勝利への反乱!
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「どんなシュートでも、止めてみせる……」
続いてMFメンバーの元へ向かうと、速水が目を逸らしたので安心させるように円堂は頭に手を置く。
「どんな相手も、ドリブルで抜いてみせる……」
さらにFWメンバーの前を通り、全くあきらめていないと伝わって忌々しげな顔をする剣城の前も通る。
「誰より強いシュートを撃ってみせる……そして勝ってみせる!」
「クッ……!」
最後に天馬のいる元の場所に戻り、もう一度みんなに向かって体を向けると右手に拳を作って心臓の位置にトンッと置く。
「それがサッカープレーヤー……みんなが持っている想いだ!」
「円堂監督……」
「お前たちは、本当にいいと思っているのか? 負けてもいいと、本当に! 自分の心に聞いてみろ……今のサッカーが、お前たちのやりたかったサッカーなのかを。お前たちのサッカー……本当のサッカーってのが、なんなのかを!」
「――何を言っとるんだ、君は!」
「――何も反省していなかったのですか!?」
心の奥に語りかけるようなことを言う円堂。しかしそれを控え室に入って来た金山郷造と冬海卓に邪魔をされた。
「ホーリーロードはただのサッカー選手権ではなく、聖帝を決める大切な選挙なんですぞ!?」
「逆らえば私たちの――……いえ、雷門中の立場が危うくなるのですよ?」
「監督として今一度言いたまえ。『フィフスセクターの指示は絶対だ。この試合、確実に負けるのだ』と!」
「言うべきことは全て言いました」
「なっ!」
「何っ!?」
「あとはみんなが、自分で決めるんだ。一人のサッカープレーヤーとして。――フィールドで、待ってるぞ」
そう言い残して控え室を出て行った円堂。瑞貴もそれに続こうとすると金山と冬海の狙いは次に瑞貴へと移る。
「井上くん、君もなんなんだ! 何故円堂くんを止めない!?」
「私があのとき注意したのは、円堂くんだけじゃなくあなたにも言ったんですよ!?」
「止める必要がどこに?」
「何っ!?」
「サッカーは管理するのではなく、自由であるからこそ本当の価値が生まれます。成長も…勝利も…敗北も……意味を持って生まれるのは『管理サッカー』ではなく『本気のサッカー』です。選挙や立場に使う道具ではありません」
「「「「!」」」」
神童と霧野と剣城と南沢は目を見開いた。一瞬、瑞貴に――十年前の姿が重なって見えたからだ。そんなことに気づかず、瑞貴は金山から雷門中サッカー部へ体を向けて微笑む。
「みんな、またあとでね」
「ま、待ちたまえ! 円堂くん! 井上くん!」
そう言って控え室から出て行った瑞貴を、金山と冬海は慌てて追いかけた。残ったのは天馬や浜野たち雷門中サッカー部である。
「監督……。瑞貴さん……」
「ちゅーか、自分で決めろって言われてもさぁ……」
(俺は…俺は……!)
三国は天井に描かれた星座の一つ、乙女座を見て葛藤していた。
☆☆☆☆☆
「拓人くん」
「はい?」
ハーフタイムがもうすぐ終わるので、両チームはピッチに入ってポジションに向かう。神童も入ろうと瑞貴が声をかけた。
「化身は『気』から現れた者――すなわち、もう一人の自分なの」
「もう一人の、自分……?」
「君はまだ化身を使うことを恐れている。真正面で向き合えば、化身も応えてくれる」
「っ、はい!」
強く頷いた神童はピッチへと向かったので、瑞貴はその背を見て微笑んだ。
両チームがポジションに着きハーフタイムが終了した。キックオフは雷門中からである。
「どうする?」
「どうするったって……」
南沢と倉間は迷っていたが、ホイッスルが鳴って試合が始まった。南沢からボールを受け取った倉間はうしろにいる浜野に回す。
続いてMFメンバーの元へ向かうと、速水が目を逸らしたので安心させるように円堂は頭に手を置く。
「どんな相手も、ドリブルで抜いてみせる……」
さらにFWメンバーの前を通り、全くあきらめていないと伝わって忌々しげな顔をする剣城の前も通る。
「誰より強いシュートを撃ってみせる……そして勝ってみせる!」
「クッ……!」
最後に天馬のいる元の場所に戻り、もう一度みんなに向かって体を向けると右手に拳を作って心臓の位置にトンッと置く。
「それがサッカープレーヤー……みんなが持っている想いだ!」
「円堂監督……」
「お前たちは、本当にいいと思っているのか? 負けてもいいと、本当に! 自分の心に聞いてみろ……今のサッカーが、お前たちのやりたかったサッカーなのかを。お前たちのサッカー……本当のサッカーってのが、なんなのかを!」
「――何を言っとるんだ、君は!」
「――何も反省していなかったのですか!?」
心の奥に語りかけるようなことを言う円堂。しかしそれを控え室に入って来た金山郷造と冬海卓に邪魔をされた。
「ホーリーロードはただのサッカー選手権ではなく、聖帝を決める大切な選挙なんですぞ!?」
「逆らえば私たちの――……いえ、雷門中の立場が危うくなるのですよ?」
「監督として今一度言いたまえ。『フィフスセクターの指示は絶対だ。この試合、確実に負けるのだ』と!」
「言うべきことは全て言いました」
「なっ!」
「何っ!?」
「あとはみんなが、自分で決めるんだ。一人のサッカープレーヤーとして。――フィールドで、待ってるぞ」
そう言い残して控え室を出て行った円堂。瑞貴もそれに続こうとすると金山と冬海の狙いは次に瑞貴へと移る。
「井上くん、君もなんなんだ! 何故円堂くんを止めない!?」
「私があのとき注意したのは、円堂くんだけじゃなくあなたにも言ったんですよ!?」
「止める必要がどこに?」
「何っ!?」
「サッカーは管理するのではなく、自由であるからこそ本当の価値が生まれます。成長も…勝利も…敗北も……意味を持って生まれるのは『管理サッカー』ではなく『本気のサッカー』です。選挙や立場に使う道具ではありません」
「「「「!」」」」
神童と霧野と剣城と南沢は目を見開いた。一瞬、瑞貴に――十年前の姿が重なって見えたからだ。そんなことに気づかず、瑞貴は金山から雷門中サッカー部へ体を向けて微笑む。
「みんな、またあとでね」
「ま、待ちたまえ! 円堂くん! 井上くん!」
そう言って控え室から出て行った瑞貴を、金山と冬海は慌てて追いかけた。残ったのは天馬や浜野たち雷門中サッカー部である。
「監督……。瑞貴さん……」
「ちゅーか、自分で決めろって言われてもさぁ……」
(俺は…俺は……!)
三国は天井に描かれた星座の一つ、乙女座を見て葛藤していた。
☆☆☆☆☆
「拓人くん」
「はい?」
ハーフタイムがもうすぐ終わるので、両チームはピッチに入ってポジションに向かう。神童も入ろうと瑞貴が声をかけた。
「化身は『気』から現れた者――すなわち、もう一人の自分なの」
「もう一人の、自分……?」
「君はまだ化身を使うことを恐れている。真正面で向き合えば、化身も応えてくれる」
「っ、はい!」
強く頷いた神童はピッチへと向かったので、瑞貴はその背を見て微笑んだ。
両チームがポジションに着きハーフタイムが終了した。キックオフは雷門中からである。
「どうする?」
「どうするったって……」
南沢と倉間は迷っていたが、ホイッスルが鳴って試合が始まった。南沢からボールを受け取った倉間はうしろにいる浜野に回す。