よみがえれ! 雷門!!
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「どうしたの?」
「いえ。俺と京介があなたに会ったのは今と同じ姿で年上のお姉さんだったのに、こうして見ると外見は俺が年上なのも不思議な感じがして……」
「フフッ、確かに。言われてみればそうだね。私、優一くんとサッカーしたいってずっと思ってたの。それが叶って嬉しいよ」
「それは俺もです。ずいぶん昔のことだから覚えてないと思ったんですが……」
「私も兄弟そろうまではなかなか思い出せなかったけど、大事な約束は何年経とうと心に残っているものだよ。だからこうして一緒にサッカーができて本当に嬉しいんだ」
「!」
子供の姿なのに大人のような雰囲気がある優しい笑顔を向ける瑞貴に、優一は目を見開いた。
すると優一は瑞貴の横に垂れ流している髪にそっと触れる。優一の突然の行動と彼がスゴく優しい目をして見て来るので瑞貴は目をパチクリした。
「もし俺が早く生まれてたら、あなたの相棒は――隣にいるのは俺だったんでしょうか?」
「優一くん……?」
「――ハーイ、ストップ!」
二人をベリッと引き剥がしたのは、さっきまで天馬と一緒に話していたフェイだった。
「優一さん、瑞貴さんに手を出すのはダメですよ。今の彼女はもう円堂さんの奥さんなんですから」
「ハハハッ。人聞きが悪いなぁ、フェイくん。俺は『もしも』の話をしただけだよ」
「「…………」」
「えっ? えっ?」
火花を散り始めている二人に、間にいる瑞貴は頭に『?』を浮かばせて混乱している。そしてそれを見ていた天馬もまた呆然としていた。
「……何あれ?」
「……フェイは瑞貴殿のファンなんだ。見逃してやってくれ」
「そ、そうなんだ……」
確かに何度かフェイが瑞貴のことを気にかけていたので、それで天馬もまたようやく合点がいった。
「しかし怒涛の一日で疲れた。天馬、お前の家に行こう!」
「えっ!?」
☆☆☆☆☆
現代に戻ったワンダバは本当に木枯らし荘にキャラバンを止めた。いきなりの来訪者に秋は目をパチクリする。
「……お客さん?」
「こんばんは」
「秋姉、今日みんな俺の部屋に泊まるからね。サスケ、いいよな」
「このワンコがあのときの?」
「うん。サスケっていうんだ」
「よろしくな、サスケ」
秋に説明した天馬は欠伸をするサスケを撫でたので、フェイはサスケが天馬が幼い頃に助けた犬だと気づき挨拶する。
「すみません。お世話になります」
「ああ、私のご飯はいいですから」
「あれ? どこかで見たような……」
礼儀正しく挨拶してくれる優一はともかく、ワンダバは動くクマのぬいぐるみみたいな容姿をしているので、十一年前とはいえ秋もなんとなく記憶にあるらしい。
「じゃあ私は家に帰るね。みんな、また明日!」
「えっ? まさか瑞貴ちゃん? あれ?」
手を振って去った瑞貴に秋は昔と同じ姿の彼女を見てびっくりした。
それを見届けた優一はふと思い出し、サスケを撫でる天馬とフェイに話しかける。
「瑞貴さん、家に帰って大丈夫なのかい?」
「「えっ?」」
「だって雷門中サッカー部の誕生を守ったということは、家には当然――」
「「あっ!」」
その先の言葉は言わずともわかったので天馬とフェイは声を上げる。歴史の変化を阻止できた感動で忘れていたが、サッカー部設立を守ることができたということは、順調に十一年前の円堂は瑞貴に会うことになる。即ち、瑞貴が円堂と夫婦になることも守れたということだ。
――それを瑞貴が思い出したのは家に着いてからのことだった。しかし中に入れず立ち尽くしている。
「しまった、忘れてた……」
瑞貴もまた勝利の感動で今の自分の姿がこの時代に合わないことを忘れていた。
今の状態で会えば円堂を混乱させるだけだし、携帯を見れば時代が元に戻った証拠ということで円堂から着信やメールが何件か来ている。内容は全て何も言わず夜になっても帰って来ない瑞貴の心配だ。
「電気が点いているってことは守も帰っているってことだし……本当にどうしよう……。シンに連絡しようかな……?」
時間移動や歴史の改変など突拍子もないことを説明するのも難しく、瑞貴が両腕を組んで頭を悩ませていると――。
ガチャ。
「「!」」
するといきなりドアが開いた。当然開けたのは家の中から出てきた円堂で、その左の薬指にはちゃんと結婚指輪がしてある。本当に元に戻ったのだと安堵した瑞貴だが、さすがに今の状況はマズいと思って顔をうつむける。
「あの、えっと、その、私……」
「瑞貴だよな。俺の相棒で奥さんの」
「!」
いきなりそう返してくれると思わなかった瑞貴は顔を上げると、円堂はニカッと笑って瑞貴の目線に合わせるようにしゃがんだ。
「神崎さんから聞いたぞ。未来から来た奴らのせいで十年前の姿に戻ってしまったって」
「シンから……?」
