よみがえれ! 雷門!!
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「その証拠は、俺たちしか持っていない物をちゃんと持ってるってことだ」
「あっ」
瑞貴は服の下に隠していたチェーンを通した指輪を見せると、円堂もまた左手に付けている指輪を見せる。実はこの指輪の裏は二人が結婚した日と二人の名前が彫ってあり、世界にたった二つしかない指輪なのだ。
「俺に会うのが気まずかったんだろ? 詳しく聞くから中に入ろうぜ。――おかえり」
「っ、ただいま!」
感極まった瑞貴は円堂に抱きつくと、それを円堂は驚きながらも優しく受け止めて二人は家の中に入った。
リビングに入って円堂が淹れてくれたコーヒー飲んでひと息つくと、瑞貴は今朝から起こった出来事を話した。それを円堂はしっかり聞くと同時に納得したこともある。
「じゃあ十一年前の試合、やっぱり瑞貴はいたんだな」
「思い出したの!?」
「ああ。あんなにスゲーシュートを撃った奴なのに思い出せないのが信じられなかったけど、お前から話を聞いて思い出した。俺の過去を守ってくれてありがとな」
円堂は瑞貴の頭にポンポンと優しく手を置くと、なんだか久しぶりに思える感触に瑞貴は頬を赤らめた。
「にしても、ずいぶん懐かしい姿に戻っちまったな」
「そうなんだよね……フェイもワンダバも元に戻る方法がわからないみたい。明日みんなにどう説明しよう……」
「まあ、なんとかなるさ! 天馬もいるんだし」
「ハハッ……『なんとかなる』じゃなくて『なんとかする』しかないんだよね」
「母ちゃんや近所の人たちにはなんて説明するか……」
「とりあえず、本当の私はレジスタンスやプロリーグの都合でしばらく帰れないってことにしといて、今の私は……『円堂瑞貴』の親戚ってことにしよう」
「だな。問い詰められたら説明するのが面倒だし」
むしろ信じてくれるかわからない。時空を超えるなんていくらなんでも突拍子なことなのだから。
「とりあえずメシにしようぜ。今日は俺が作るからゆっくり休めよ」
「うん、ありがとう」
キッチンに向かって食器と調理道具を出す円堂に、瑞貴は本当に彼が戻って来たんだと実感して嬉しそうに微笑んだ。
☆☆☆☆☆
翌日。天馬と瑞貴と優一とフェイはサッカー棟の前に来ていた。しかし天馬はなかなか足を踏み入れようとしないので、優一が声をかける。
「どうしたんだい? 入ってみようよ」
「もし、また他の部活が入ってたらって思うと……」
「そのときはすぐにワンダバを呼ぶよ。タイムジャンプして問題を解決しなくちゃ」
「フェイくん、そういえばワンダバは連れて来なくてよかったの?」
「この時代にあれがいたら、みんなびっくりしちゃいますから」
当のワンダバはというと、木枯らし荘の庭でキャラバンを洗車していた。しかしその行動は秋を充分びっくりさせているだけだが。
「――あれ? 天馬?」
「葵!」
うしろから声が聞こえて振り向くと、空野葵がこちらにやって来た。
「もう練習始まっちゃうよ」
「練習って……書道部?」
「なーに言ってんの。――サッカー部でしょ!」
「サッカー部! 元に戻ってる~!」
ホッとした反動で膝をついた天馬に葵は「ハァ?」と不可解そうに言うと、次いで瑞貴とフェイと優一を見て天馬に問いかける。
「天馬、この人たちは?」
「えっ! あの、ええっと……」
「僕はフェイ。天馬のサッカー仲間なんだ。今日は雷門中のサッカー部を見学に」
「天馬の友達ですか!」
それで納得した葵は天馬と優一とフェイと瑞貴を引き連れ、ロッカールームへと案内した。
「みなさーん! お客様です!」
「天馬! 遅いぞ!」
「今日は休みかと思ったよ~」
神童拓人や西園信助を始め、昨日まではサッカーに全く興味を示さなかったみんなが確かにいた。それもサッカー部として。
「よかった~……」
「どうしたの? あっ、こんにちは!」
「こんにちは」
ホッとする天馬に信助が不思議そうにすると、優一の存在に気づいて慌てて挨拶する。それに優一も優しく返した。
「剣城先輩!」
「お久しぶりです、剣城先輩!」
「「えっ!?」」
神童や三国太一が優一のことを『剣城先輩』と言ったので、天馬と瑞貴は思わず顔を見合わせた。だけど優一を知らない影山輝が三国たちに尋ねる。
「雷門のOBですか?」
「お前ら一年が知らないのもムリないか。剣城先輩は雷門のエースストライカーとしてチームを引っ張ってくれたんだ。卒業後もときどき遊びに――」
「待ってください! それじゃあ剣城は!」
「失礼だぞ、呼び捨てなんて!」
「そうじゃなくて、剣城京介! 優一さんの弟で……!」
