
「アグレッシブビート!」
天馬は必殺技でなんなくかわした。初めて見た天馬の新必殺技と未来との敵と戦ってきたプレーに信助も神童も驚く。
「速い!」
「いつの間にあんな技を!」
「フェイ!」
「神童くん!」
「!」
天馬からボールを受け取ったフェイは続けて神童にパスを出すが、神童はボールに追いつけずラインの外に出してしまった。
「追いつけないなんて……!」
フェイのパスを取れなかったことに神童は悔しそうに歯を食いしばった。
「優一くん……」
「瑞貴さん。あなたとの約束はもう少し待っていてくれますか? 俺は『本当の俺』で約束を果たしたいんです」
『瑞貴さん。俺、がんばります。京介ともう一度サッカーをしたいし、瑞貴さんとの約束も果たしたいですから』
瑞貴には今の優一が病院で再会した優一と重なって見えた。本当の彼は足が動かなくなってもサッカーへの情熱は衰えず、目の前の彼も運命を受け入れてまで弟とサッカーを大切にするほどとても強い。その思いを受け止めるように瑞貴は彼の手を取ってニコッと微笑む。
「もちろんだよ。足が治ったら、そのときは京介くんと三人でサッカーやろうね!」
「はい」
「――剣城先輩?」
「――優一さん? 自分のことなんですからちゃんと見ないといけませんよ?」
「「わっ!」」
二人の間からジト目で見つめる神童とフェイに思わず驚いて離れる瑞貴と優一。手を握ったのは瑞貴からだというのに、二人の標的はしっかり優一に狙いを定めているのだった。
ちなみに神童とフェイの黒いオーラに触れる勇気もなく、天馬と信助とワンダバは何も見ていないというように過去の剣城兄弟を見続けるのだった。
「ファイアトルネード!」
「爆熱スクリュー!」
「「「「「「!」」」」」」
優一が蹴ったボールを剣城も蹴り返そうとし、勢いがあり過ぎたのか遠く飛んで行くボール。
すると同時に剣城兄弟が動かなくなった。いや、二人どころか飛んで行くボールも公園にいる人々も、何もかも時間が止まっている。そしてボールの先にいるのは――アルファだった。
「来た!」
予想通り剣城からサッカーを奪うためにこの事故を防ぎにアルファが現れた。
〈コマンドを実行せよ〉
「イエス、これよりインタラプトを修正する。――ん?」
「やめろ! 手を出すな!」
過去の剣城兄弟の前に現れた優一は、アルファから守るために両手を広げる。そして天馬と信助と神童と瑞貴とフェイもアルファの前に姿を現す。
「また会ったね」
ピピピッ。
「理解した」
パラレルワールドのアルファはフェイたちが誰かわからなかったが、未来から来た情報で自分の邪魔をしに来たと理解する。同時に神童も初対面のため天馬に尋ねる。
「こいつが、戦う相手なのか?」
「そうです。プロトコル・オメガのアルファです」
「我々の障害になる者は排除する」
【ムーブモード】
「「「「「「!」」」」」」
スフィアデバイスの青いボタンを足で押したアルファはそのまま瑞貴たちに向けて蹴り、そして自らも飛びこんでテレポートした。
――瑞貴たちが着いた場所は雷門中の屋内グラウンド。そしてアルファも他のプロトコル・オメガのメンバーと共に現れた。
「お前たちのサッカーが葬られる場所だ」
「本当にサッカーで決着つけるつもりのようだな……」
「受けて立つさ。そのために来たんだからね」
フェイが指をパチンと鳴らすと同時に数人のデュプリが現れる。しかもテンマーズのユニフォームではなく、雷門中サッカー部のユニフォームとなっているので信助も神童も驚いた。
「雷門のユニフォームだ!」
「彼らが、天馬の言っていたデュプリか」
そして天馬たちもユニフォームに着替えると、神童と信助はウォーミングアップする瑞貴を見て驚いた。
「瑞貴さんも一緒に出てくれるんですか?」
「フェイくんのデュプリの負担を減らすためにね。残念だけど大人より威力は落ちているから……足手まといにならないようがんばるよ」
「そんなことないですよ! 僕、瑞貴さんとサッカーできるなんて光栄です!」
「俺も。こうして同い年でプレーできるなんて夢みたいです」
目をキラキラと輝かせてくれる信助と、嬉しそうに笑う神童。それに瑞貴もつられて微笑んだ。
両チームがポジションに着くと、アルファの手によって十年前の海の家から矢嶋陽介が実況者として現れた。
《おーっと! 再び予想外の展開! またまたどこかのサッカー場だ――っ!! フェイと松風と円堂のイレブン! 前回はテンマーズで登録されていたが、今回はチーム雷門だ!!》
「奴らとは一度戦って勝ってる。この試合は僕たちに有利さ」
ホイッスルが鳴って試合開始。フェイからボールを受け取った天馬がドリブルしていくとレイザが立ち塞がった。
「アグレッシブビート!」
天馬は必殺技でなんなくかわした。初めて見た天馬の新必殺技と未来との敵と戦ってきたプレーに信助も神童も驚く。
「速い!」
「いつの間にあんな技を!」
「フェイ!」
「神童くん!」
「!」
天馬からボールを受け取ったフェイは続けて神童にパスを出すが、神童はボールに追いつけずラインの外に出してしまった。
「追いつけないなんて……!」
フェイのパスを取れなかったことに神童は悔しそうに歯を食いしばった。