どうやら気まずくならないように口裏を合わせておいたらしい。シンの正体を知っている瑞貴は彼の気遣いだとすぐにわかった。
「いえ。俺と京介があなたに会ったのは今と同じ姿で年上のお姉さんだったのに、こうして見ると外見は俺が年上なのも不思議な感じがして……」
「フフッ、確かに。言われてみればそうだね。私、優一くんとサッカーしたいってずっと思ってたの。それが叶って嬉しいよ」
「それは俺もです。ずいぶん昔のことだから覚えてないと思ったんですが……」
「私も兄弟そろうまではなかなか思い出せなかったけど、大事な約束は何年経とうと心に残っているものだよ。だからこうして一緒にサッカーができて本当に嬉しいんだ」
「!」
子供の姿なのに大人のような雰囲気がある優しい笑顔を向ける瑞貴に、優一は目を見開いた。
すると優一は瑞貴の横に垂れ流している髪にそっと触れる。優一の突然の行動と彼がスゴく優しい目をして見て来るので瑞貴は目をパチクリした。
「もし俺が早く生まれてたら、あなたの相棒は――隣にいるのは俺だったんでしょうか?」
「優一くん……?」
「――ハーイ、ストップ!」
二人をベリッと引き剥がしたのは、さっきまで天馬と一緒に話していたフェイだった。
「優一さん、瑞貴さんに手を出すのはダメですよ。今の彼女はもう円堂さんの奥さんなんですから」
「ハハハッ。人聞きが悪いなぁ、フェイくん。俺は『もしも』の話をしただけだよ」
「「…………」」
「えっ? えっ?」
火花を散り始めている二人に、間にいる瑞貴は頭に『?』を浮かばせて混乱している。そしてそれを見ていた天馬もまた呆然としていた。
「……何あれ?」
「……フェイは瑞貴殿のファンなんだ。見逃してやってくれ」
「そ、そうなんだ……」
確かに何度かフェイが瑞貴のことを気にかけていたので、それで天馬もまたようやく合点がいった。
「しかし怒涛の一日で疲れた。天馬、お前の家に行こう!」
「えっ!?」
☆☆☆☆☆
現代に戻ったワンダバは本当に木枯らし荘にキャラバンを止めた。いきなりの来訪者に秋は目をパチクリする。
「……お客さん?」
「こんばんは」
「秋姉、今日みんな俺の部屋に泊まるからね。サスケ、いいよな」
「このワンコがあのときの?」
「うん。サスケっていうんだ」
「よろしくな、サスケ」
秋に説明した天馬は欠伸をするサスケを撫でたので、フェイはサスケが天馬が幼い頃に助けた犬だと気づき挨拶する。
「すみません。お世話になります」
「ああ、私のご飯はいいですから」
「あれ? どこかで見たような……」
礼儀正しく挨拶してくれる優一はともかく、ワンダバは動くクマのぬいぐるみみたいな容姿をしているので、十一年前とはいえ秋もなんとなく記憶にあるらしい。
「じゃあ私は家に帰るね。みんな、また明日!」
「えっ? まさか瑞貴ちゃん? あれ?」
手を振って去った瑞貴に秋は昔と同じ姿の彼女を見てびっくりした。
それを見届けた優一はふと思い出し、サスケを撫でる天馬とフェイに話しかける。
「瑞貴さん、家に帰って大丈夫なのかい?」
「「えっ?」」
「だって雷門中サッカー部の誕生を守ったということは、家には当然――」
「「あっ!」」
その先の言葉は言わずともわかったので天馬とフェイは声を上げる。歴史の変化を阻止できた感動で忘れていたが、サッカー部設立を守ることができたということは、順調に十一年前の円堂は瑞貴に会うことになる。即ち、瑞貴が円堂と夫婦になることも守れたということだ。
――それを瑞貴が思い出したのは家に着いてからのことだった。しかし中に入れず立ち尽くしている。
「しまった、忘れてた……」
瑞貴もまた勝利の感動で今の自分の姿がこの時代に合わないことを忘れていた。
今の状態で会えば円堂を混乱させるだけだし、携帯を見れば時代が元に戻った証拠ということで円堂から着信やメールが何件か来ている。内容は全て何も言わず夜になっても帰って来ない瑞貴の心配だ。
「電気が点いているってことは守も帰っているってことだし……本当にどうしよう……。シンに連絡しようかな……?」
時間移動や歴史の改変など突拍子もないことを説明するのも難しく、瑞貴が両腕を組んで頭を悩ませていると――。
ガチャ。
「「!」」
するといきなりドアが開いた。当然開けたのは家の中から出てきた円堂で、その左の薬指にはちゃんと結婚指輪がしてある。本当に元に戻ったのだと安堵した瑞貴だが、さすがに今の状況はマズいと思って顔をうつむける。
「あの、えっと、その、私……」
「瑞貴だよな。俺の相棒で奥さんの」
「!」
いきなりそう返してくれると思わなかった瑞貴は顔を上げると、円堂はニカッと笑って瑞貴の目線に合わせるようにしゃがんだ。
「神崎さんから聞いたぞ。未来から来た奴らのせいで十年前の姿に戻ってしまったって」
「シンから……?」
どうやら気まずくならないように口裏を合わせておいたらしい。シンの正体を知っている瑞貴は彼の気遣いだとすぐにわかった。