天馬は神童たちにそう説明しようにも、誰もすぐ反応してくれない。確かにサッカー部は元に戻ったが剣城だけがまだサッカー部に戻っていなかった。
「あっ」
瑞貴は服の下に隠していたチェーンを通した指輪を見せると、円堂もまた左手に付けている指輪を見せる。実はこの指輪の裏は二人が結婚した日と二人の名前が彫ってあり、世界にたった二つしかない指輪なのだ。
「俺に会うのが気まずかったんだろ? 詳しく聞くから中に入ろうぜ。――おかえり」
「っ、ただいま!」
感極まった瑞貴は円堂に抱きつくと、それを円堂は驚きながらも優しく受け止めて二人は家の中に入った。
リビングに入って円堂が淹れてくれたコーヒー飲んでひと息つくと、瑞貴は今朝から起こった出来事を話した。それを円堂はしっかり聞くと同時に納得したこともある。
「じゃあ十一年前の試合、やっぱり瑞貴はいたんだな」
「思い出したの!?」
「ああ。あんなにスゲーシュートを撃った奴なのに思い出せないのが信じられなかったけど、お前から話を聞いて思い出した。俺の過去を守ってくれてありがとな」
円堂は瑞貴の頭にポンポンと優しく手を置くと、なんだか久しぶりに思える感触に瑞貴は頬を赤らめた。
「にしても、ずいぶん懐かしい姿に戻っちまったな」
「そうなんだよね……フェイもワンダバも元に戻る方法がわからないみたい。明日みんなにどう説明しよう……」
「まあ、なんとかなるさ! 天馬もいるんだし」
「ハハッ……『なんとかなる』じゃなくて『なんとかする』しかないんだよね」
「母ちゃんや近所の人たちにはなんて説明するか……」
「とりあえず、本当の私はレジスタンスやプロリーグの都合でしばらく帰れないってことにしといて、今の私は……『円堂瑞貴』の親戚ってことにしよう」
「だな。問い詰められたら説明するのが面倒だし」
むしろ信じてくれるかわからない。時空を超えるなんていくらなんでも突拍子なことなのだから。
「とりあえずメシにしようぜ。今日は俺が作るからゆっくり休めよ」
「うん、ありがとう」
キッチンに向かって食器と調理道具を出す円堂に、瑞貴は本当に彼が戻って来たんだと実感して嬉しそうに微笑んだ。
☆☆☆☆☆
翌日。天馬と瑞貴と優一とフェイはサッカー棟の前に来ていた。しかし天馬はなかなか足を踏み入れようとしないので、優一が声をかける。
「どうしたんだい? 入ってみようよ」
「もし、また他の部活が入ってたらって思うと……」
「そのときはすぐにワンダバを呼ぶよ。タイムジャンプして問題を解決しなくちゃ」
「フェイくん、そういえばワンダバは連れて来なくてよかったの?」
「この時代にあれがいたら、みんなびっくりしちゃいますから」
当のワンダバはというと、木枯らし荘の庭でキャラバンを洗車していた。しかしその行動は秋を充分びっくりさせているだけだが。
「――あれ? 天馬?」
「葵!」
うしろから声が聞こえて振り向くと、空野葵がこちらにやって来た。
「もう練習始まっちゃうよ」
「練習って……書道部?」
「なーに言ってんの。――サッカー部でしょ!」
「サッカー部! 元に戻ってる~!」
ホッとした反動で膝をついた天馬に葵は「ハァ?」と不可解そうに言うと、次いで瑞貴とフェイと優一を見て天馬に問いかける。
「天馬、この人たちは?」
「えっ! あの、ええっと……」
「僕はフェイ。天馬のサッカー仲間なんだ。今日は雷門中のサッカー部を見学に」
「天馬の友達ですか!」
それで納得した葵は天馬と優一とフェイと瑞貴を引き連れ、ロッカールームへと案内した。
「みなさーん! お客様です!」
「天馬! 遅いぞ!」
「今日は休みかと思ったよ~」
神童拓人や西園信助を始め、昨日まではサッカーに全く興味を示さなかったみんなが確かにいた。それもサッカー部として。
「よかった~……」
「どうしたの? あっ、こんにちは!」
「こんにちは」
ホッとする天馬に信助が不思議そうにすると、優一の存在に気づいて慌てて挨拶する。それに優一も優しく返した。
「剣城先輩!」
「お久しぶりです、剣城先輩!」
「「えっ!?」」
神童や三国太一が優一のことを『剣城先輩』と言ったので、天馬と瑞貴は思わず顔を見合わせた。だけど優一を知らない影山輝が三国たちに尋ねる。
「雷門のOBですか?」
「お前ら一年が知らないのもムリないか。剣城先輩は雷門のエースストライカーとしてチームを引っ張ってくれたんだ。卒業後もときどき遊びに――」
「待ってください! それじゃあ剣城は!」
「失礼だぞ、呼び捨てなんて!」
「そうじゃなくて、剣城京介! 優一さんの弟で……!」
天馬は神童たちにそう説明しようにも、誰もすぐ反応してくれない。確かにサッカー部は元に戻ったが剣城だけがまだサッカー部に戻っていなかった。